黒ニンニクの栄養と効能/熟成発酵させることでさらに栄養価が高まる

黒ニンニク-集合2 食べ物雑学

「滋養強壮や健康維持に黒ニンニクが役に立つ」ということはよく耳にしますし、食品やサプリメントとして販売されているだけでなく、ご自身で作られている人も多いですね。
しかし、黒ニンニクに興味はあるものの「どういう成分が含まれ、健康維持に役立つのか」「どういう風に食べたらいいのか」など、いまいちよく分からなくて、手を出しづらいという人もおられると思います。
じつは管理人の私がそうだったので、今回「黒ニンニク」について調べてみることにしました。
黒ニンニクの何が健康維持に役立つのか、また食べ方などもまとめて紹介します。

黒ニンニクとは

黒ニンニク-手に持つ

「黒ニンニク」は、そういう品種があるわけではありません。
栽培し収穫した一般的な白ニンニクを、一定の温度と湿度を保った状態で、1ヶ月ほど熟成・発酵させたもので、基本的に添加物などはいっさい使っていない自然食品なのだそうです。
熟成・発酵するにつれて生ニンニクのアミノ酸と糖が反応し(メイラード反応*)色がつき、最終的には真っ黒に変化します。
*メイラード反応とは、食品に含まれているアミノ酸(タンパク質)と糖を合わせて保存する、または加熱することにより、結合・分解・酸化などの複雑な反応を繰り返して、茶褐色の物質ができる現象のことです。

熟成・発酵した黒いニンニクは、白ニンニクのあの強烈な臭いが少なくなり、実は柔らかく味も糖度が増えて甘くなり、ドライフルーツのように甘酸っぱい食感で、皮を剥くだけでも食べることができます。
ただし、食べてみると分かりますが、やはりニンニクは感じます。

強烈な臭いがあまりしなくなるのは、熟成・発酵する過程でニンニクの臭い成分であるアリイン(アリシン)の量が大きく減っていくからですが、アミノ酸(タンパク質の構成成分)やポリフェノールなど、大きく増える成分もあります。それが黒ニンニクの「滋養強壮に健康維持に役に立つ」パワーになります。

黒ニンニクの驚くべきパワーについては、日本人研究者が2006年に行った動物試験の結果が新聞などに大きく取り上げられたことで、広く知れ渡ることになったのだそうです。

熟成・発酵することで増加する主な成分

黒ニンニク-集合1

黒ニンニクになると、増加する主な成分は以下のものです。

  • アルギニン
  • S-アリルシステイン
  • シクロアリイン
  • ジアリルトリスルフィド
  • プロリン
  • ポリフェノール

一つずつ見ていきましょう。

アルギニン

アミノ酸の一つで、成長ホルモンの合成を促す働きがあり、脂肪の代謝や筋肉を増強する効果が期待できます。

血流を改善する働きもあり動脈硬化や脳梗塞などの予防や肌の健康維持、体内での一酸化窒素の産生を高めるので免疫力の向上に働きます。
また、他のアミノ酸と共にTCA回路(エネルギー代謝経路)でエネルギーを効率よく生み出し疲労回復を早めてくれます。

黒ニンニクには白ニンニクの3倍ほどのアルギニンが含まれています。

S-アリルシステイン

アミノ酸の一種であり、黒ニンニクの特有栄養成分といわれています。
S-アリルシステインは白ニンニクにはごく微量しか含まれていないのですが、熟成させると約16倍も増えます。

強い抗酸化作用があるので活性酵素が増加することを防ぎ、動脈硬化などの生活習慣病予防や、シミ・シワなどの肌の老化を防止するなどアンチエイジング効果が期待できます。
抗酸化作用によって自律神経が調整され、睡眠の質を高めたり疲労感を軽減します。

また、体内を幅広く動き、ウイルス感染細胞やガン細胞などの異常細胞を発見すると真っ先に攻撃するという、NK細胞(ナチュラル・キラー細胞)を活性する作用もあります。

シクロアリイン

これもアミノ酸の一つで、ニンニクを発酵させることにより量が5倍ほど増えます。

血液と血管を正常に保つ働きがあり、血液がサラサラになり、中性脂肪や血中コレステロールを抑え、高血圧・血栓等を予防し、動脈硬化などの予防や改善に働きます。
血行が良くなることでスムーズに栄養素が運ばれるようになると代謝も活性化します。

ジアリルトリスルフィド

体の抗酸化作用を増強してくれるので、老化や血管・肌に悪影響を与える活性酸素を除去する力が高まります。

また血管を拡張させることで、血圧を低下させ心臓への負担を減らしたり血行障害防止や血流改善に役立ちます。

プロリン

これもアミノ酸の一つ。コラーゲンの合成を促進する作用、破壊されたコラーゲンの修復に働くので、紫外線による肌のダメージをケアしたり美肌効果が期待できます。

ポリフェノール

植物が光合成によって、紫外線や乾燥などから身を守るために生成する抗酸化物質。
この抗酸化物質はヒトにも作用し、活性酸素の増加を防ぐことに役立ちます。

また、近年の研究でアトピーや花粉症などを抑制する抗アレルギー作用があることもわかってきたそうです。

黒ニンニクに含まれるポリフェノールの量は野菜の中ではトップクラス。S-アリルシステインとの相乗効果で、白ニンニクの約10倍の抗酸化力があるともいわれています。

熟成・発酵させることで増える成分は他にもあり、栄養価が高いといわれる白ニンニクより、さらに栄養価が高まっています。
健康維持に欠かせないアミノ酸や、抗酸化作用のあるS-アリルシステインやポリフェノールが増えるので、熟成・発酵過程で減ってしまうアリシンを補い、それよりももっとパワーアップするようです。

