カニの栄養素と効能。冬の味覚・カニは、高たんぱく質で低脂質・低カロリー。

ズワイガニ-赤い 魚介類

カニは、十脚目短尾下目の甲殻類の総称で、非常に種類が多く、日本近海だけでも1000種類以上が生息しているそうです。
その中で日本で主に食べられているカニとして、ズワイガニ・タラバガニ・毛ガニ・ワタリガニ(ガザミ)が有名ですね。

カニは一年中生息していますが、資源保護の省令により、種類や海域によって漁の解禁日が設けられています。
ズワイガニだと、新潟以北は10月1日~翌5月末山陰と北陸では11月6日~翌3月20日(雌は~12月29日)まで、漁解禁。
この期間限定と高級食材ということから、頻繁に食べられないこともあって、お正月など家族や親戚が集まった時や友人との会食でカニが出てくると、テンションが上がります♪。
殻を剥くのが少し面倒ですが、身を口に頬張ると、ジワ~と口の中に甘みと旨みが広がって、本当にカニって美味しいですよね。
カニには旨み成分のグルタミン酸イノシン酸アデニル酸があり、これに甘みのグリシンや苦味のアルギニンが合わさることで、あの美味しさが生まれているそうです。

そして美味しいだけではなく、カニには身体にも良い栄養素がたっぷり含まれています。
今回はそのカニに含まれている栄養と効能について紹介いたします。

カニは高たんぱく質で低脂質・低カロリー

カニ-鍋

ズワイガニを例にとると、カロリーは100gで約69kcal(茹で)。ご飯100gで約170kcalを考えると、かなり低カロリーです。

栄養成分は100g中、水分が約82g、たんぱく質が約15gを占めます。
殻を剥いて食べるところ、少し赤くて白い身はカニの筋肉部分。筋肉はたんぱく質ですから、たんぱく質が豊富なのも解ります。
そしてほとんど脂質や糖質を含んでいません

低カロリーなのに高たんぱく質。とてもヘルシーな食材なのです。

他にも、タウリンビタミンB群(ビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンB6・ビタミンB12・葉酸・ナイアシン・パントテン酸)ビタミンEカリウムナトリウムカルシウムマグネシウムリン亜鉛などを含んでいます。

その中でも特に健康維持に役立つ栄養素をみていきましょう。

たんぱく質

カニに豊富に含まれる動物性たんぱく質は、筋肉・臓器・皮膚など体のあらゆる組織を作るために重要。また、免疫力を高めるための抗体の原料にもなるため、感染症などの予防にも必要な栄養素です。

タウリン

アミノ酸の一種であるタウリン。
タウリンは肝臓の働きを活発にする作用があり、二日酔い予防にも効果があると言われています。
コレステロール値や血圧を下げる働きもあり、眼精疲労、身体の疲労回復に役立ちます。

ビタミンB群

三大栄養素であるたんぱく質・脂質・炭水化物からエネルギーを産生する際に働く酵素を補助し、代謝を助ける役目があります。
皮膚や粘膜を健康に保つのに役立ったり、正常な赤血球を作るのを助けたり貧血予防に効果的な栄養素です。

ナイアシン(ビタミンB3)には、アルコールの分解を助けたり血行を促進する作用もあります。

カルシウム

骨や歯を丈夫にし、健康維持に欠かせない栄養素。骨粗しょう症予防やイライラ予防に期待が持てます。

鉄と銅

赤血球中のヘモグロビンの成分は鉄。そのヘモグロビンを作るために鉄を必要な場所に運ぶ働きをするのが銅です。
鉄だけではなく銅も摂取することで、貧血の予防や改善に期待ができます。
また銅は、体の中の数多くの酵素となり、活性酸素を除去したり骨の形成に役立ちます。

亜鉛

体の新陳代謝、エネルギー代謝、免疫力向上、味覚を正常に保つなど、健康維持に欠かすことのできない栄養素です。

カニの赤い色素はアスタキサンチン

カニ-パスタ

アスタキサンチンは、人参などに含まれているβ-カロテンやトマトなどに含まれるリコピンなどと同じくカロティノイドの一種で、赤い色素成分です。
強い抗酸化力を持ち、紫外線や脂質酸化反応から身体を防御する働きが確認されています。

