アブラナ(菜花)の栄養と効能。独特のほろ苦さの中にビタミンやミネラルを多く含む緑黄色野菜

菜花-ハマグリ 野菜

観賞用として栽培されている花畑もあり、小さくて可愛らしい黄色い花・菜の花が咲き始めると、春が近づいてきたな~と感じます。

菜の花などの蕾(つぼみ)や茎・若葉は「菜花」と呼ばれ、昔から春を告げる食材として食べられてきました。
独特のほろ苦さを持つ菜花には、紅菜苔・菜心・アスパラ菜・京野菜花菜など様々な種類があります。
旬はだいたい2~3月ですが、春を運ぶ食材を使った料理を提供する料亭などの需要にあわせ、12月頃から出荷される京野菜・寒咲花菜という品種もあります。
菜花の中でもセイヨウアブラナという種は、日本でよく使われている食用油、菜種油やキャノーラ油になっているので、けっこうお馴染みですね。

「春の訪れを告げる野菜」というだけではなく、緑黄色野菜として食材としての菜花も、ビタミンやミネラルが豊富な、アンチエイジングや美容にも効果的な栄養素をいっぱい持っている野菜ということで、注目されるようになってきました。

そこで今回、菜花の栄養効果や選び方・保存方法などを紹介したいと思います。

たんぱく質・ビタミン・ミネラルを含む緑黄色野菜

菜花-パスタ-アサリ

カロリーは100gあたり約33kcal。

良質なたんぱく質食物繊維ビタミンミネラルが豊富に含まれています。
ビタミンとしてはβ-カロテンビタミンCビタミンKビオチン(ビタミンB7)葉酸(ビタミンB9)、ミネラルはカリウムカルシウムリンなどが豊富です。

β-カロテン

β-カロテンは、体の中で必要に応じてビタミンAに変換されます。強い抗酸化作用を持つ成分で、不必要な活性酸素を除去しながら免疫力を高めてくれます。

ビタミンC

ビタミンCにも強い抗酸化作用があり、シミ・シワの予防など美容にも効果が期待されています。
菜花に含まれるビタミンCの量は野菜の中でもトップクラスに入るのだそうです。

カルシウム

骨や歯の形成に大事な成分であるカルシウムも豊富で、カルシウムの含有量が多いとされているほうれん草の約3倍含まれているそうです。

アブラナ科にしか含まれないイソチオシアネート

辛味成分のイソチオシアネートは、唯一アブラナ科の野菜にしか含まれていません。
大根やワサビなどにも含まれていますが、菜花にはイソチオシアネートの前駆体グルコシノレートがアブラナ科の中でも含有量が多いのだそうです。

イソチオシアネートは血をサラサラにし血栓予防や血行不良を改善する働きがあると言われています。
血の流れがスムーズになると、菜花に含まれる葉酸や鉄との相乗効果で、肩こりや頭痛、冷え性の症状の緩和が期待できます。
また、抗癌作用もあるのではないかと研究が進んでいるそうです。

ケンフェロール

苦味成分であるケンフェロールは、ポリフェノールの一種で抗酸化作用が認められています。
体内のエネルギー代謝を促し、脂肪燃焼をサポートすることで、ダイエット効果が期待できます。
臓器の働きを活発にし免疫力を高めてくれるので、風邪予防や疲労回復にも期待がもてます。

蕾の部分に栄養がギュッと詰まっている

一般的に花蕾部分には、これから花を咲かせるための、その植物の持つ栄養がギュッと詰まっていると言われています。
上記のような栄養素がたくさん詰まった蕾が食べられる菜花は、健康維持や美容に役立つ栄養が効率的に摂れる食材として注目が集まっているのだそうです。

茎は甘くて美味しいのだけど、蕾部分は苦いから〜と捨ててしまうのはもったいない話です。
菜花を食べる際は、蕾も捨てずに丸ごと摂取するようにしましょう。

選び方・保存方法

菜花

なるべく花の咲いていない、蕾は硬く開く前のもの。茎や葉の色がシャキッと鮮やかで、切り口が茶色く変色していない、みずみずしいものを選びましょう。

保存方法は、むき出しのままだとすぐ乾燥してしなびれてしまうので、出来れば購入した日に調理して食べた方がいいのですが・・・。
無理な時は、束ねているテープを外し、1本ずつ軽くさばきます。それを湿らせたキッチンペーパーや新聞紙で包み、袋に入れ冷蔵庫の野菜室へ。
根に近い方を下にし育っている時と同じ状態で立てて入れて置くと、持ちがよいようです。2~3日保存できます。

冷凍保存

冷凍保存する場合は、下茹で(下記の茹で方参照)してからにしましょう。
かために下茹でしたら、使う分ずつ小分けにして保存します。使う時は自然解凍で。

基本の茹で方

菜花-からし和え

菜花は葉は柔らかいですが茎は硬いので、まず葉と茎部分を切り分けましょう。

鍋で菜花が十分に浸かる量のお湯を沸かします。その熱湯に軽く塩を入れ、まず茎部分を入れます。茎が少し柔らかくなったら葉部分を入れ30秒ほどでザルにあげ、冷水をはったボウルに移し熱を取ります。その後水気を絞ります。
あまり長い時間茹でると、食感がグニャっとなるし、水溶性のビタミンCなどが流れ出てしまうので、ここは素早くやりましょう。

そのままお浸しやカラシ和えに。
パスタや炒め物に入れる場合は、硬い茎だけ下茹でして、葉部分と共に最後に絡め合わせます。油と一緒に炒めることでβ-カロテンの吸収がよくなります。
天ぷらや蒸し物にする場合は、下茹でしないでそのまま熱した油で揚げたり蒸したりするとよいでしょう。

食べる時は、細胞が細かく壊れた方が栄養の吸収率が良くなるので、よく噛んで食べるようにしましょう。

まとめ

菜の花の小さくて可愛らしい黄色い花は、見ているだけでも春を感じ明るい気持ちになりますが、見てるだけではもったいないほどの豊富な栄養素を含んでいます。
独特のほろ苦さが美味しい緑黄色野菜の菜花。
色々な料理で食べることで、身体も明日への希望に続く春の訪れを感じることができるでしょう。

菜の花-桜
大根の栄養。消化酵素が胃腸にやさしく、胃もたれや二日酔いの時にも
大根にはアミラーゼ、オキシターゼなどの消化酵素が豊富に含まれています。アミラーゼはデンプンを分解する酵素で、消化を助け胃腸の調子を整え胸やけや胃もたれを防いでくれます。オキシターゼは解毒作用に優れた成分。ガン予防に有効といわれています。

出典・参照させていただいたサイト
料理のギモン!?-たべものニュース-
名阪食品-菜の花のからし和え

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