デーツの栄養と効能。ねっとり甘い果実ですがダイエットにもなる?!

デーツ-集合-1 果物 ナッツ

デーツという果実をご存知でしょうか?
デーツが実る樹は「なつめやし」と呼ばれ「なつめ」と名前が似ているため混合されやすいですが、全然違う果実です。
世界では昔からよく食べられてきた果実ですが、近年、日本でも栄養価が高いスーパーフードとして注目が集まってきています。

今回は、そのデーツについて、含まれる栄養素や効能を中心にまとめてみました。

デーツとは

なつめやし-デーツの実

デーツは、「生命の樹」として古代人の崇拝の対象だったヤシ科に属する常緑の高木、なつめやしの果実。

原産地は北アフリカからペルシャ湾沿岸とされ、メソポタミアや古代エジプトで紀元前6千年紀にはすでに栽培されていたと考えられており、クレオパトラも好んで食べていたとか。
砂漠のような乾燥地帯でも育つ上に、乾燥させると長期保存が可能なため、とくに砂漠地帯に住む遊牧民にとって、古くから重要な食べ物のひとつでした。
イスラム諸国では、ラマダン(断食月)明けに、栄養補給の最初の食事として、ミルクと共にデーツを食べてきたそうです。

果実は3~7cmほどの楕円形をしており、中に1個の種子(品種により入っていないものもある)が入っています。
デーツは樹の上で熟して乾燥させ、ドライフルーツになってから収穫を行います。
熟すスピードは品種によって異なり、また同じ樹でも実の成熟度が変わるため、複数回に分けて収穫します。
熟し度により、キムリ(緑色で未熟)、ハラール(黄色で歯ごたえがある)、ルターブ(熟して柔らかい)、タムル(濃褐色で熟したものを天日干し)の4段階があり、それぞれの段階で楽しむことができます。

一般的には、結実してから完熟のドライフルーツになるまで7ヵ月程度かかるといわれています。
完熟のドライフルーツになったデーツを食べてみると「砂糖漬け?」と勘違いするほどコクがあり甘いですが、その甘みは太陽の恵みを受けて樹上で熟する天然の甘みなのだそうです。

日本で売られているのは、完熟乾燥させ種を抜いたものがほとんどです。

デーツ(乾燥)に含まれる栄養素と効能

デーツ-器の中

デーツ100g(約7粒)でカロリーは281kcal。
含まれる栄養素が豊富で、栄養価が高い割にはドライフルーツの中で比較的低カロリーです。

デーツに含まれる主な栄養成分は、糖質はもちろんですが、食物繊維β-カロテンビタミンB群(B1・B2・ナイアシン・B6・葉酸・パントテン酸)、ミネラルのカリウムカルシウムマグネシウムリンマンガン亜鉛などです。
出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)

便通を改善させる食物繊維が豊富

食物繊維には水溶性と不溶性があり、デーツに豊富に含まれるのは不溶性の方です。
不溶性食物繊維は、便のカサを増やして腸の働きを刺激し排便を促します。
さらに、乳酸菌やビフィズス菌といった善玉菌のエサとなり、菌を増やして腸の調子を整えるのに役立ちます。

エネルギー代謝をサポートするビタミンB群

ビタミンB群は、タンパク質・糖質・脂質のエネルギー代謝をサポートする補酵素です。

その中でもナイアシンは、脳神経の働きを活性化する、皮膚を健康に保つ、血液の循環をよくするなどの酵素反応に関与し、体の機能を正常に働かせるために重要です。
また、アルコールの分解にも関わっているので、二日酔い防止にも働きます。

パントテン酸は、善玉コレステロールを増やしたり、免疫抗体を作ることに関わっています。
また、ストレスと闘う副腎皮質ホルモンの合成にも関与していて、現代人に多いストレス軽減に働きます。
デーツにはドライフルーツの中でも、トップレベルの量のパントテン酸が含まれているそうです。

抗酸化作用を持つβ-カロテン

β‐カロテンは、カロテノイドの一種で、体内でビタミンAに変換されます。抗酸化作用が高く、活性酸素を取り除いたり抑制したりする働きがあります。
そのため、動脈硬化などの生活習慣病を予防し、エイジングケアにも効果的です。

高血圧・むくみ予防にカリウム

カリウムは浸透圧を調整する働きがあり、体内の余分なナトリウム(塩分)を排泄することで、血圧上昇の抑制やむくみ緩和が期待できます。

丈夫な骨形成にカルシウム・マグネシウム

カルシウム・マグネシウムは、骨や歯の形成に必要な栄養素。
多くの体内酵素の正常な働きとエネルギー産生をサポートしたり、血液循環を正常に保つのに必要な栄養素でもあるので、高血圧や心疾患・糖尿病などの生活習慣病予防に役立ちます。
マグネシウムは日本人に不足しがちなミネラルですが、デーツには豊富に含まれています。

