鰻の栄養価と効能。精がつくといわれる鰻で、体だけでなく心にもパワーを!

鰻-蒲焼き-うな重 魚介類

今では天然ものは希少価値でほとんどが養殖ですが、その養殖も稚魚(シラスウナギ)の不漁が続き、高級感がどんどん増してる鰻ですが〜。
「今日は土用の丑の日」と聞くと「精がつくというし、今日ぐらいは財布の紐を緩めて食べようかな~」と思ってしまうぐらい美味しいですよねぇ。

鰻は海(マリアナ諸島西方といわれている)で産卵・孵化を行い、それから淡水に遡る「降河回遊」という生活形態の淡水魚。
日本では縄文時代の遺跡より食用にしていたらしい骨が見つかっており、古代ローマ人も好んで食べていたという、人間にとっても大昔から馴染みのある魚なのだそうです。

江戸時代、江戸でも干拓で出来た湿地に鰻が住み着くようになり、蕎麦と同じ位の値段だったため、庶民にもよく食べられていたようです。
鰻は、冬眠に備えて身に栄養を蓄える晩秋から初冬が最も美味しいと言われています。じつは夏が一番味が落ちるのです。
たぶんそういう訳で、夏に売れなくなることを相談した鰻屋に、医者であり蘭学者の平賀源内が「本日丑の日。土用の丑の日うなぎの日。食すれば夏負けすることなし」と書いた紙を店先に貼ることを勧めました。これが大当たりし、他の鰻屋も真似するようになり、土用の丑の日に鰻を食べることが定着したのだそうです。

一年の中でも栄養が少なくなっている夏ですが、それでも夏バテ予防になるほどの高い栄養価を、鰻は持っているようです。

鰻の栄養素と効能

鰻-姿

生の鰻は100gあたり255kcal。炭水化物・糖質・食物繊維はほとんどありません。
良質なタンパク質・脂質、ビタミンA・ビタミンB群・ビタミンD・ビタミンEなどが豊富で、ミネラル類も亜鉛カルシウムなど、体に大切な栄養素の宝庫です。
主な栄養素とその効能を見ていきましょう。

タンパク質

タンパク質とはアミノ酸の集合体のことで、人間の体も20種類のアミノ酸で構成されています。その中でも体内で合成することができず食物から摂取しなければいけない9種類を必須アミノ酸と言います。
必須アミノ酸バランスを100点満点で数値化した「アミノ酸スコア」と呼ばれる指標がありますが、鰻のスコアは97バランスの良いタンパク質ということが、このことでも分かります。

アルギニン

体の中で作りだすことはできるものの作られる量が少なく、食べ物で補わなくてはいけない「準必須アミノ酸」のアルギニンも多いです。
成長ホルモンの分泌を促したり免疫力をアップさせる働きがあり、病気にかかりにくい体を作ったり、筋肉を強化する効果が期待できます。
また、体内で一酸化酸素を作り出し血管を拡張させるため、動脈硬化・脳梗塞など生活習慣病の予防や、皮膚を乾燥から守る保湿効果、疲労回復をサポートする働きが認められています。

コラーゲン

タンパク質のコラーゲンも鰻の皮部分にたっぷり含まれています。保湿効果が高くお肌をプルプルにしてくれる美容効果も期待できます。

鰻-うざく

脂肪には不飽和脂肪酸が多い

鰻には脂肪も多く含まれていますが、その70%以上が悪玉コレステロールや中性脂肪を低下させる働きのある不飽和脂肪酸です。

オメガ3系脂肪酸のEPA・DHAも含まれています。
EPAには、血液や血管の健康維持に働き血液をサラサラにする働き、コレステロールや中性脂肪を減らす働きがあり、高血圧や脳梗塞予防などの効果が期待できます。
DHAは目の網膜や脳の中の海馬に多く含まれる脂質成分で、記憶や学習能力を高める働きがあります。育ち盛りの子供の脳の発育をサポートし、また大人にとっても認知症予防に有効と言われています。

