レモンの栄養と効能。国産と輸入レモンを使い分け、キレート作用でキレイと元気を手に入れる?

レモン-水-1 果物 ナッツ

レモンはドリンクや飴などの商品の広告で「レモン何個分のビタミンC!含有」と比較基準になるほど、ビタミンCが含まれている果実として有名ですね。
ビタミンC以外にも含まれている栄養素がいろいろあるので、その効能などについて紹介いたします。

その前に、以前から「輸入レモンは農薬が付いているので、皮部分は食べないように」と言われていますね。
それがどういう農薬なのか、国産レモンと輸入レモンの使い分けなども調べてみたので、まずはその話から。

輸入レモンの問題点

レモン-輸入-防カビ剤

どの国で栽培されていても、レモンにさほど問題があるわけではありません。

問題は、収穫されたレモンをその国から輸出する際に、船などで運んでいる間に腐ったりカビが生えないように、レモンの表面に噴射する防腐剤や防ばい剤(防カビ剤)、あるいは見映えのためのワックスが、日本に到着して店頭に並んだあとも、付着したままだということです。
腐ったりカビが生えたりすると売り物にならないし衛生的にも悪いので、こういう処置を施すのですが、この農薬が水などでゴシゴシ洗ったぐらいでは落とせないのです。

これは他の柑橘類や穀物でも使われている「ポストハーベスト農薬」なのですが、レモンは皮まで食べることも多い果実です。
蜂蜜漬けやマーマレード、塩レモンやスムージーなど皮ごと使うことが多く、レモンに詳しい方はこのことはちゃんと心得ていて、輸入レモンではなく国産レモンで作ることが多いと思います。

心配なのはあまり気にとめず、紅茶やレモンハイなどに、果汁を搾るだけなら問題ないのですが、皮ごと入れてしまうケースです。
1個や2個食べるぐらいで具合いが悪くなるなど健康被害がある量ではないらしいのですが、水で洗うくらいじゃ全部は落とせないけれども、しみ出てしまう量もあります。何度も飲み続けると体内に蓄積されていきます。

国産レモンの現状

木に実っているレモン

日本国内の場合は、収穫後のポストハーベストは禁止されていますのでその点は安心です。

レモンは寒さに弱く、冬暖かく夏に乾燥する地域を好む果実で、国内でも広島・愛媛・和歌山と、瀬戸内地方での栽培が多いです。
日本国内での生産量は1960年代の輸入自由化にともない、安いレモンが大量に輸入されるようになり、ガタンと激減しましたが、前記のポストハーベスト問題や需要の拡大により徐々に増えてきているようです。

国産レモンは5~6月に花を咲かせ、10月ごろからグリーンレモンが実り始め、熟した黄色いレモンになり3月頃までが旬。最近はハウスでの栽培も増えてきているので、10ヶ月程の出荷が可能になってきています。

とはいえ、まだ栽培本数が少なく値段もやや高めのため、全体の8割以上が輸入レモンだそうです。

レモン全果と果汁だけの栄養成分の違い

レモン-酢の物

基本的に、国産は全果可食部、輸入レモンは皮部分が食べられないので果汁だけになります。
それにちょっとこだわった理由は、全果と果汁だけだと栄養成分がかなり違ってくるから。それも果汁よりも皮部分の方が栄養価が高いからです。
主な栄養成分の100gあたりの差は以下のようになります。
文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」

レモン-栄養成分表

このような差になります。まあ、当然といえば当然なのですが、全体的に全果の方が栄養価が高くなっていますね。
レモンの代名詞のようなビタミンCの量は、果汁だけだと50mgですが皮ごと全果だと100mgと2倍になり、カルシウムは約10倍、ビタミンEは約16倍、果汁にはほとんど無い食物繊維もあります。
レモンの主な栄養とその効能をみていきましょう。

