鰹の栄養と効能。高タンパク質で鉄分豊富。初ガツオと戻りガツオでは何が違う?

鰹のタタキ-ニンニク 魚介類

スズキ目サバ科に属する鰹は、成長すると1mを超える大型の回遊魚。
ただし漁獲されるのは、40~60cm程のものがほとんどだそうです。
19~23℃の比較的暖かい海を好み、熱帯・温帯海域に広く分布していています。

日本近海ではエサであるイワシの群れを追って、黒潮などに乗り南西諸島を経て、2月中旬頃九州南部、3月には四国沖を通り北上していきます。その4~6月頃に獲れる鰹のことを「初ガツオ」と呼んでいます。

それからどんどん、体に脂肪を蓄えながら親潮とぶつかる三陸海岸沖あたりまで北上していき、水温が下がり始める9月頃よりUターンし南下します。南下している秋に獲れる鰹は「戻りガツオ」と呼ばれています。

鰹が秋に向かって体に脂肪を蓄えるのは、冷たい海水の中でも泳げるように準備しているからだそうです。
初ガツオは脂肪が少なく身が締まっていてあっさりとした味わい。戻りガツオは脂が乗っていて「とろかつお」とも言われるほど濃厚な味になります。

初ガツオより戻りガツオのカロリーが高いのは脂肪量の差

鰹-全身

初ガツオは100gあたり114kcal、脂質0.5g。
戻りガツオは100gあたり165kcal、脂質6.2g。
日本食品標準成分表(七訂)

他の栄養素にはほとんど差がありませんが、戻りガツオの方がカロリーが高いのは脂質が増えるためです。初ガツオより10倍ぐらい増えていますね。
「じゃあ、秋の鰹ってダイエットの敵?!」と思われる人もいるかもしれませんが、鰹の脂質はオメガ3系のEPADHAが多く、健康維持にも役立つ摂った方がいい脂質なのです。

鰹はタンパク質をはじめ、ビタミンDビタミンB群(B1・B2・ナイアシン・B6・B12・葉酸・パントテン酸)、ミネラルもナトリウムカリウムカルシウムマグネシウムリン鉄分と、たくさんの栄養を持っています。

魚類の中でも高タンパク質

鰹-刺身

鰹のタンパク質は、100gあたり25.8gと魚類の中でもトップクラス。

タンパク質は人間の体にとっても重要な成分で、タンパク質を摂取すると、体の中で小さなアミノ酸に分解されて吸収され、エネルギーとして使われたり、筋肉や臓器・皮膚・髪・爪などを作り体を構成したり、酵素やホルモンなどの体の機能を調節したり、免疫機能を高め抵抗力をつけるといった大事な働きをします。

人間の体に必要なアミノ酸は20種類。その中で11種類は体の中で合成できるのですが、9種類は出来ないため、食事から摂取する必要があり「必須アミノ酸」と呼ばれています。
鰹にはその必須アミノ酸9種類が全て含まれているので、良質なタンパク質なのだそうです。

鰹は運動量の多い回遊魚のため、ミオグロビンという鉄を含む色素タンパク質が多く、これは運動などにより筋肉中の酸素濃度が低下した場合にも対応できるように、酸素を蓄える働きがあります。

アンセリンというアミノ酸も筋肉に含まれており、激しい運動により酸性化するのを抑える働きがあると考えられています。それにより疲労回復効果や、尿酸値を降下させる作用があることが研究により判明しています。

赤い血合い肉の部分に栄養が豊富

血合いとは、背身と腹身の間にある赤色筋繊維という細胞が固まった部分で、鰹やマグロなどいわゆる赤身魚にその割合が多く血合い肉と呼ばれています。
臭みが強い部分なので苦手な人も多いかもしれませんが、じつはここに鉄分やビタミンA・D・B群、タウリン、EPA・DHA、ミオグロビン、アンセリンと、栄養が豊富に含まれているそうです。

代謝に欠かせないビタミンB群が多い

ビタミンB群は、摂取した炭水化物・タンパク質・脂質の三大栄養素からエネルギーを産生する過程で補酵素として、代謝をスムーズに行うために必要なビタミン。
どんなに多く炭水化物・タンパク質・脂質を摂っても、ビタミンB群が無いと、エネルギーに代謝されません。
それぞれ助け合いながら、脳や神経の働きを正常に保ったり、造血や細胞・筋肉・皮膚の新生など、体の健康を支えています。

特に鰹に多く含まれるビタミンB6は、タンパク質の代謝に欠かせない栄養素です。体内でタンパク質がアミノ酸に分解され、人間の体に必要なタンパク質に再合成されるのをサポートしています。

糖質や脂質の代謝の補酵素であるビタミンB2も含まれ、ビタミンB6と一緒に摂れるので、丈夫な歯や爪などを作ったりと成長を促進し、皮膚や粘膜の健康を保つことができます。

