エビの栄養と効能。高タンパク質・低カロリーなのでダイエット中でも

エビ-炒め 魚介類

エビは、刺身をはじめ天ぷらや塩焼きなどの和食、エビフライやアヒージョといった洋食、エビチリやエビマヨなどの中華、そしてエスニック料理など、様々な料理で引っ張りだこの人気食材ですね。
そんなエビは、高タンパク質・低カロリーなのに、私たちの健康な体づくりに必要な栄養素がいろいろ含まれている嬉しい食材。

そこで今回は、エビに含まれる栄養素やその効能、また新鮮なエビの選び方等について紹介します。

エビに含まれる主な栄養素と効能

エビは桜エビのように小さいものから伊勢エビのように大きいものがありますので、食用として食べる部分や料理によっても少し違いが出てきます。
ここでは、一番よく食べられているバナメイエビを中心に紹介します。

バナメイエビ-有頭
バナメイエビ(有頭)

バナメイエビ(生)100gあたりのカロリーは82kcal。
主に含まれる栄養素はタンパク質ビタミンB12ビタミンEカリウムカルシウムマグネシウム鉄分亜鉛タウリンセレン、そしてアスタキサンチンなどです。
エビは低カロリー・低脂質・高タンパク質なので、ダイエット中でもそんなに気にしないで食べられる食材といえますね。
参考:日本食品標準成分表2020年版(八訂)

タンパク質、とくにアミノ酸のグリシンが豊富

三大栄養素であるタンパク質は、筋肉や皮膚などの生物の重要な構成成分であり、またエネルギー源です。
常に分解・生成を繰り返しているので、毎日摂る必要のある栄養素です。
エビにはタンパク質の分解と合成に不可欠なビタミンB12も含まれているので、タンパク質を効率的に摂れる食材といえるでしょう。

とくに、エビの甘み成分であり、ヒトの体のタンパク質を構成する20種類のアミノ酸の一つであるグリシンが豊富。
皮膚のコラーゲンを構成するアミノ酸の約3分の1がグリシンです。
また、神経伝達物質の一つとしても働き、運動や感覚、呼吸といった身体機能にも関わっていて、睡眠の質を高めることにも効果を発揮します。

血行改善に働くビタミンE

抗酸化作用がある脂溶性のビタミン。過酸化脂質の生成を抑制し、血管を健康に保つ作用で血行改善に働きます。
また、血中のLDLコレステロールの酸化の抑制や赤血球の破壊を防いだりする作用で生活習慣病予防に期待ができます。
細胞の酸化を防ぐことで、老化を抑える効果も。

肝機能を高めるタウリン

タウリンはアミノ酸に似た物質で、心臓や肝臓の機能を高める作用があります。
肝機能が安定していると代謝がスムーズに行われるので、疲労回復に役立ちます。
他にも、血液中のコレステロールや中性脂肪を減らす、血圧を正しく保ち高い血圧を下げる、 インスリン分泌を促進し糖尿病の予防、視力の衰えを防ぐなどの効果が期待できます。

骨を丈夫にしたり骨粗鬆症予防にカルシウム

カルシウムは骨や歯の主成分ですので、欠乏すると骨折しやすくなったり、骨粗しょう症になりやすくなります。
ほかにも、止血を助けたり筋肉の動きを促したり、神経の興奮を抑えるという働きがあり、体にとって必要不可欠な栄養素のひとつです。
現代の日本人はカルシウムが不足している傾向にあるので、積極的に摂りたい栄養素です。

関節の動きを滑らかにするグルコサミン

エビにはグルコサミンというアミノ糖の一種が含まれています。
グルコサミンはエビやカニに多く含まれており、関節の動きを滑らかにし、痛みを緩和する効果が期待できます。
体内で合成される成分ですが、年齢を重ねるとその能力は低下していき、膝や腰などの関節に痛みが生じることがあります。
グルコサミンは、コラーゲンとともに軟骨の原料となり、関節の痛みの緩和や動きを滑らかにする作用に期待がされています。

細胞の老化を防ぐ働きがあるセレン

人体に欠かすことができない必須ミネラルの一つであるセレンは、酵素やタンパク質の生成に関わり、抗酸化作用で老化の原因物質である過酸化脂質の分解に関与します。
毒性もあるので過剰摂取に注意ですが、適度に摂取する分には、老化や生活習慣病の予防に役立ちます。

甘エビ-刺身-ビール

アンチエイジングにアスタキサンチン

アスタキサンチンとは、カロテノイドと呼ばれる天然色素の一種で、エビの赤い色素のことです。
生のままでは灰色のようなエビもいますが、これはアスタキサンチンがタンパク質と結合しているため。加熱するとタンパク質から分離するので、本来の赤い色が表面に出てきます。
このアスタキサンチンにも強い抗酸化作用があり、脂肪燃焼作用・中性脂肪の減少・眼精疲労や脳疲労の抑制・老化を抑えるなど、さまざまな効果が期待できると注目されています。
紫外線による肌のシミやシワを防ぐ美肌や保湿効果で、アンチエイジングの有効成分として化粧品にも使われていますね。

エビの栄養を摂取する効果的な食べ方

桜エビ-パスタ

できるだけ、殻や尾も食べる

エビの殻や尾にも栄養があります。
主に、不溶性食物繊維でコレステロールの上昇を防いだり免疫力アップに働くキチン、上記したカルシウムアスタキサンチンが含まれています。

桜エビなどの小エビは、そのまま殻や尾も食べられるのでオススメです。
気軽に汁物に入れたり、炒め物やパスタにトッピングできますね。

それより大きいエビ類はよく噛んで食べないと、喉などの粘膜に刺さる可能性もあるので無理にはお勧めしませんが、食べられるなら食べた方が栄養的にはオトクです。
エビを丸ごと焼いたり揚げたり炒めたりすると、香ばしくもなり食べやすくなります。また、ふりかけを作るのも良いアイデアです。