抗酸化作用のある成分で老化を抑制

ビタミンCビタミンEレモンの皮部分に多く含まれるレモンポリフェノールには強い抗酸化作用があり、活性酸素の酸化力を弱め、カラダの細胞の老化を抑制してくれます。

レモンポリフェノールの主な成分はヘスペリジンエリオシトリン

ヘスペリジン

ヘスペリジンはビタミンCの効果を助けるビタミンPの一種で、ビタミンCと一緒に毛細血管を強化し血流改善、悪玉コレステロールの低下、免疫力アップなどをサポートします。

エリオシトリン

もう一つの成分であるエリオシトリンにも、血液中の脂肪や高血糖を抑える効果や中性脂肪を減少させる効果があることが、研究により判明しているそうです。

唐揚げなど油の多い揚げ物を食べる時、レモンの果汁をかける人は多いと思いますが、できれば皮まで食べたいですね~。

ビタミンCでシミやシワを防いで美肌を保つ

ビタミンCはアスコルビン酸ともいわれ、コラーゲンの生成に大事な成分で、皮膚や粘膜・骨の健康を維持する働きがあり、肌のハリや弾力を保ちシワを防いでくれます。
また、酸化したメラニンから酸素を取り除く力があるので、黒褐色のメラニンを淡い色の還元型メラニンに変化させ、シミの色を薄くして目立たなくしてれる働きもあります。

レモン-紅茶-1

クエン酸で疲労回復し骨を丈夫に

クエン酸はレモンなどの柑橘類や梅干しなどの酸味(すっぱい)成分で、果汁に多く含まれています。
炭水化物の一種で、レモンの場合約70%がクエン酸だそうです。

クエン酸回路という、体の中で摂取した糖質などからエネルギーを生み出す代謝の中心的な成分で、クエン酸があるとエネルギーを多く生成できるようになるため、疲れにくい体作り疲労回復に役立ちます。
ただし、クエン酸だけではクエン酸回路を活性化させるだけなので、エネルギーになる糖などだけでなく、その代謝を助けるビタミンB群などのビタミン類やミネラル・アミノ酸があることで、疲労回復や乳酸の蓄積による肩こりなどの緩和へと働くのだそうです。

クエン酸には、体内での吸収がされにくいカルシウムなどのミネラル類を吸収されやすい形に変える力があります。
熱中症など脱水症状の場合、水だけ補給すると体内に水分だけ増え、ナトリウムなどのミネラル分が足りなくなります。水分補給する時はクエン酸が含まれているものを飲むと、ミネラル類も補給されるので有効だと言われるのは、この作用があるからです。
これをキレート作用といいます。キレートとはギリシャ語で「カニのはさみ」という意味で、クエン酸がカニのはさみのようにカルシウムなどを包み込み、腸で吸収されやすい形に変える作用のことを言うのだそうです。
管理人・にこぴんは、今まで商品名にも使われているキレートについて「ビタミンCとクエン酸で、キレイと元気を手に入れよう!という感じの造語かな?」ぐらいにしか考えていませんでした。今回レモンについて調べていて「キレート」は、ちゃんと意味のある言葉だということを初めて知りました(恥)。

体に保有しているカルシウムは、ほとんどが骨や歯の構成要素として存在していますが、残りの1%ほどは血液など体液に含まれ、細胞の分裂・筋肉の収縮・神経の伝達・血液凝固作用などに使われています。
カルシウムは高齢になるほど吸収されにくく、体液内のカルシウムが足りなくなると、骨に蓄えているカルシウムを使おうとするので、骨粗しょう症になりやすいのだそうです。

骨を丈夫にするにはビタミンDも必要なので、日頃から日光浴をしたり、レモンなどクエン酸の多いものを摂取することもアンチエイジングには大事ですね。

塩分摂りすぎのむくみ改善にカリウム

カリウムとナトリウム(塩分)には体内の水分バランスを調整する役割がありますが、現在の食生活はナトリウム摂りすぎの傾向にあります。
ナトリウム濃度が高いとそれを下げようと、体内の水分量が増えます。それがむくみの原因ですが、カリウムが腎臓でのナトリウムの再吸収を抑制し尿中への排泄を促すため、むくみの解消や血圧を下げる効果が期待できます。