カニも自分ではアスタキサンチンを作り出すことはできず(人間と同じですね)、藻やプランクトンを捕食し体中に溜め込みます。通常はたんぱく質と結合し、青灰色のカロテプロティンとして存在していますが、茹でる(加熱する)とタンパク質から分離し、空気に触れることで赤色のアスタキサンチンとして姿を現すのだそうです。

人間は日々呼吸をし酸素を体内に取り込み、その酸素はたくさんのエネルギーを作り出す活性酸素になります。活性酸素は人間が生きていくうえで大切な役割をしているのですが、過剰に発生すると身体の老化(錆)の大きな原因になってしまいます。
体が錆びると、肌にシワやシミが増え疲れやすくなり、筋肉や記憶力の低下など、様々な老化現象を引き起こします。
それを食い止めるためにも、抗酸化作用のある食材を摂取する必要があるわけです。

アスタキサンチンには、老化を遅らせるアンチエイジング作用と共に、脂質をエネルギーに変えるのを助けてくれる効果もあるので、疲労回復ダイエットにも役立つとされています。

それに加え、カニにはビタミンEも含まれているので、抗酸化作用の相乗効果が期待できます。

効率よく栄養を摂取するには

カニ-飯

油と一緒に食べる

抗酸化作用の強いアスタキサンチンやビタミンEは脂溶性なので、油と一緒に摂ると吸収が良くなります。
カニにはビタミンCが含まれていないので、ビタミンCが含まれる野菜と一緒に油で炒めたり、サラダにしてドレッシングをかけて食べると効率が良くなるそうです。

カニ鍋は汁も、カニ缶の汁も捨てずに摂取する

含まれるタウリンやビタミンB群などは水溶性です。汁にもたっぷり栄養が溶け出しています。
カニ鍋のシメに雑炊で食べたり、カニ缶を使ってカニ玉やカニ飯を作る場合は汁も入れましょう。

ゆでカニや焼きガニには、酢や生姜をかける

酢や生姜をかけると、生臭みを取ってくれるだけでなく殺菌作用もあります。
カニは体を冷やす性質がありますが、酢や生姜には体を温めたり代謝を上げてくれる作用があるので、冷えを防いでくれるそうです。

カニの外殻には、キトン・キトサンなど栄養成分が含まれている

カニなどの甲殻類の外殻には、アスタキサンチンやカルシウムなどのほかに、キトン・キトサンという成分も含まれています。
血中のコレステロール値を下げたり、自然治癒力を高めることでいろいろな病気を予防したり症状を改善する効果が報告されている成分です。

カニ-味噌汁

外食でカニ入りの味噌汁が出され喜んで食べようとしてみたのだけど、カニの殻と細い脚部分のみで食べられるところがなく、ガッカリしたという経験は、にこぴんだけではないはず。。。
しかし、味噌汁にカニの殻を入れるのは旨み成分が溶け出し美味しくなるだけではなく、栄養をまんべんなく摂取するためにも意味があったのですね。
今度ご家庭でもカニ鍋などをした時は、残った殻は捨てずに味噌汁などに入れると、ますます「カニ」を楽しめますね。

えっ!!タラバガニはカニじゃない?! タラバガニ・ズワイガニ・毛蟹の違い
カタラバガニはニではなくヤドカリの仲間に属しています。平均して甲羅幅が25cm、脚を左右に伸ばすと1mを超えるぐらい大きな大型甲殻類。カニと違う大きな特徴は、カニは爪部分を含め脚が10本ですが、タラバガニは8本。縦方向にも移動できるのです。

出典・参照させていただいたサイト:
ライフマガジンPinky
食品の効果効能辞典-カニ
旨カニ比較ナビ-コラム

コメント メールアドレスが公開されることはありません。

タイトルとURLをコピーしました