苺の栄養と効能。ビタミンCが多く、フルーツの代表のような苺は、じつは野菜!?

果物 ナッツ

三角のとんがり帽子のような形で見た目もかわいくて、甘酸っぱい苺。小さなお子さんも大好きなフルーツの一つですよね。

にこぴんが子供の頃の苺は、今ほど全体的に糖度が高くなかったので、当然のように練乳をかけるか、砂糖と牛乳を入れて食べていました。
苺をスプーンで潰して、牛乳をピンク色に染めて食べるのが好きでした。

そんな子供の頃からずっと食べてきたのに、苺について調べてみたら、今まで考えたこともなかった、ビックリするような事実がいろいろ出てきました。
みなさまは、苺は「野菜」に分類されていることをご存知だったでしょうか?

それも含め、今回は苺の栄養と効能についてご紹介します。

苺は野菜?それとも果物?

苺-畑

農林水産省の作物の統計調査では、果物ではなく「野菜」に分類されているそうです。
木になるものが「果物(果樹)」、種を蒔いてから1年以内に収穫する草の実は「野菜」とされているからです。
しかし、甘酸っぱく、果物と同じように食べられていることもあり「果実的野菜」とも呼ばれているそうです。

なんだかややこしいですね。

もう一つビックリした事実が、苺の表面にあるツブツブしたものを種子だと思ってきましたが、じつはあの一つひとつが果実で、その中に種子が入っているのだそうです。
一個の果実だと思っていた苺は、茎の先端の花床(かしょう)が膨らんだ偽果(ぎか)で、200個から300個の果実が集まった「集合果」。種子に栄養を送りながら守っている部分なのだそうです。

そんなわけで、苺には種子を守るための栄養がぎっしり詰まっているということになります。

苺に含まれる栄養と効能

苺の可食部のカロリーは100gあたり34kcal。
日本食品標準成分表2015年版(七訂)

苺は種類も豊富で小粒なものから大粒までいろいろあり、1粒のカロリーは一概には言えませんが、だいたいMサイズで10g~15gになるようです。
生で苺だけ食べるのなら、かなり低カロリーですね。

ビタミンCやビタミンB群の中でも葉酸が豊富で、他にもカリウムカルシウムマグネシウム鉄分などのミネラル類、果糖食物繊維キシリトールポリフェノールなどを含んでいます。

苺-かき氷

手軽にビタミンC補給ができる

苺にビタミンCが豊富なことをご存知で、美容や健康維持・アンチエイジングのために苺を食べている方も多いと思います。

100g中62mgと、果物の中ではレモン・キウイに次ぐ多さです。しかも、ちょっと水で洗っただけで切ったりせずポイっと食べることができるので、手軽にビタミンCが補給できますね。

ビタミンCは細胞と細胞を結ぶコラーゲン生成に重要な栄養素で、皮ふや粘膜の健康維持に役立ちます。
免疫力を強めたり抗酸化作用もあるので、有害な活性酸素から体を守り、風邪や動脈硬化などの生活習慣病の予防にも効果が期待できます。

「造血のビタミン」とも言われる葉酸

葉酸はビタミンB群の一つで、ビタミンB12と共に赤血球の生産を助ける役割があり「造血のビタミン」とも呼ばれています。

タンパク質や細胞を作る時に必要なDNAなどの核酸を合成する重要な役割もあるので、細胞分裂が活発な胎児の正常な発育に役立つため、特に妊娠初期の女性には積極的に摂ってもらいたい栄養素です。

妊婦さん以外の成人においても、心筋梗塞や動脈硬化など虚血性心疾患を予防する効果があるのではないかと期待されており、研究が進められているようですが、葉酸は他のいろいろな食材にも含まれているので、通常の食生活なら摂取不足の心配はほとんどないそうです。

ミネラルも豊富

ミネラルは、血液の赤血球や骨などのように体を構成するだけでなく、維持したり調節するうえで、大切な働きをする五大栄養素の一つ。

体に含まれる余分なナトリウム(塩分)を排出し、高くなりがちな血圧を下げる働きのあるカリウムや、カルシウム・マグネシウム・鉄分などを含んでいます。

苺はいわば「甘い野菜」。野菜らしくミネラルも豊富なのです。

腸の中をキレイにしてくれる食物繊維

苺100g中に、水溶性食物繊維が0.5g、不溶性食物繊維が0.9g含まれています。

ビフィズス菌など善玉腸内細菌の餌になり腸内環境を改善し、便の量を増やし排出をスムーズにしてくれるので、便秘解消に役立ちます。その時、有害物質も吸着させて便と共に体外に排出するので、腸がキレイになり大腸ガンのリスクも減らしてくれます。