腸内環境を整える食物繊維

食物繊維は皮の部分に多く含まれています。
食物繊維には不溶性と水溶性があります。不溶性は水分を吸収して便の量を増やし、大腸を刺激して排便をスムーズにする働きがあり、水溶性は小腸での栄養素の吸収を穏やかにし、食後の血糖値の上昇を抑え血中コレステロール値も下げる効果が期待できます。
ビフィズス菌などの善玉菌の餌になり善玉菌を増やし、排便する時に余分なナトリウムや有害物質も体外に排出するため、腸をきれいにして環境を整えてくれます。

レモンなど柑橘類に含まれる水溶性食物繊維はペクチンで、ジャムなどを作る時にゼリー状に固める成分としてお馴染みですね。

リモネンのリラックス・免疫力アップ効果

レモンなど柑橘類の皮に含まれる香り成分であるリモネンは、爽やかな香りで気持ちをリラックスさせてくれますが、他にも効能があるそうです。
神経を安定化させ不安やストレスを軽減し、安眠できるようにしたり、体の免疫細胞を活性化させ、菌やウイルスの侵入を防ぐように免疫力をアップさせる効果も。

揚げ物や焼き物などにレモンを絞りかけることも多いと思いますが、皮部分を下にして絞ると、より香りが引き出せるそうです。

レモン-カキフライ

レモンはできれば皮ごと食べたい

このように、果汁だけでもビタミンCやクエン酸など、素晴らしい栄養があるのですが、皮部分だけにしかない成分もあります。
果汁だけ使うのであれば輸入レモンでもいいでしょうが、せっかく生レモンを丸ごと買うのだったら、皮部分を捨ててしまうのは、こんなに栄養があるのに、なんだかモッタイナイ気がします。

皮に付着した農薬を落とす方法もいろいろ紹介されており「塩で揉むようにゴシゴシ洗う」とか「酢や重曹を入れた水にしばらく浸しその後水でよく洗う」とか「野菜や果物を洗える洗剤で洗うとか」・・。
いずれにしても見た目で農薬がちゃんと落ちたかは判断できないこともあり、面倒くさがり屋のにこぴんなどは「不安を抱えながら料理に使うより、少々値段が高くても国産のレモンを買った方が早くない?」と思ってしまいます。
それに、レモンの主な成分であるビタミンCやクエン酸・食物繊維のペクチンは水溶性ですので、水に浸しておくと流れ出ていきます。
健康を意識してレモンを食べようとしているのに、不健康になったら意味ないですし・・。

国産でも無農薬栽培のレモンが一番安心できるということになるんでしょうねぇ・・。
これだったら、塩レモンや蜂蜜漬け・マーマレードを作るだけでなく、レモン水やレモンハイにも皮ごと入れられ、安心して皮部分を下に向けて絞ることもでき、リモネンのアロマ効果も実感できますね。

輸入モノでも無添加なレモンを発見!

レモン-農薬無添加-輸入

この記事を書くために何軒か店を見て廻ったのですが、あるスーパーで、輸入モノですが収穫後に農薬を付けていないレモンを見つけました。
値段が微妙に高いですね。船便ではなく空輸便なのでしょうか。
でも値段が少々高くなっても、気を遣わないで安心して購入できる商品が増えるのは嬉しいことです。

とりあえず今は「何の料理にどのように使うのか」を考えながら、表示をよく見ながら買い、食べていくことが必要ですね。

出典・参照させていただいたサイト:
サンキュ!レモン
ポッカサッポロ フード&ビバレッジ株式会社 レモンを知る
OCEAN LEMON
Domani 自分磨き レモン
健康長寿ネット 食物繊維

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