ネギの栄養と効能。白ネギと青ネギは栄養価が違う?

ネギ-ラーメン 野菜

管理人・にこぴんは、チャーハンや炒め物の料理や汁物を作った時、仕上げに小口切りした青ネギを当然のようにまぶしかけています。
そうすると、少々調理を失敗しても彩りが加わり見栄えが良くなるから~♪。インスタントラーメンでも美味しく見えますね。

考えてみたら「今日は絶対ネギを食べよう!」と思う日はないけれども、ネギは汁物や鍋、炒め物などの具材として、また刺身などの薬味として、ほとんど毎日食べている食材です。

昔から「風邪予防にネギ」と言われているので、ビタミンCなど多いのかしら?と思うのですが、毎日のように食べているくせに他の栄養素についての知識が曖昧なので、ちゃんと調べてみることにしました。
ネギには白い部分と緑の部分があり、色が違うからには含まれる栄養素も違うのではないかと、それも合わせて調べてみましたので紹介します。

根深(白)ネギと葉(青)ネギの育て方の違い

ネギは中央アジア原産で、日本には奈良時代頃に入ってきてから長く愛されてきた野菜の一つです。

いつの頃からか関東と関西では育て方に違いが出てきて、関東では根深ネギと呼ばれる白い部分の多いネギ、関西では緑色部分が多い葉ネギが主流ですが、流通が発達した現在では、一年中どちらも簡単に手に入りますね。

長ネギ

根深(白)ネギ(長ネギ)

根深ネギの白い部分は、根でも茎でもなく葉の部分ですが、そこに土をかぶせて(最近では、黒い筒のようなもので包む方法もあるようです)、日光を当てないようにして緑化させないで育てます。
白い部分には甘みがあるので、煮込んだり焼いたりする料理に向いています。
千住ネギ、加賀ネギ、下仁田ネギ、曲がりネギなどがあります。
赤ネギという、白い部分が赤いネギもあります。この赤はアントシアニンの色です。
白ネギは淡色野菜に分類されています。

葉(青)ネギ

葉(青)ネギは、土をかぶぜずそのまま日光を当てて育てたネギです。
緑の葉の部分が長くてやわらかいので、薬味として使われることが多いです。
九条細ネギ、小ネギ(万能ネギ)、やっこネギなどがあります。
葉ネギは緑の部分が多いので、緑黄色野菜に分類されています。

根深(白)ネギと葉(青)ネギの栄養成分の違い

根深ネギは100gあたり、34kcal。葉ネギは30kcal。
文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」

主に含まれる栄養成分は以下のようになります。

ネギ-栄養表

このように、葉ネギの方が含まれるビタミンやミネラルの量は多いですね。
とくにβ-カロテン量。根深ネギは82μgに対して、葉ネギは緑黄色野菜だけあって1500μgとかなり多くなっています。

しかし、白ネギはアリシンという成分を多く含んでいるので、薬効的には高いのではないかと言われているようです。

含まれる栄養素の効能

九条ネギ-小口切り

主に含まれる栄養素の効能をみていきましょう。

β-カロチン(ビタミンA)

葉ネギに多く含まれるβ-カロチンは、摂取されると体内で必要な量がビタミンAに変換され、体内の皮膚や粘膜、免疫機能を正常に保つ働きがあります。
強い抗酸化作用を持つため、美容やアンチエイジングに効果が期待できる成分です。

ビタミンC

こちらにも強い抗酸化作用があり、コラーゲンの生成にも関わっていて、皮膚や粘膜・骨の健康を維持し、シミやシワができるのを抑える美容効果がある成分としておなじみですね。
ストレスへの抵抗力を強める働きもあるので、風邪予防のためにも積極的に摂りたい成分ですよね。

ビタミンK

出血した時に血液を固めて止血する働きに関与します。
骨にあるタンパク質を活性化し骨の健康維持に必要なビタミンで、骨粗しょう症予防に役立っています。他にも動脈の石灰化を抑制する働きもあります。

カリウム

体内ではナトリウム(塩分)とカリウムがバランスを取りながら、細胞の浸透圧を維持したり、水分を保持したりするのに重要な役割を果たしています。どちらも大切な成分ですが、近年の日本の食生活は塩分取り過ぎの傾向にあります。
カリウムは摂りすぎた塩分を体外に排出し、高い血圧を下げたりむくみ解消に働きます。

アリシン

ネギの白い部分に多く含まれる硫化アリルという栄養素は、体内に入るとアリシンという栄養成分に変わります。
ネギ特有の辛みや香りの成分で、ニンニクやタマネギにも豊富です。

