「いっしやきいも~、おいもっ!」という声を聞くと、裸足で駆けてくのはサザエさんだけかと思っていましたが、なんだかけっこう多いみたいですね。
サツマイモ、ホクホクと甘くて美味しいですもんね~♪
にこぴんも、この声を聞くと「秋も深まってきたな~」と感じます。
ホクホクと甘いので、糖質が多くて太るのではないか?と心配する声もありますが、サツマイモの糖質は血糖値が上がりにくく、最近ではアンチエイジング的にも見直されてきているようです。
その理由を含め、サツマイモの栄養価や選び方・保存の仕方などを紹介していきます。
サツマイモの歴史や主な産地
サツマイモは原産地は中米ですが、中国から伝わりました。琉球を経由して鹿児島(薩摩)の種子島で栽培を始めたのが17世紀。唐(中国)から伝わった芋なので、鹿児島ではカライモ、あるいは甘藷と呼ばれています。
土地が姶良カルデラや池田カルデラなどの火山噴出物から出来たシラス台地ですが、サツマイモはそんな痩せた土地でも元気に育ち重宝されていました。
そして「享保の大飢饉」が起こります。その時江戸幕府の目に留まり、関東でも栽培が始まったとされています。薩摩藩から伝わった芋なので、サツマイモと呼ばれています。
主な生産地は鹿児島・茨城・千葉となっています。鹿児島では全体の40%ほどを生産していますが、その多くは芋焼酎の原料になっているようです。青果と焼酎の原料としてのサツマイモは、それに向くよう品種改良され少し品種が違いますが、最近ではあえて青果用のサツマイモを使って造られる焼酎もあるようです。
収穫は秋ですが、採れたては水分が多いので、収穫してから2~3ヶ月貯蔵したものの方が、甘みが増して美味しくなるそうです。
サツマイモの選び方と保存方法
皮の色が均一で鮮やかなもの、太くずんぐりと重みのあるもの。ひげ根が無く、表面の溝が浅いもの。
切り口から飴色の蜜が染み出してきているものは、糖度が高い証拠だそうです。
基本の保存は、水分がつくと傷みやすくなるので、調理直前までは水で洗わないように。
泥付きのものは軽く土を払い、ビニール袋に入っているものは袋から出して、新聞紙に包むか段ボール箱で保存しましょう。
冷蔵庫には入れず(冷やさず)、冷暗所(10℃ぐらい)で常温保存するとけっこう日持ちします。
調理に使ったりして残ったものは、ラップでぴったりと包み野菜室に入れ、できるだけ早く使うようにしましょう。
冷凍保存もできます。一度茹でたり加熱して柔らかくしたものをマッシュして保存袋に入れ冷凍しておくと、解凍してすぐに料理に使えて便利です。
焼き芋にしてからラップして保存するというのもありです。管理人はやったことがありませんが、半解凍させるとアイスのようで美味しいそうです。
サツマイモに含まれる主な栄養成分
サツマイモ皮つき生のカロリーは100gあたり140kcal。
タンパク質、炭水化物、ビタミンE、ビタミンB群、ビタミンC、ミネラル類もカリウム・カルシウム・マグネシウム・リン・鉄などを含みます。
主な栄養素の効能を見ていきましょう。
炭水化物
炭水化物は「糖質+食物繊維」で、身体を動かすエネルギー源となる大事な栄養素ですが、食べすぎると太るということで敬遠されがちです。
サツマイモにも炭水化物が多く含まれていますが、サツマイモのはダイエット向きといわれています。
その理由の一つが、サツマイモに含まれる炭水化物は複合炭水化物という種類で、消化されるのに時間がかかるためエネルギーが持続し、脂肪になる分が少ないからだそうです。
腹持ちもよくなるので、結果、総体的に食べる量を減らすことができます。
もう一つの理由が、食物繊維の含有量の多さにあります。イモ類の中でもトップクラスで、水溶性と不溶性の両方が含まれています。
水溶性食物繊維には、コレステロールの吸収を抑えたり、ナトリウムを吸着して血圧の低下にも役立つ作用があリ、不溶性食物繊維は大腸の蠕動運動を活発にし、排便を促し便秘解消の効果が期待できます。便秘が解消されると、お肌もスベスベになる美容効果にも期待が持てますね。
ビタミンC
ビタミンCの含有量も豊富です。
ビタミンCは抗酸化作用や、メラニン色素の沈着を防いだりコラーゲンの生成などの美容効果でお馴染みですね。抗酸化作用があり、有害な活性酸素から体を守り、免疫力を高めるのにも有効です。
ビタミンCは本来水溶性で熱に弱いのですが、サツマイモの場合、含まれるでんぷん質が膜を作って保護するため、加熱しても比較的壊れないで残っているというメリットがあります。
ビタミンE
過酸化脂質の生成を抑制し、血管を健康に保ち血中のLDLコレステロールの酸化を抑制したりする作用があります。これにも細胞の酸化を防ぐ抗酸化作用があるので、老化を遅らせ肌の健康も保ってくれる効能があります。
ヤラピン
生のサツマイモを切った時ににじみ出てくる白い液体がヤラピンです。
サツマイモ特有の成分で、緩下作用があり、豊富な食物繊維との相乗効果により腸内活動を活発にし、便秘解消に役立つとされています。
クロロゲン酸
発がん性物質のひとつであるニトロソアミンの発生を抑制する効果や、老化の原因とされる活性酸素を取り除いたり、脂肪燃焼・糖分の吸収を遅らせ血糖値の急上昇を防ぐ効果が期待できます。
ビタミンB群
ビタミンB群には、エネルギーの代謝を良くし太りにくくする効果や、脳や神経機能を維持する、髪や爪・粘膜の健康を保つ効果などがあるとされています。
ミネラル類
身体の臓器や組織を円滑に働かせるために必要なミネラルも豊富です。
その中でも、100gあたり400mgほど含まれるカリウムには、体の余分な塩分を外へ排出させる働きがあるため、むくみや血圧低下に効果的です。
脳卒中の予防や骨密度の増加にも関与しているそうです。
グルテンフリー
これは含まれる栄養素ではなく、含まれていないということです。
サツマイモにはグルテンが含まれていないため、グルテンフリーな料理を作る場合の小麦粉代わりの食材としても、注目を集めているそうです。
皮にも栄養がたっぷり!
野菜はできるだけ皮ごと食べよう!という話を聞いたことはありませんか?
サツマイモの皮にも、アンチエイジングや便秘解消に役立つ成分がたっぷり含まれています。
特に前述したヤラピンやポリフェノールであるアントシアニン・クロロゲン酸は、皮あるいは皮に近いところに含まれているので、できるだけ皮ごと調理して食べた方がオトクです。
サツマイモの色によって、増える栄養素
紅・紫品種にはポルフェノールの一種である、アントシアニンが含まれています。
アントシアニンは抗酸化作用があり、眼精疲労予防効果があるといわれています。
黄・オレンジ色にはβ-カロチンが含まれています。色が濃いほど多いそうです。
β-カロチンは体内でビタミンAに変換され、抗酸化作用や生活習慣病予防に期待が持てます。
これがだいたいのサツマイモの栄養成分ですが、いかがだったでしょうか。
炭水化物が多く、太りそうなイメージのサツマイモですが、栄養豊富でヘルシーな食材だと、見直されてきている理由が分かりました。
ただし砂糖を加えたり油で揚げたりするとカロリーは上がっていきますので、全体的に食べる量に注意しながら、上手に毎日の食事に取り入れていきたいですね。