エビの殻・尾のふりかけの作り方

  1. 耐熱皿にエビの殻や尾を並べて、ラップをかけずに電子レンジで加熱します(600Wで約3分、裏返して約3分)。
  2. ポリ袋などに入れ綿棒で細かく砕く、またはミキサーにかけます。
  3. フライパンにごま油を入れ熱し、砕いたエビ殻・尾と鰹節・胡麻など好みの材料を入れ全体に色がつくまで炒めます。

ビタミンAやビタミンCを含む食材と一緒に食べる

エビには抗酸化作用のあるビタミンEが含まれています。
そのビタミンEとビタミンA・ビタミンCはビタミンエースとも呼ばれ、一緒に摂ることで高い抗酸化作用を発揮します。

ビタミンAは、鰻・銀タラ・アナゴなどの魚類やレバーや卵黄、ニンジン・ホウレンソウ・ブロッコリー・かぼちゃ・ピーマン、小松菜などの緑黄色野菜に多く含まれています。

ビタミンCは、ピーマン・トマト・ブロッコリー・カリフラワーなどの野菜や、キウイフルーツ・レモン・イチゴなどの果物、ジャガイモ・サツマイモなどのイモ類に多く含まれています。

茹で料理では汁も飲む

エビに含まれるビタミンB12などの栄養素は水溶性なので、茹でたりすると流出していまいます。
茹でたり煮たりした場合は、できるだけ汁も飲むようにしましょう。味噌汁やスープなどは栄養を逃さず食べられますね。

エビの下処理の仕方と保存方法

エビフライ-定食

むきエビは調理するのに手軽で便利ですが、頭部分や殻付きのエビの方がうま味があり、天ぷらやフライの料理にしても尾がある方が豪華に見えるという利点もあります。
エビの栄養を逃さず、そして美味しく食べるには、購入する際のチェックポイントや下処理、保存方法なども大事ですので、あわせて紹介します。

新鮮なエビの選び方

  • 頭や殻・尾のフチなどが黒ずんでいなくて、殻にかたさがあり、模様が鮮明できちんと発色しているもの
  • 透明な色をしていて、身がしっかり詰まっているもの
  • むきエビは水分が飛んでいなくて、プリプリしているもの

を選びましょう。

下処理の仕方

水洗いするだけで良いような気がしますが、汚れや臭み、背わたをきちんと取ると、料理が一段と美味しくなります。

1. 水洗いする

有頭や殻付きえびは、殻を剥いてから洗うとうま味や栄養が流れ出てしまうので、殻ごと塩をまぶして洗います。
むきエビも、汚れや臭みを取るために、塩と片栗粉をまぶしてもみ込むように洗います。
どちらも、洗い終わったらクッキングペーパーなどでよく水気を拭き取ります。

2. 背わたを取る

エビ-背わた

背わたはエビの消化管で背中側にある黒い筋。臭みの原因になり食感も悪くなるので取り除きます。
竹串を殻の隙間から背の中央に入れ、背わたを引っ掛けて抜き取ります。
背を開いた料理にする場合は、包丁で切り込みを入れて開くときに、そのまま包丁の先端で掻き出します。

保存方法

保存する場合も、頭部分や背わたが残ったままだと傷みやすいので、まず上記と同じ方法で水洗いと背わた、そして頭部分を取り除きます。
下処理が終わったら、ラップで包み冷蔵庫へ。保存できる期間は2~3日程度です。

すぐに使用しない場合は、冷凍保存もできます。
上記の下処理を行った後、ジッパー付きフリーザーパックに、出来るだけ重ならないように入れて冷凍します。
保存できる期間は2~3週間程度。茹でエビの場合は3~4週間程度は保存が可能です。
それ以上保存を続けると冷凍焼けを起こしてしまい、味や食感が悪くなってしまうので、できるだけ早く使うようにしましょう。
解凍は、冷蔵庫に入れて、あるいはパックに入れたままジッパーを閉めて流水で行います。

甲殻類アレルギーには注意

甲殻類(とくにエビ)は食物依存性運動誘発アナフィラキシーを起こす可能性のある原因食物として、特定原材料に指定されています。
アレルギーのある人は、食品表示をよく確認して(加工食品など、表面的に見えなくても中に入っていることもあるので)、注意して食べないようにする、周りの人も食べさせないようにしましょう。
大人になっても発症することがあるそうなので、エビを食べて体調に異変を感じたら食べるのをやめ、医師に相談しましょう。

まとめ

エビに含まれる栄養素とその効能についての話を中心に紹介しました。

エビは高タンパク質で低脂質、低カロリーな食材。他にもビタミンEやタウリン・アスタキサンチン・カルシウムなど、健康な体作りにも役立つ栄養素が含まれていることがわかりました。
かつてはコレステロールも多いということで敬遠されがちでしたが、現在では悪玉コレステロールを減らす成分も含まれていることが判明しており、そんなに心配することもないようです。
もちろん食べ過ぎは良くありませんが…。

エビを使う料理は数多くあり、天ぷらやフライ、炒め物、そして刺身でも食べられています。
メイン料理だけでなく、良い出汁が出るということで汁物にも使われ、使い勝手の良い人気の食材ですね。

エビ-トムヤムクン

出典・参照させていただいたサイト:
シンクヘルス エビの栄養と効果
まごころケア食 えびにはどんな栄養が含まれる?
良好倶楽部 プリプリが魅力!エビの栄養と効果5選
Lidea エビの下処理の基本&冷蔵・冷凍保存テク

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