ビタミンA

脂溶性ビタミンの一種で、鰻に多く含まれるレチノールには、皮膚や粘膜を健康に保ったり、骨や歯の成長や健康維持、抵抗力を高める働きがあります。
視細胞の働きにも関与し、薄暗い所でも視力を保つのを助けます。

鰻にはビタミンAが豊富で、100g食べると成人に一日に必要な摂取量をまかなえます。

ビタミンB群

糖質や脂質のエネルギー代謝、体の細胞や血を作るのに大切な働きをします。
ビタミンB1は糖質や脂質をエネルギーに変え、疲労回復に効果がもてます。
ビタミンB2は皮膚や髪・爪などを健康に保つ働きがあるといわれ、美肌作りや美容に効果的です。

ビタミンD

骨や歯を作るカルシウムの吸収を促進する働きがあり、骨や歯の健康維持に大切な成分。カルシウムと一緒に摂取すると効果的と言われていますが、鰻にはカルシウムも豊富です。

ビタミンE

細胞を柔軟にし、筋肉をやわらげ血液循環を良くする働きがあります。
抗酸化作用もあるので、アンチエイジングや生活習慣病予防効果も期待できます。

ミネラル類も豊富

体の組織を構成し、円滑に動くために必要な栄養素であるミネラル類も豊富です。
骨や歯を作るために必要なカルシウムリン、血液中にある赤血球を生成するヘモグロビンの成分である鉄分、味覚を正常に保ったりアルコールの分解、性機能の維持などに欠かせない亜鉛などが含まれています。

蒲焼きにするとカロリーが増える?

鰻-白焼き

鰻の蒲焼きのカロリーは100gあたり293kcalだそうです。
醤油やみりんなどの蒲焼きのタレを付けて焼いているので、もっと増えると想像していましたが、意外に増えていませんね。これは焼いている間に余分な脂が落ちているから。
ですが一般的に蒲焼きはご飯と共に食べますので、そこでグッ!とカロリーは上がりますね。
けっこう高カロリーなので、毎日食べるのは控えたほうがよさそうです。
・・・って、毎日食べる人はそんなにいないと思うので余計な心配ですね~。

ちなみに鰻の白焼きは100gあたり331kcal。
蒲焼きの方がカロリーが低いのは、白焼きしてからタレを付けもう一回焼くので(関東風の場合)、焼く時間が長い分、脂が落ちているからだそうです。

鰻にはビタミンC・食物繊維がほとんどない

鰻にはタンパク質や脂肪、ビタミンA・Bなど栄養素が豊富で、疲労回復にもってこいの食べ物ですが、ビタミンCや食物繊維はほとんど含まれていません。

ご飯には食物繊維がありますし、ビタミンCを含む野菜やワカメ・キノコ類の酢の物、ほうれん草などのお浸し、柑橘類などフルーツなどを一緒に食べるのがオススメです。

身より肝の方が栄養価が高い

鰻-肝焼き

鰻のメニューとして、肝のお吸いものや肝の串焼きなどがありますが、じつは肝の方が身よりも栄養価が高いそうです。
100gあたり118kclと身よりも低カロリー。
タンパク質・脂質は身より少ないですが、ビタミンAや鉄分・葉酸などは倍以上含まれています。
ただしコレステロールも高いので、食べ過ぎないようにしましょう。

また、鰻の骨もスナックなどに加工され売られているものもありますが、骨にはカルシウムやグルコサミンなどが含まれていますので、お酒のつまみに食べてもいいですね。

疲れている時、ここぞ!という時に、鰻パワーを!

高級食材なので頻繁には食べられませんが、鰻を食べると体だけでなく心も満足します。
夏バテ気味の時やパワーが欲しい時「よし!今日は鰻を食べるぞ!」と思うだけで、元気が出てくるような気がするのは、にこぴんだけでしょうか~(笑)。

出典・参照させていただいたサイト:
macaroni 鰻
近畿養鰻増殖研究所
ちそう うなぎ

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