タラコ(明太子)、あのプチプチとした食感が美味しいですよね~。
これだけでご飯がパクパク食べられちゃいます。
噛めば噛むほど旨味も出てきて、酒の肴にもなるし、パスタやうどん、ポテトサラダに混ぜても美味しい。
しかしふと、これだけでご飯のおかずになるくらい味が決まっているということは、塩分量も多めなのではないかと・・。心配になったので、タラコ(明太子)とは何か、栄養価についても調べてみました。
タラコはスケソウダラの卵巣
タラコ(明太子)は、スケソウダラという魚の卵巣を塩漬けしたもの。
鱈の子→タラコ。そのままですね。
別名「明太子」とも言いますが、これは韓国では鱈のことを「明太(ミヨンテ)」と言い、明太の子なので明太子と呼ばれていることからきているそうです。
スケソウダラが獲れるのは日本では主に北海道。しかし漁獲量は年々少なくなっており、アメリカやロシア産が増えてきています。
江戸時代にはすでに食べられていたそうですが、明治の頃マダラ漁が不振で、それに代わりスケソウダラ漁が発展したことから、その卵の加工が始まりタラコが普及したのだそうです。
傷むのが早いので、塩漬けされたものが多く流通したのでしょうね。
と、ここで鱈の子ならマダラの子もタラコなのでは?という疑問が湧いてきますよね。
マダラの卵は古くから産地では真子と呼ばれ、すでに煮付けなどの加熱料理でよく食べられてきたこと。大きくて(スケソウダラの卵巣の5倍以上ある)漬け込むのに時間がかかること、色も黒っぽくあまり見た目が美味しそうに見えないことなどが理由で、タラコとしては作られていないようです。
タラコは高タンパク質で低糖質
タラコは2本で1セットとなり1服と数えます。その1本が約100gでカロリーは140kcalぐらい。
1回の食事で1本食べると「今日は贅沢~!」となりますから、食べ過ぎなければ、カロリーは気にするほど高くはないということになります。
栄養面では、高タンパク質で低糖質。
ただ塩分に関しては、近年の減塩ブームで一般的なもので5%前後になっているそうですが、一緒に食べる料理との組み合わせで、塩分量が多くなるということもあるかもしれません。
気になるようでしたら、切れ子でないちゃんと形の整ったタラコなら、氷水の中に20~30分浸けているとかなり塩分が取り除けるそうです。
または、もっと減塩タイプや色々な味のタラコも販売されているのでそれを購入したり、カリウムを多く含む野菜などを一緒に食べるといいでしょう。
タラコの栄養素とその効能
タラコの栄養素としては、前述したとおりタンパク質を多く含みます。また脂肪・ビタミン・ミネラルも豊富です。含まれる脂肪は不飽和脂肪酸の割合が多いです。
主な成分の効能を見ていきましょう。
タンパク質
皮膚や筋肉・爪・髪など、体のほとんどの細胞はタンパク質で作られているため、とても重要な栄養素です。
皮膚のバリア機能を保ち肌荒れ予防、免疫力を上げ疲労回復にも効果があります。
ビタミン
ビタミンA
目や皮膚の粘膜を健康に保つ働きがあり、目の疲れ緩和に有効です。
ビタミンB1
糖質からのエネルギーの代謝を促し、糖質を栄養源としている脳神経系の正常な働きに関係しています。糖質が上手くエネルギーに代謝されると、疲労回復や風邪予防にもなります。
細胞の新陳代謝を促す作用もあり、肌荒れや口内炎などを予防する働きがあります。皮膚や粘膜の生まれ変わりを助けるので、ニキビ跡の改善などにも役立ちます。
ビタミンB2
糖質・脂質・タンパク質からのエネルギー代謝を支え、皮膚や粘膜の健康維持を助けています。
ナイアシン(ビタミンB3)
糖質・脂質・タンパク質からのエネルギー代謝を助け、血行をよくし肌や胃腸管の健康を保つ働きがあります。
また、アルコールを分解する酵素を補助する役目もあるので、お酒をよく飲む人はとくに積極的に摂りたい栄養素です。
ビタミンB6
タンパク質からエネルギーを産生したり、筋肉や血液を作るのを助ける役目があります。皮膚炎や貧血の予防に役立ちます。
ビタミンB12・葉酸
ビタミンB12と葉酸は協力して赤血球中のヘモグロビン生成を助けます。肩こりや腰痛の改善に役立ちます。また、脳からの指令を伝える神経を正常に保つ働きもあるため、認知力の低下などの予防にも働きます。
ビタミンC
細胞と細胞を結ぶコラーゲンを作るのに不可欠な、シミ・シワを防ぐなど美容に役立つビタミンとしておなじみですね。
強い抗酸化作用もあるため、アンチエイジングや生活習慣病の予防、ストレス緩和に働きます。
ビタミンD
小腸でカルシウムやリンの吸収を促す働きがあり、血液中のカルシウム濃度を一定に保ち、丈夫な骨を作る働きがあります。
