人参は食物繊維など栄養豊富で、カロテンの名前の由来になったほどカロテン量が多い

人参-サラダ 野菜

玉ねぎ・ジャガイモと合わせて家庭常備野菜と呼ばれる人参は、にこぴんの実家にも幼い頃から常に台所にあって、カレーライス・豚汁・煮物・漬物と、いろいろな料理に登場してきました。
にこぴんは嫌いではなかったのですが特に好きでもなかったので、料理の彩りを良くするために入れるんだろうな、ぐらいにしか思っていなかったのですが、健康維持に役立つ栄養素がいろいろ含まれているんですねぇ。

人参はアフガニスタンが原産のセリ科の野菜で、それから東西に分かれて伝わりました。中国を経由し東洋系の細長い人参が日本に伝わったのは16世紀の江戸時代。東洋系の人参は栽培が難しいらしく、明治以降はオレンジ色の西洋系が主流になりました。

赤色の金時にんじん「京人参」は東洋系。人参特有の臭いが強いですが甘みも強く、煮ても形が崩れないので和風料理に重宝されているそうです。栽培量は少なく正月用として晩秋から冬に市場に出回るぐらいです。

金時にんじんの赤はカロテノイド色素のリコピン。紫や黒の人参は、ブルーベリーや赤ワインと同じポリフェノールのアントシアニン。色の違いで成分も少し違ってくるんですね。

オタネニンジン(朝鮮人参)はウコギ科で別の種類です。

ここでは主に市販量の多い五寸ニンジンを中心に書いてみます。

選び方。美味しく育った人参は、肌も滑らかでヒゲの少ないべっぴんさん!

人参

つやがあり色は均一に鮮やか、表面にひび割れが無く滑らかで、あまり先が細くないもの。収穫が遅れるとヒゲ(細かい根)が多くなるので、表面にヒゲが少ないものを選びましょう。
軸の部分が小さく緑色のものが、肉質が柔らかく新鮮だそうです。
葉が付いて売られているものは、新鮮さに自信があるということになるので、葉がピンと元気そうだったら買ってみましょう。その他にも栽培の際、間引きされた葉にんじんというのも売られている時があります。
葉部分もビタミンC・KカロテンビタミンEカリウムなど栄養価が高いので、捨てるのはもったいないですね。
ただ、葉が付いたままにしていると、葉の方に栄養が取られてしまうので、すぐ根と切り離して別々に保存しましょう。

人参は乾燥に弱いので、袋詰めの人参を買う時は袋に水滴が付いていないものを選び、ポリ袋や新聞紙に包み、立てて(育っている時と同じ状態)保存するといいようです。

人参にはカロテン・カリウム・食物繊維が豊富

人参の持つ栄養素として多いのはβ-カロテンカリウム食物繊維です。

β-カロテン

β-カロテン強い抗酸化作用を持つカロテノイドの一種で、体内でにビタミンA変換されます。中くらいの大きさの人参の半本で、1日に必要なビタミンAが摂れぐらい豊富に含まれています。
ビタミンAの主成分のレチノールには、目や皮膚の粘膜を健康に保ち抵抗力を高める働きがあり、肌の健康維持やアンチエイジングにも効果が期待できます。
水に溶けにくく油に溶ける性質を持っているので、熱を加え油で炒めたりする料理で食べるとカロテンの吸収率が上がるそうです。

カリウム

カリウムは体内の余分な塩分を排出する働きがあり、血圧を下げる酵素が増え高血圧の予防・改善に期待が持てます。

食物繊維

人参にはペクチンという食物繊維が多く含まれていて、腸内環境を正常に整え便秘を解消させたり、肥満防止につながるそうです。

他にも、皮膚や粘膜の健康維持を助ける働きのあるビタミンB1、脂質・糖質・たんぱく質を分解しエネルギーに変えるのをサポートするビタミンB2、骨や歯を作るカルシウムリン、血液中のヘモグロビンの構成成分の鉄分なども豊富です。

人参の皮は、売られている時には無くなっている

小売店やスーパーなどで売られている人参は、出荷される際に一度キレイに洗浄されています。その時に本来の皮である薄い膜は取れてしまっているのだそうです。
皮だと思っていた部分は、じつは人参の根の外側だったんですね(・o・)。空気に触れて乾燥して少し固くなっているので、皮のように見えるんですね。

そういえば以前、ちょっと通っていた料理教室の先生が「皮にも栄養があるので、出来るだけ剥かないで料理しましょう」と言っていたような・・・。
皮と思われている外側部分を剥かないで調理すると、煮込んだりした時、味の染み込みが悪かったり、見た目や食感がよくないと感じるなら、無理してまで剥かないで調理することもないとは思うのですが、出来るだけそのまま調理した方が楽だし、栄養もより摂れるし、捨てる部分が減ってゴミも減るような気がします。

人参の煮物

人参が苦手な人は、すりおろして料理に加えてみる

にこぴんの唯一の取り柄は「子供の時から好き嫌いがない」ということで、そのため「苦手な食べ物を努力して食べられるようになった」という経験がないので、あまり強くは言えないのですが。
人参もいろいろ品種改良されて、最近は青臭さを感じない品種が増えてきていますが、味が嫌だとか色が嫌だとか、お子さんが人参を食べてくれなくて頭を悩ませているお母様も多いのではないでしょうか。まずはカレーやミートソースなど味が濃いものにすりおろして混ぜ込んだりすると、色も臭いも違和感なく食べられるのではないかと考えてみたのですが、甘いでしょうか? 味にも深みが出ますし。
人参はいろんな料理に登場してくる食材なので、できれば克服させてあげたいですね。

ただ、人参にはビタミンCを壊すアスコルビナーゼという酵素が含まれているので、他のビタミンCを持つ食材と一緒に、すりおろしたり生で食べる時は注意が必要です。
にこぴんは大根と人参の紅白なますが好きなので、ちょっとえっ!となりましたが、アスコルビナーゼは加熱と酢に弱いらしいので、酢であえるなますは大丈夫らしく、ホッ(^^)としました。
特に体に害があるわけではないみたいですが、せっかく食べるのに栄養が摂れないともったいないので、サラダなど生で食べる時は、酢入りのドレッシングなどをかけるといいですね。

おまけ

日本では、馬の鼻先に人参をぶら下げると、それ食べたさにヤル気を出して走り続けるという、「馬に人参」のイメージが定着していますが、馬は本当に人参が好きなのでしょうか?
人参は馬にとって主食ではなく、頑張ったご褒美としてもらえるオヤツのようなものみたいです。馬は甘いものが好きで、海外では果物や角砂糖をあげるそうですが、日本では馬と人参の産地が北海道や東北が多いので、収穫したけど出荷出来ずに余った、比較的甘い人参を与えていたそうで、人参が好きなのは日本の馬だけのようです。
最初にご褒美としてリンゴをあげていたら、リンゴが好物になったかもしれませんね。

出典・参照させていただいたサイト:
旬の食材百科 人参
にんじんツウ

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