栗の栄養と効能。栗は果実に分類されていて、食べてる部分は種だそうで!

栗ご飯 果物 ナッツ

実りの秋。美味しいものがいっぱいあり、何を食べようか悩みますよね♪。

栗もそのひとつ。サツマイモと少し味が似ているあのほっくりとした果実は、・・・果実?、果実なの??
サツマイモと味が似ていて、でんぷん質が多そうなのに、芋ではなく果実?
毎年のように食べてきているのに、今まで考えたことなかった~~(汗)。

ということで、今回は栗の栄養よりも先に「栗とはどういう植物なのか」を調べることになりました。

いつも食べている部分は種だった!

栗-いがぐり

農林水産省の分類では、樹木になるものを「果物」としているので、木になる実で果実ということになります。

「果実で間違っていなかったのね」と少しホッとしましたが、なんとなく頭に浮かぶ果実とは違いますね。リンゴや梨やブドウなどは、外側に皮があり中に軟らかい果肉があり、それに種が包まれている形態ですよね。その果肉部分を「美味しい」と食べるのですが・・・。
しかし栗の場合、外側の皮に相当するのは、あのトゲトゲしたイガの部分。では果肉はというと、一般的に栗の皮と思われている茶色くて硬い鬼皮の部分で、その鬼皮を剥いた渋皮付きの中の部分が種なのだそうです(農林水産省)。

そう! 食べている部分は、果肉ではなく栗の種だったのです!

イガの中には子房が3つあるので、通常3個の栗ができます。真ん中の平たい栗が薄いのや、最近の栽培技術により、1つのイガに栗が1個だけ入った大粒の栗の品種もあるようです。
栗は(台風などで天気が荒れない限り)熟して食べ頃になると自然に木から落ちるので、もぎ取るのではなく落ちたものを拾って収穫します。

天津甘栗で有名な中国栗やヨーロッパ栗は、小さいですが渋皮が剥きやすい。
和栗は大きく香りが強く、上品な味わいのものが多いですが、渋皮が剥きづらいですね。
栄養価の話としては、その和栗を中心にまとめてみました。

脂質が少なく、ビタミン・ミネラルが多い

栗のカロリーは100gあたり164kcal。
ビタミンEビタミンB1ビタミンB2カルシウムマグネシウム亜鉛などが豊富なナッツ類(種)の特徴と、ビタミンCカリウム食物繊維などが多い果物の特徴を持っている、栄養高い食材です。
そして、他のナッツ類は脂質が多いのですが栗には少なく、サツマイモなどの芋類のようにデンプン質が多いという面白い特徴があります。

主な栄養素と効能を見ていきましょう。

栗-茹でる

炭水化物

糖質(デンプン)+食物繊維が炭水化物です。

糖質はデンプン質

栗に含まれる糖質は100gあたり32.7gだそうです。サツマイモの糖質が29.2gなので、それより多いということになります。

糖質はエネルギー源となる大事な栄養素ですが、最近は摂り過ぎて脂肪として体内に蓄積されることが問題になっていますね。
ダイエットにとって、糖質の摂り過ぎは要注意!ですが、栗の糖質はデンプン質です。
デンプンは多糖類なので、ブドウ糖や果糖などの単糖類と比べゆるやかに燃焼されるので、吸収や血糖値の上昇が穏やかです。その分、脂肪として蓄えづらく太りにくいというメリットがあります。

食物繊維が豊富

栗に含まれる食物繊維は100gあたり4.2g。食物繊維が多いとされているサツマイモが2.3gなので、その2倍ぐらいあるということですね。

食物繊維は消化吸収されず大腸まで届くので、以前は栄養にならないものとされていましたが、腸の調子を整え老廃物を排出し、便秘解消に期待できたり、コレステロールの低下や血糖値上昇を抑制する働きもあることがわかり、高血圧や糖尿病など生活習慣病予防に効果的と言われています。

ビタミンB1・ビタミンB2で疲労回復

ビタミンB1は糖質の分解をサポートする補酵素として働きます。糖をエネルギーに変え体を元気にしてくれ、疲労回復に働きます。
脳の中枢神経や手足の抹消神経を正常に保つ働きもあるため、脚気などの予防にも役立ちます。

ビタミンB2は糖質・脂質・タンパク質のエネルギー代謝をサポートする補酵素として働く栄養素。皮膚や髪・爪などの細胞の再生や成長を促す働きもあり、皮膚や粘膜の健康維持、眼精疲労などの疲労回復に効果を発揮します。

加熱に強いビタミンC

ビタミンCは、強い抗酸化作用があり、動脈硬化や心疾患などを予防することが期待できます。また細胞間を結んでいるコラーゲンを作るのに必要なビタミンなので、皮膚や粘膜を健康に保ち、シミ・シワの予防などの美肌効果、アンチエイジングにも役立ちます。
鉄分の吸収を促したり、免疫力を高めて、ストレスの軽減や風邪などの予防にも必要なビタミンです。

一般的にビタミンCは熱に弱いのですが、栗のビタミンCはデンプン質に包まれているので、加熱しても壊れにくく摂取しやすいという、嬉しい特徴もあります。

余分なナトリウムを排出するカリウム

カリウムはナトリウムとバランスをとりながら、細胞を正常に保ち血圧を調整する働きがあります。
現在の食生活ではナトリウム(塩分)の摂取が多くなっていることがよくあり、高血圧やむくみの原因になっています。その余分なナトリウムを体外に排出させるのに必要なミネラルです。