貧血予防に鉄・銅

鉄は人体に必要なミネラルの一種で、赤血球のヘモグロビンに多く存在し、不足すると貧血を起こします。

銅には、その鉄の利用をサポートしヘモグロビン合成を助ける働きがあります。また、エネルギー生成や神経伝達物質の産生、活性酸素の除去にも関わっています。
そのため銅を摂取すると、生活習慣病予防やエイジングケアなどにも役立ちます。
デーツにはドライフルーツの中で、その銅も多く含まれています。

味覚を正常に保つ亜鉛

亜鉛は、主に骨格筋・骨・皮膚・肝臓・脳・腎臓などにある成分で、タンパク質の合成に関わる酵素の材料になります。
そして味覚の維持に重要な働きをします。舌にある味細胞は日々生まれ変わっていますが、亜鉛はこのような細胞の正常な生まれ変わりをサポートするのに欠かせないミネラルです。

甘いのに、ダイエット効果もある?!

デーツ-手に持つ

コクのあるねっとりとした強い甘さが特徴のデーツの糖質は、100gあたりおよそ64gと多いのですが、ダイエットに向いているドライフルーツをいわれています。
その理由は、食後の血糖値の上昇程度を示すGI値が小さいからです。
GIとは、「グライセミック・インデックス」(Glycemic Index)の略語で、食後の血糖値の上昇度合いを表す指標。食品のGI値が低いほど、食後の血糖値の上昇が穏やかであることを意味します。
急激に血糖値が上昇すると、血糖を取り込むためのインスリンが必要以上に分泌され、脂肪の蓄積が増えてしまいます。
しかし、デーツのGI値は100gあたり31から50と低く、他のドライフルーツと比べても食後の血糖値が上がりにくいのが特徴です。
しかも、デーツに含まれる糖質の多くはブドウ糖と果糖なので、摂取してもすぐにエネルギー源として消費されやすいのだそうです。

なお、脂質と一緒に摂取すると、よりデーツのエネルギー代謝が高まるともいわれています。

「デーツでダイエット」になる食べ方

疲れたり小腹が空いたりして甘いものが食べたくなる時がありますが、その時に甘いお菓子などを食べる代わりにデーツを食べると、強いねっとりとした甘みで、少量でも気持ちが落ち着くと同時に、健康維持に役立つ栄養も摂ることができます。

食べるのに適した時間帯は、デーツは食べてすぐにエネルギーとなるので、ダイエットとして食べるとしたら、これから活動するためにエネルギーが必要な朝か昼がよいでしょう。
とはいえ糖質が多い果実なので、食べすぎるとやはり身体に蓄積されてしまいますので、大きさにもよりますが1日1~3個程度に留め、毎日少しずつ食べるのが効果的のようです。

相乗効果のある食べ合わせは?

デーツ-クルミ-アーモンド

デーツはそれだけでも美味しく、様々な栄養素を豊富に含んでいる嬉しい果実ですが、他の食材を組み合わせることによって、より健康的に美味しく食べることができます。
相乗効果を得られそうないくつかの組み合わせを紹介します。

アーモンドやクルミ

ねっとりとした甘さのデーツに、香ばしくカリカリとした食感のアーモンドやクルミなどのナッツは、相性が抜群です。
アーモンドやクルミには、デーツには含まれないビタミンE不飽和脂肪酸があるので、栄養的にも相乗効果が期待できます。
脂質と一緒に摂取すると、よりデーツのエネルギー代謝が高まるともいわれていますし。

オレンジやグレープフルーツなどの柑橘系フルーツ

柑橘系フルーツの酸味が、ねっとりとしたデーツの甘みに爽やかさをプラスしてくれます。
デーツに含まれないビタミンCも補うことができ、鉄を吸収しやすい形に変えてくれます。

ヨーグルトやクリームチーズ、ミルク

ヨーグルトの酸っぱさやクリームチーズのコクと塩気が、デーツの濃厚な甘さを和らげます。
タンパク質やカルシウムの補給にも。

ウスターソースの原料としても使われている

豚カツ用やお好み焼き用のソースの、とろみや甘みを出すために、デーツを使っている製品もあるそうです。
お好みソースでお馴染みのオタフクソース株式会社は、デーツの持つ深くてまろやかな甘みと栄養に着目し、1975年から原料として使っているのだとか。
また、2020年からはドライフルーツのデーツも販売しており、かなり好評なのだそうです。

体によい栄養素がふんだんに含まれている、天然のドライフルーツ・デーツ。
常温で長期保存ができ、お口にポイっとそのまま食べられる手軽さで、欧米だけでなく日本でも、健康志向の高まりから砂糖の代変品としても注目されてきており、ますます人気が高まっていくことでしょう。

デーツ-お好み焼き

出典・参照させていただいたサイト:
Vegewel デーツとは?
小島屋 デーツ(なつめやし)が持つ栄養成分とは?
wikipedia ナツメヤシ
Arima meブログ スーパーフード「デーツ」でダイエット!
オタフクソース(株) デーツ

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