水溶性食物繊維のペクチンも含まれているので、とろみのあるプルプルしたジャムにも加工しやすいですね。

口内環境を整えるキシリトールも含まれる

虫歯予防効果が実証され、ガムなどに配合されているおなじみのキシリトール。
糖アルコールの一種で砂糖と同じぐらいの甘さがありますが、虫歯菌のエサにならず、カルシウムと結合し歯の修復(再石灰化)を促します。

苺には天然キシリトールが100g中に350mg含まれているそうです。

抗酸化作用のあるフェノール

アントシアニン

苺の赤い色は、ポリフェノールの一種であるアントシアニンという色素の色です。
老化や生活習慣病の原因となる活性酸素を減らす強い抗酸化作用があり、目の健康維持にも効果が期待されています。

エラグ酸

天然フェノール系の抗酸化物質、エラグ酸も含まれています。
メラニンの生成に関わる酵素チロシナーゼの動きを抑える働きがあり、肌のコラーゲンの減少を穏やかにしたり、シミ・シワ予防に効果があるとされ、化粧品にもよく配合されている成分です。

美味しい苺の選び方

苺-ヨーグルト

苺は追熟しないので、店頭に並んでいる時が食べ頃です。

全体にハリとツヤがありツブツブがくっきりしているもの、ヘタの緑色が濃くピンとしているのが新鮮です。
ヘタのあたりまで赤く色づいているものが、より美味しく栄養価も高くなっています。
苺は少しの衝撃で表面がつぶれ傷みやすいので、パック詰めされているものは裏側の苺もチェックしましょう。

苺の洗い方・保存方法

収穫したての新鮮な苺なら常温保存もできます。

ですが、スーパーなどで買ったものは収穫して数日経っていることが多いです。
買ってきたらまずパックから取り出し、洗わずに(水気が付いていたら優しくふき取る)タッパーにキッチンペーパーを敷き、ヘタを下にし重ならないように並べて冷蔵庫の野菜室で保存し、早めに食べきるようにしましょう。

苺は水気が付いていると傷みやすいため、食べる直前に、ヘタは付けたまま水で軽く洗います
ヘタを取ってから洗うと、水に溶けやすい栄養素であるビタミンCや葉酸が流れ出てしまいます。
また、食べる時もヘタ部分を包丁などでカットせず、むしり取るようにしましょう。ヘタの元部分に栄養素が多く含まれているので、カットすると栄養を捨てることになり、モッタイナイからだそうです。

苺は先端部分から熟していき糖が多く甘くなっています。食べる時はヘタの部分から食べ始めると最後により甘さを感じることができます。

冷凍保存する時は、砂糖を少々

冷凍保存もできます。
その場合は、ヘタを付けたまま軽く水で洗い、しっかり水気を拭き取ります。
ヘタを取り除き、1パックあたり大さじ1杯程度の砂糖をまぶして(苺は冷凍すると甘味が落ちるので)、冷凍用保存袋に入れて冷凍庫で保存します。

苺の栄養を効率的に摂るには

苺-パンケーキ

苺はジャムなどに加工しやすく、いろいろなスイーツにも使われていますが、熱に弱いビタミンC補給のために食べるのだったら、生のまま食べることをおすすめします。
また、夕食後にデザートとして食べることも多いと思いますが、寝る前は消化が悪くなるので、できれば朝食や小腹が空いた時におやつとして食べた方が体にはよいらしいです。

抗酸化作用のあるアントシアニンは、乳製品と一緒に摂ると効果が倍増するそうなので、ヨーグルトや牛乳・練乳などと組み合わせて食べると、栄養を効率的に摂れるそうです。

ピンクや白い苺

苺も年々いろいろな品種が増えてきており、完熟しても赤くならずピンクや白色の苺も生産が増えてきているようです。
まだまだ高級品で、いただく機会はあまりないですが、甘~い香りが魅力的で、糖度が高くて美味しいですねぇ♪。
さすがにアントシアニンはあまり含まれていませんが、他のビタミンCなどの栄養素はたっぷりです。

苺-ピンク色

出典・参照させていただいたサイト:
ヒトシア いちごの栄養とは?
春夏秋凍(食材マーケット)いちご
macaroni イチゴは野菜か果物か
クラシル いちごの保存方法
農林水産省 いちごのあれこれ豆知識

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