万願寺唐辛子の栄養素と効能。唐辛子の種類ですが辛くない京野菜

万願寺唐辛子-鰹節 野菜

万願寺唐辛子は、京都府舞鶴市を発祥の地とする京野菜の一つ。

大正末期に京都府舞鶴市万願寺地区にて「伏見系の唐辛子」と「カリフォルニア・ワンダー系の唐辛子」を交配させ誕生させたといわれています。
ししとうより大きく、ピーマンを細長くしたような形をしており、長さは20cmを超えます。果肉は厚いですが柔らかく甘味があり種が少なく、食べやすいのが特徴です。
最初の頃は辛み成分のカプサイシンを含むため、なかには辛いものも混じることもありましたが、品種改良を重ね、今では全く辛くない唐辛子になっています。

京野菜ですが、最近では全国で見かけるようになってきました。
唐辛子としてはピーマンやししとうと同じ甘味種に属していて、辛さや苦さが嫌いな子供から食べられる、万願寺唐辛子について調べたことをまとめてみました。

万願寺唐辛子の栄養と効能

万願寺唐辛子-焼く

カロリーは100gあたり31kcalほど。
ピーマンやししとうと同じ甘味種の唐辛子ですので、含まれる栄養素も似ています。
主に含まれるのは、β-カロテンビタミンEビタミンCカリウムカルシウム食物繊維カプサイシンピラジンなどです。
参考:Outsmart カロリー・チェック 万願寺唐辛子

ビタミンA・C・Eでビタミンエース

緑黄色野菜に多いβ-カロテンは、体内で必要に応じてビタミンAになります。ビタミンA・C・Eを3つ合わせて「ビタミンACE(エース)」と呼び、抗酸化作用を持つ栄養成分です。
鷹の爪の項でも紹介しましたが、皮膚や粘膜など体の細胞の酸化を防いでくれる効果が期待でき、シミ・シワ予防や血管の健康を保ち、生活習慣病予防やアンチエイジングに役立つ成分です。
ビタミンCはピーマンの2倍ほどの量が含まれていて、免疫力を高め疲労回復効果も望めます。

カリウム

体内の余分なナトリウム(塩分)を排出する働きのあるカリウムも含まれているので、高血圧予防や改善、むくみの解消にも役立ちます。

カプサイシンやピラジンも含む

辛くはありませんが、食欲増進効果のあるカプサイシンを含んでいるので、夏バテなどで食欲の無い時のビタミン補給になります。
また、ほとんど苦くもありませんが、ピーマンやキュウリの苦味成分であるピラジンも含んでおり、これには血液をサラサラにする効果が期待できるでしょう。

万願寺唐辛子の選び方

万願寺唐辛子-4本

ハウスで栽培されているものもあり一年中見かけますが、旬の時期は6~9月。

肩の部分に少しくびれがあり、表面はピーマンのようにツルッとしているわけではなく、少しシワがあるような感じなのが、万願寺唐辛子の特徴。
色は鮮やかな緑色で、表面はシワがありつつもしっかりとした硬さやツヤがあり傷や変色が無いもの、軸の切り口も茶色く変色していないものが新鮮です。

保存方法

万願寺唐辛子にとって保存温度は10℃ぐらいが最適ですので、冬場は常温保存も2.3日なら可能です。

冷蔵保存

乾燥しないようにキッチンペーパーや新聞紙で包み、ビニール袋に入れ冷蔵庫の野菜室で保存。4~5日ほど保存可能です。
冷蔵室は気温が低過ぎるため、傷みやすくなり栄養価も落ちてしまうので、必ず野菜室で保存しましょう。

冷凍保存もできます

万願寺唐辛子を洗い、水気をよく拭き取ります。
ヘタを取り(料理によっては、ここでそれに合わせてカット)、冷凍用のフリーザーパックに、できるだけ平らになるように入れ、冷凍室へ。保存できる期間は1ヶ月ほどです。
冷凍すると細胞が壊れるので味が染み込みやすくなりますが、解凍するときに水分とともに栄養素も流れ出てしまうので、凝ったまま調理しましょう。

乾燥させての保存

鷹の爪のような他の唐辛子同様、乾燥させて保存することもできます。

まず万願寺唐辛子を洗って乾かし、縦に切れ目を入れます。切れ目を上にしてカゴなどに入れて、湿気がない晴れた日が続く時に、3~4日ほど干します。
しっかり乾燥して、保存袋に入れ適切に保存していると、半年~1年程度は保存できます。
しかし、うまく乾燥できていないと中にカビが生えてしまうこともあるので、けっこう難しいようです。

生のまま食べられて、種も食べられます

焼いたり、煮びたしにしたり炒めたりと、ピーマンやししとうと同じような使い方で食べられ、また、ピーマンと同じように、生のままでも種部分も食べることができます
新鮮な万願寺唐辛子なら、暑い夏場など、少し冷やして塩をふりかけ、ポリポリ食べるのも美味しいでしょう。
これだと加熱に弱いビタミンCなどの栄養素も、逃さず食べられますね。

赤い万願寺唐辛子も食べられる

青い時に収穫せずそのまま育てていると、他の唐辛子と同じで万願寺唐辛子も赤くなります。
赤くなりますが、辛くはならず逆に甘さが増します。
さらに栄養面も青万願寺唐辛子よりも増すそうです。カロテンは2.5倍、ビタミンCは2倍、ビタミンEは3倍にも増えるそうです。
赤くなると、辛くはなりませんがカプサイシンも増えます。カプサイシンは抗酸化作用をはじめ、様々な健康効果の期待できる栄養素です。

ただしデメリットもあります。栄養面ではピラジンという栄養素は青万願寺唐辛子より減ります。
また、収穫まで余分に時間がかかり、それなりに費用もかさむので、値段は2~3倍高くなります。
しかし、赤い色が入ると、料理の彩りも良くなりますね。

子供でも食べやすい万願寺唐辛子

小さいお子様たちがピーマンを嫌がるのは、本能的に「苦い=毒」と感じるからだそうです。
その点、万願寺唐辛子には辛みもなくほとんど苦さもなく、逆に甘いという特徴があります。

栄養的にあまりピーマンと変わらない万願寺唐辛子。今日の食卓にピーマンの代わりに万願寺唐辛子、どうですか?

万願寺唐辛子-肉炒め

出典・参照させていただいたサイト:
DELISH KITCHEN 万願寺とうがらしの特徴
Golrich channel 万願寺とうがらしは生で食べれる?
旬の食材百科 甘とうがらし
やさいのおうち 万願寺とうがらしの保存方法

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