アリシンは、血液循環をよくし、体を温めたり発汗を促したり、胃液の分泌を促し食欲を増進させます。
血糖値の上昇を抑え、生活習慣病の予防にも効果が期待できます。
糖分をエネルギーに代謝するのに必要なビタミンB1の吸収をサポートし、疲労物質である乳酸を分解するように働き、肩こりや疲労回復に役立ちます。
また、強い殺菌力を持っているため、昔から食中毒防止のために薬味として利用されてきたのだそうです。

硫化アリルは空気に触れることでアリシンを生成するのだそうです。ネギを細かく小口切りやせん切りなどにし細胞を壊すことで、空気に触れる部分が多くなり、どんどんアリシンも増えていきます。
そういえば切る前のネギは、そんなに臭いませんねぇ。

ただしアリシンは揮発性で、切ったあと長時間置き過ぎると成分が飛んでしまいます。食べる直前に切るのがよいのだそうです。
にこぴんは、一週間に食べる位の量を一度にまとめて小口切りにして、すぐ使えるようにしていたのですが、それではアリシン効果は期待できないってことですね(汗)。・・・しかし毎回切るのも面倒だし、どうしましょう。
まあ、アリシンは白ネギに多く含まれているということで、炒め物や鍋の具材にする場合はその都度切っているので、少しは効果が期待できるということでしょうか。

ネギオール

ネギの白い部分にはネギオールという独自の香り成分も含まれていて、これにも殺菌作用があるようです。

これらアリシンやネギオールには発汗や解熱などの作用があることから、風邪を引いたときにネギを食べるとよい、と言われてきたのでしょうね。

長ネギ-焼く

葉の内側にあるフルクタン

根深ネギ(長ネギ)の緑の葉部分や白い部分の内側に、なんだかヌルッとしたゼリー状のものがありますね。
これは複合多糖類の食物繊維の一種でフルクタンという成分だそうです。これにも効能があることが分かってきています。

免疫力を高める作用

フルクタンには腸管の中にある免疫細胞を活性化させる作用があり、インフルエンザなどのウィルスの侵入や増加を抑える働きがあるのではないかと言われています。

血糖値の上昇を抑える作用

フルクタンは水溶性の食物繊維なので、腸内環境を整える作用があります。
また、血糖値の上昇を抑えたり、血中コレステロールを低下させる効果も期待できるそうです。

寒さに強く、加熱しても効果が変わらない

フルクタンは複合多糖類で、ネギの甘み成分と言われています。
ネギを氷点下でも凍らないように守ってくれている成分で、寒くなるほど量も増していきます。

フルクタンは加熱しても栄養的に変わらず、焼いたりしても摂取できるうえに、加熱調理することで甘みも増し、とろりとした食感になります。
冬のネギが甘くて、食感も柔らかく美味しくなるのは、このフルクタンのおかげなんですね。

ネギの栄養を効率よく摂るには

ネギ-豚肉-炒め

このように白ネギと青ネギでは、含まれる栄養素も少し違いますし、調理方法でも摂れる栄養が違ってきます。

共通して気をつけることは、長時間水にさらさないことと、保存する時はしっかりと水分を拭き取ることです。
ビタミンCやカリウム、アリシンなど水溶性の栄養素が多いので、長時間水にさらしていると流れ出てしまうからです。
ネギの辛みが苦手という人も多いようで、水にさらすと辛みが抜けて食べやすくなりますが、辛みの元は栄養豊富なアリシンなので、なんだかもったいないような気がします。

β-カロテンは油脂と食べた方が吸収率が高くなるので、油と一緒の料理の方が摂りやすくなります。
アリシンもビタミンB1の吸収を高めてくれるため、ビタミンB1を多く含む豚肉や玄米などと共に食べるのがオススメです。

青ネギは薬味として生で、白ネギは加熱して食べると甘さを味わえるのでいいかもしれませんが、含まれる栄養素のことをちょっとだけ考えながら、そんなにこだわらず、ご自分が食べたい料理で美味しく食べていったらいいような気もします。

白ネギの緑の部分にもフルクタンという素晴らしい栄養素が含まれていますので、白ネギも青ネギも出来るだけまんべんなく食べるようにするのが、一番効率的なのかもしれませんね。

出典・参照させていただいたサイト:
ヒトシア ねぎが持つ栄養とは?
もぐうぇる 白ネギと青ネギ
健康習慣 効果的なネギの食べ方
IENAKA ネギの栄養の主な効能5つ
お役立ち!季節の耳より情報

コメント メールアドレスが公開されることはありません。

タイトルとURLをコピーしました