黒ニンニクの効能として、滋養強壮・疲労回復・血液サラサラ・免疫力アップ・殺菌・抗菌作用・抗アレルギー作用・抗ウイルス作用・抗ガン作用・肝機能の向上・生活習慣病予防・老化抑制・ダイエット・気管支炎・喘息の緩和など、様々なものがあるとされています。

効率的な黒ニンニクの摂取方法は?

出来るだけ生のまま食べる

黒ニンニクは熟成・発酵させているので、白ニンニクの臭いや刺激成分であるアリシンが減少しているとはいっても、完全に無くなっているわけではありません。
アリシンにも疲労回復や殺菌する働きがありますが、熱に弱いため加熱料理で食べると効果が薄まることも。

熟成することで臭いが抑えられ柔らかくなっていて、外皮を剥くだけでポイっと簡単に食べられますので、出来るだけ生のまま食べることをオススメします。

1日1~3片を目安に毎日食べる

黒ニンニクは刺激成分が白ニンニクと比べて少なくなっていて食べやすいので、つい多めに食べてしまうかもしれません。
ですが、食べすぎて胃もたれや腹痛を起こす危険性がゼロになるわけではありません。
食品アレルギーには指定されてはいませんが、体質には個人差があることや、小さなお子様や内臓機能が低下している方などはとくに注意が必要です。

それに、一度にたくさん食べても一気に効果が出るわけではないので、1日1~3片を目安に継続的に毎日食べるようにしてみましょう。

保存方法

常温保存

黒ニンニクは基本的には常温保存です。高温多湿は避け日陰で風通しの良い所に保管しましょう。
湿気に弱いので、冬場など結露ができやすいところはカビが生えたりするので、室温差が大きい場所も避けましょう。
1~2ヶ月ほどは保存可能です。

冷蔵保存

パックに入ったまま、またはジップロックに入れ密封しないで冷蔵庫に。しばらくして黒ニンニクの温度が下がったら密閉して保存すると、6ヶ月ほどは品質を保ったまま保存できます。
常温と同じで湿気があるとカビが生えやすいので、こまめに確認しましょう。
暑い夏季は、冷蔵庫で冷やしておくと冷たい食感も楽しめます。

冷凍保存

フリーズパックに入れ密封して冷凍庫へ。皮は剥いても剥かなくてもどちらでも良いそうです。
黒ニンニクは冷凍してもガチガチに凍ることがないので、取り出してすぐでも食べられます。
1年ほどは品質を保ったまま保存できます。

黒ニンニクのアレンジ料理

黒ニンニク-料理

外皮を剥くだけでポイっと簡単に食べられますが、毎日だと飽きてしまうかもしれません。
そういう時は、いつもは白ニンニクを使うところを黒ニンニクに変更するだけで、また別の美味しさが楽しめるでしょう。

サラダなどのトッピングに

黒ニンニクを刻んで、サラダやパスタ・スープなどにパラパラとふりかけます。黒い色がアクセントになりいつもと少し違う雰囲気に。

ドレッシングや黒ニンニク醤油・味噌を作る

黒ニンニクは油との相性も良いので、オリーブオイルなどのオイルと黒酢・りんご酢と混ぜてドレッシングを作るのもオススメ。

醤油に漬けて黒ニンニク醤油にしたり、味噌と混ぜておくのもいいでしょう。お刺身の醤油として、また煮物や炒め物にも使えます。

バターやチーズなどの乳製品と合わせる

乳製品との相性も良いので、ガーリックトーストのニンニクを黒ニンニクにしたり、お酒のおつまみとしてチーズと一緒に食べるのもオツなものかもしれません。

まとめ

白ニンニクのままでも栄養価が高いのに、それを熟成・発酵させて作られた黒ニンニクは、もっと栄養価が高くなるんですね!
日本国内だけでなく世界から「スーパーフード」として注目されているのも納得です。
この小さい一粒の中に、滋養強壮や疲労回復、生活習慣病の予防や美肌作りにも役立つ成分がギュッと詰まっているなんて驚きました。しかも食べやすい!

とりあえず管理人としては、長年の悩みの種であるアレルギー性鼻炎が緩和することを願い、しばらく毎日1~2片食べ続けてみようと思っています。

出典・参照させていただいたサイト:
岡崎屋のお役立ち情報 栄養成分をわかりやすく解説
Food for Well-being 黒にんにくの効果・効能とは
INAKAONLINE 黒ニンニクと白ニンニクの違い
Kogane no Sato 黒にんにく

コメント メールアドレスが公開されることはありません。

タイトルとURLをコピーしました