新陳代謝に欠かせない亜鉛

亜鉛はタンパク質や核酸の代謝に関わる必須ミネラル。新陳代謝を促す効果や味覚を正常に保つ効果、皮膚や粘膜の健康維持、生殖機能低下や抜け毛予防などに効果が期待できます。現在の食生活では不足しがちなので、積極的に摂りたい栄養成分です。

渋皮にはポリフェノールが

栗の渋皮には、タンニンプロトジアンニンというポリフェノールの一種が含まれているそうです。
強い抗酸化作用があり、活性酸素を排除する働きがあるので、肌の老化を抑えたり、動脈硬化など生活習慣病予防などのアンチエイジング効果が期待できます。

渋皮は渋くて食べられないと思う人が多いと思いますが、調理する時に渋みがそんなに嫌でなかったり、料理が綺麗に見えなくてもよいのであれば、いい加減に剥く方が、より栄養を摂れるということになります。
調理がちょっと手間ですが渋皮煮にすると、渋皮の栄養も丸ごと摂れますね。

栗-渋皮煮

美味しい栗の選び方

表面の鬼皮が硬く張りがあり、茶色が濃くツヤツヤと光沢のあるもの。
指で押してもブカブカせず、手に持った時ずっしりと重みを感じるもの。軽いものは中の実(種)が上手く育たずカスカスだったり、収穫後時間が経ち乾燥して実が痩せている場合があります。
また、小さい穴が開いているものは中に虫がいる可能性があります。黒っぽい傷があるもの、底がベトベトしているものは避けましょう。

栗の保存方法

栗は気温が高めな場所では傷みやすいし、虫も寄ってくるので、あまり常温保存は向いていません。

冷蔵庫で保存

鬼皮付きであれば、冷蔵庫のチルド室に保存すると1ヶ月ほど保存できるそうです。
チルド室は温度が0℃に設定してあり凍る寸前で冷蔵するように設計されています。チルド室の無い冷蔵庫の場合、出来るだけ温度の低い場所で保存しましょう。

栗を新聞紙などで包み保存袋に入れ、しっかり口を締め低温で保存します。
そうすると、栗のデンプン質が糖に変わり糖度が増し甘くなるそうです。

冷凍で保存

栗は水分が少ない果実なので、冷凍に向いています。
生のままでも、茹でた後でも、皮を剥いたあとでも、保存できます。保存期間は2~3ヶ月。

フリーザーバックに入れ、空気をなるべく押し出し密閉します。一個ずつラップでしっかり包みフリーザーバックに入れると、なお良い状態が保てるそうです。

食べる時は、生栗はそのまま解凍せず加熱して調理します。
茹で栗は、冷蔵庫で自然解凍するだけで食べられます。

皮を剥くには

甘露煮や栗ごはん・渋皮煮・マロングラッセなどの料理にする場合、皮を剥くという工程があり、これがけっこう大変な作業ですよね。
鬼皮や渋皮もすでに剥かれた商品も売られていて便利ですが、せっかく生の栗が手に入ったなら、風味も違いますし、面倒でも自分で皮剥きして秋の味覚を味わいたいですね。

皮を剥く時は、一晩水に浸しておくと、皮がやわらかくなり剥きやすくなります(これは万が一中に虫が入っていた時の駆除にもなる)。
生栗を一晩冷凍し、ボウルに入れ熱湯をかけて5分ほど放置し解凍、栗のお尻のほうから包丁を入れてむく方法もあります。栗の種類によっては渋皮がむきにくい場合がありますが、その場合は渋皮がついたまま熱湯に1時間漬けておくとむきやすくなるそうです。

今日食べたいのに、そんなに時間が無いという場合は、熱湯に栗を浸しておくと1時間ほどでやわらかくなり剥きやすくなります。
皮むき専用器具も売っているので、それを使うという方法もありますね。

栗-皮剥き

そのまま茹でて食べる場合

栗ってそのまま茹でただけでも、ホクホクとして美味しいですよね~。

  1. ボウルに栗を入れ一晩水に浸す(虫駆除や汚れを落とすためにやった方がいいようです)。
  2. 鍋にたっぷりの水と、その水の量の約1%の塩を加え、火にかけて沸騰させます。
  3. 沸騰したら栗を投入し、栗が踊らない程度の弱火にし、途中でまんべんなく火が通るように時々栗を混ぜながら、大きさや量に合わせて40~50分茹でます。
  4. 火からおろして、鍋にお湯が入ったままの状態で粗熱を取り、お湯が冷めたらザルにあげます。

包丁で縦半分に切りスプーンですくい取ると、皮を剥かずに手軽に食べられます。

オーブンやトースターで焼き栗にしても美味しいです。その場合は焼く前に、爆発しないように包丁の刃の根本部分などで栗に切り込みを入れておきましょう。

スイーツになることが多い栗

にこぴんとしては、調べていて一番驚いたのは、栗がナッツ(種)だったことです。
とくに和栗は大きいので、種のイメージが全然なかったんですね~。

種ということで栄養価も高いですが、カロリーもそれなりに高いです。
おまけに甘露煮や渋皮煮、栗きんとん、マロングラッセにモンブランケーキと、砂糖を加えたスイーツで食べることが多いので、それを考えながら、美味しく秋の味覚を味わっていきたいですね。

栗-モンブランケーキ

出典・参照させていただいたサイト:
旬の食材百科 栗
もぐうぇる 栗の糖質
たべるご 栗の栄養
100均×Sweerssレシピ
丸ごと小泉丈夫色マガジン 栗の皮むきの裏ワザ

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