寿司ネタや酢の物、唐揚げやたこ焼きなど、日本の食生活に頻繁に登場するタコ。
世界ではタコを食べる習慣がある国は少ないらしいですが、弥生時代ぐらいの昔からすでに蛸壺を使ってタコを獲って食べていた日本のタコの消費量は、世界一なのだそうです。
イラストや漫画などでキャラクターにもなり小さなお子さんからも愛されていて、ほとんどの日本人に馴染みのあるタコは、ヘルシー食材としても注目されています。
そのタコの持つ栄養や効能について、少し詳しく調べてみました。

日本でよく食べられているタコの種類
店頭に並んでいるタコのほとんどがマダコという種類で、旬が一年に2回あり、主に西日本で水揚げされたものの旬が6~8月。関東のほとんどは冬。濃厚な味と引き締まった身で、コリコリとした歯ごたえがあります。
マダコの国産は全体の1割程度と少なく、現在はモーリタニア・モロッコなどアフリカからの輸入がほとんどなのだそうです。
にこぴんがスーパーで買ったタコもモロッコ産でした。
ミズダコは、主に三陸沿岸以北で水揚げされ、マダコと比べるとかなり大きく、身が柔らかく茹でても硬くなりにくい特徴があります。冬に旬を迎えます。
日本海の能登や有明海で水揚げされるのがマダコの仲間のイイダコ。体が小さくて丸ごと食べられるので、そのまま煮付けなどに調理されることが多いようで、卵を抱える冬が美味しいそうです。
ヤナギダコは、太平洋側の北海道から関東で多く水揚げされます。味は少し淡白ですが身が柔らかく、12月~春が旬。
店での選び方のポイント
スーパーなど店頭で売られているのは、茹でた状態のものがほとんど。
茹でたタコは、傷や皮が剥がれているものは避け、足の先までくるりと巻いている弾力のあるものを選びましょう。
生のタコを買う場合は、足が太く眼がキレイなもの、吸盤の吸引力が強いものが活きが良いです。
メスは同じ大きさの吸盤が2列に整然と並んでいて、オスの吸盤は大きくて雑に並んでいます。一般的にメスの方が柔らかいそうです。
生ダコの下処理は胴(頭)をひっくり返し内臓を取り、塩をまぶしてもみ洗いしヌメリを取ります。流水で洗い沸騰したお湯に足からゆっくり鍋に入れ、すぐに食べるときは1分弱、保存する時は2~3分茹でるといいそうです。
タコは高たんぱく質で低カロリー

食感がコリコリと独特で色々な料理に活躍するタコですが、美容や健康維持に役立つ栄養素も豊富です。
たんぱく質
タコにはたんぱく質が豊富です。たんぱく質は三大栄養素の一つで、血液や筋肉・臓器・皮膚など体を構成するために重要な要素です。
タコには脂質がほとんど含まれていないので、高たんぱく質なのに低カロリー。ダイエットに嬉しい食材ですね。
タウリン
アミノ酸の一種であるタウリンも豊富です。疲れが溜まった時に飲む人も多い栄養ドリンクにも含まれている栄養素ですね。
タウリンはコレステロール値や血圧を下げたり、弱った眼の修復や肝機能を高める効果があると言われていて、疲労回復に役立ちます。
ビタミンE
強い抗酸化力を持つビタミンEには血行をよくする働きがあり、肌荒れや冷え性・肩こりの改善なども期待でき、アンチエイジング効果が高い成分です。
ナイアシン
三大栄養素であるたんぱく質・脂質・炭水化物からエネルギーを産生する際に働く酵素を補助する役目があります。皮膚の機能を保持したり、二日酔いの原因物質であるアセトアルデヒドを分解する働きもあります。
その他にも、新陳代謝を良くする亜鉛などミネラル類、ビタミンB2なども含まれています。
効率よく栄養を摂取するには
このように高栄養なのに低カロリーという嬉しい食材ですが、ダイエットのためにタコを食べるのであれば、全体のバランスを考えましょう。
タコは低カロリーでも、料理に合わせる他のモノでカロリーがドン!と上がってしまうこともあるからです。
刺身で食べるのと煮物にしたり唐揚げにするのとではカロリーは違ってきます。
ビタミンEは脂溶性なので、摂取するとしたら油と一緒にカルパッチョなどがオススメ。

タコは加熱すると旨み成分が強くなるので煮込み料理も美味しいです。お店で買ってきた茹でたタコは強く火通ししているそうで硬くなっていますが、再び火を通すと柔らかくなります。
茹でたタコを刺身で食べる時も、軽く湯通しした方が旨みが増すそうです。
タウリンは熱に強いのですが水溶性で、煮たりすると煮汁に溶け出してしまいます。ご飯と一緒に炊く「蛸飯」など、タウリンを逃さず摂れるのでいいですね。
頭に鉢巻を巻いたタコのイラストとかありますが、あの頭に見える部分は実は胴部。「足」も学術書では「腕」と表現されているそうです。
体のほとんどが筋肉なのでたんぱく質が豊富なのですね〜。
そんなわけで、タコは栄養豊富で美味しい食材ですが消化に時間がかかるので、胃腸の調子が良くないときは食べ過ぎないように。そしてよく噛んで食べましょう。よく噛まないと消化が悪くなり、太りやすくなるそうです。
待ち望まれる養殖の成功
昔から日本ではよく食べられてきたタコですが、じつは日本の漁獲量は1970年代から減少を続けていて、現在は半分以上を輸入に頼っています。
おまけに最近の和食ブームで、昔はDevil fish(悪魔の魚)などと忌み嫌い食べてこなかった国の人達にも人気が出てきているので、日本への輸入量も減少傾向にあるのだそうです。
ただ、非常に難しいとされてきたタコの養殖技術が、水産研究所や企業で開発されつつあり、あと一歩のところまできているそうです。
世界での需要が増え買付競争が激しくなっているので、安定供給できるように、少しでも早く養殖技術が実現することを祈りたいですね。
出典・参照させていただいたサイト:
食らぶ市場
食品の効果効能辞典
umito かつては悪魔の魚と呼ばれていたタコ 今では世界の人気食材に