また、ビタミンAの吸収も助け、筋力の向上にも役立っています。
ビタミンE
これも抗酸化作用があり「若返りのビタミン」とも呼ばれています。血液中のLDLコレステロールの酸化を防ぎ、動脈硬化などの生活習慣病予防やアンチエイジングに役立ちます。
ビタミンK
カルシウムを骨に定着させる作用があり、骨を丈夫にし、血液をサラサラにする働きがあります。
4つのミネラル
カルシウム
骨や歯などを作っている栄養素です。骨はカルシウムの99%の貯蔵庫になっており、残りの1%が血液などにありイライラの予防や筋肉運動、出血を止めるなどの働きをしています。
骨粗鬆症予防のためにも、毎日コツコツと摂取し丈夫な骨を作っておくことが大切です。
鉄分
血液中の赤血球を作るのに必要な成分。不足すると貧血になり頭痛がおきたり疲れやすくなります。
亜鉛
味覚を正常に保ったり、皮膚や粘膜の健康維持、筋肉を強くする働きがあります。
カリウム
体の中でナトリウム(塩分)とのバランスをとり血圧を調整する働きがあります。摂り過ぎたナトリウムを排出し、血圧を下げたりむくみ解消に動きます。
脂肪酸は不飽和脂肪酸が多い
脂肪酸は、一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸・オメガ3系のEPAとDHAの含有量が多いです。
これは悪玉コレステロールや中性脂肪を減らし、善玉コレステロールを増やす効果が期待できる脂肪酸です。
意外と多くない、タラコのプリン体
よくビール・発泡酒などのパッケージに「プリン体カット」とか「プリン体ゼロ」とか書かれていて、プリン体って体に悪い印象があります。
魚卵にも多いとよく聞き、摂りすぎると「痛風」になりやすいという噂で、怖いものと思われていますが、そもそもプリン体とは何なのでしょうか?
プリン体とは、穀物や肉・魚・野菜などの食材全般に含まれる旨味成分のひとつで、体内でも生成しているそうです。
体内で最終的に尿酸に分解されますが、これは体に不要なものなので、通常だと尿として排出されます。しかし過剰に摂取すると排出しきれなくなり、体内に蓄積し高尿酸結晶となり、関節に沈着し炎症を起こします。これが「風が吹いても痛い」と言われる痛風だそうです。
プリン体は、細胞数の多いモノ、特に「細胞分裂が盛んな部位に多く含まれる」と言われていることから、生命誕生前の卵の数が多い魚卵や、大麦を発芽させた麦芽が多いビールに、プリン体が多いのではないかと思われているようです。
プリン体は、食品100gあたり300mg以上含まれていると高含量とされています。
しかし、多いと思われているタラコ(明太子)の含有量は100gあたり120mg~160mg。意外に多くありません。
ちなみにビールに含まれるプリン体も100gあたり約100ml以下なのだとか。
ただし、アルコール代謝の際に尿酸値を上げやすいので、アルコール+高プリン体食品の食べ方は気をつけた方がいいようです。
「ビールを飲まないと一日が終わらない」と毎日のようにビールを飲んでいるにこぴんは、この話を聞いて少しホッとしましたが、いずれにしろ飲み過ぎ・食べ過ぎは体にとって良くありません。
せっかく健康維持になる栄養素がいろいろ詰まっているタラコ。食事全体のバランスを考えながら、美味しいものを少しづつ、ですね。
なぜ明太子は博多名物なのか?
タラコ(明太子)はスケソウダラの子で、北海道など北の海で獲れる魚です。なのになぜ明太子というと、九州の博多名物なのでしょうか。
これも疑問だったので調べてみました。
博多に本社のある「ふくや」の創業者・川原俊夫氏が、終戦を迎え福岡に帰って中州で食料品店を始めた頃、韓国の釜山で食べた「明卵漬」をヒントに「明太子」を発明したのだそうです。
明卵漬は、スケソウダラの卵巣を塩と唐辛子・ニンニク・胡麻などと一緒に発酵させたチャンジャのような食べ物だそうで、それを日本人の味覚に合わせた調味液に漬け込むように改良したのが明太子。
だから唐辛子が入っているんですね。
昭和24年に発売されましたが最初はなかなか売れず、味の試行錯誤を繰り返し、やっと売れるようになったのが、その10年後だったそうです。
その創業者が特許をとらず、周りの人達にも惜しみなく製法を教えていったので、博多に明太子屋さんが増え、明太子は博多名物へと成長したのだそうです。
出典・参照させていただいたサイト:
とれたてねっと たらこ
明太子は命だ!
Wikipedia たらこ
テレ東プラス プリン体
デイリーポータルZ なぜ明太子が博多名物なのか