ビタミンB群が不足すると、疲れやすくなり、肩こり・腰痛、肌荒れなど、憂鬱な症状が現れます。
いろいろなビタミンB群が効率よく摂れるという点でも、鰹はめぐまれた食材といえそうです。

ヘム鉄の鉄分で貧血予防

100あたり1.9mg含まれている鉄分は、血液中の赤血球の一部であるヘモグロビンの材料になる栄養素。鰹の鉄分はヘム鉄です。ヘム鉄は野菜や海藻に含まれる非ヘム鉄と比べ、溶けやすく吸収率が高いのが特徴です。

赤血球の一部であるヘモグロビンの生成を助けるビタミンB12葉酸も含まれているので、より吸収率が高くなり、貧血予防に役立ちます。
またビタミンB12には、脳からの指令を送る神経を正常に保つという働きもあります。

骨や歯を形成するのに必要なビタミンD

体内でカルシウムを吸収するのをサポートをするビタミンDも多く含まれていて、健康な骨や歯の形成に、骨粗鬆症対策としても期待が持てる成分です。

血流を良くするEPA・DHA

前述したように、初ガツオより戻りガツオの方が脂肪量は増えますが、鰹の脂肪はオメガ3系のEPA・DHAが多いです。

EPAは、人の体内では作ることができない必須脂肪酸。血液をサラサラにし、中性脂肪や悪玉コレステロールを減らす効果に期待が持てます。
EPAに一緒に付いてくるDHAは、EPAが通ることが出来ない血液脳関門から脳に入ることが可能なので、海馬へ酸素と栄養を届けることができるため、脳神経を活発にし、記憶力の向上などに働くとされています。

疲労回復にタウリン

栄養ドリンクなどにも入っていて「疲労回復にタウリン!」とよく耳にするタウリンはアミノ酸の一種で、鰹の血合い肉の部分にも多く含まれています。
筋肉細胞へのダメージや酸化ストレスを軽減する効果、運動時の脂肪燃焼効果、肝機能を高める、高血圧予防効果などが確認されています。

鰹-南蛮漬け-パプリカ

美味しい鰹の選び方

今は急速冷凍技術が発達して漁獲されるとすぐ冷凍されるものがほとんどなので、スーパーなどで購入する場合、ほとんどが解凍されたものを切り身にしたものだとは思いますが、元々鮮度が落ちやすい魚。
身の色が鮮明な赤色をしているものを選びましょう。時間が経つと鮮度が落ち黒っぽい色になっていきます。
刺身や鰹のタタキであれば、食べたい日に購入するのが一番。

しかし、食べきれなくて残ってしまったり、生臭さが嫌いだったり、時には違うアレンジで食べたいということもあるかと思います。
湯引きして醤油などで作ったタレに漬け込んだり、煮たり焼いたり加熱すると、臭みがなくなるのは良いのですが、身がパサパサになってしまうという難点もあります。これは水分と脂分が少なくなってしまうからです。
タレに2~3時間漬け込んでから焼いたり、鰹に油を塗ってから焼いたり、上手く調理するとパサパサしないで美味しくできるそうです。

栄養面から見ると、鰹にはビタミンB群など水溶性の栄養分も多く、水に流れ出てしまうため、茹でる場合などは、短い時間でサッと行う方がいいようです。煮込み料理などでは汁までいただくのがオススメです。

鰹には薬味をたっぷり添えて

鰹のタタキ-薬味

鰹の刺身やタタキなどを食べると生臭さを感じる人が多いので、その臭みを解消するためにショウガやネギ・ニンニク・大葉・ワサビなどの薬味を添えるのが定番です。にこぴんも「明日臭わないかしら?」と心配になるほどニンニクを付けて食べてますね~。

薬味には、一緒に食べると臭い消し以外にも効能があるらしく、たとえば鰹に足らないビタミンCなどの栄養素を補ってくれます。
他にも抗菌作用や肝臓の解毒、疲労回復、基礎代謝を上げる、美肌作りなどにも役立つので、鰹を食べる時は薬味もたっぷりいただくようにするとよいですね。

初ガツオと戻りガツオには脂肪量に差はありますが、鰹は基本的には高タンパク質・低カロリー・低糖質な食材なので、筋肉増強や疲労回復、貧血予防、アンチエイジングにも貢献する嬉しい食材といえます。

血合い肉以外にも食べる部位が

鰹-腹皮-珍子

鰹というと鰹節が有名ですね。
鰹節は、冷凍も冷蔵も出来ない昔から「せっかく獲ったのに傷みの早いこのリッパな魚を、なんとか保存できないものか」と試行錯誤されてきて、やっと生み出された保存方法の一つなのでしょうね。
鰹節を製造する地域では、製造の過程で取り除かれた頭の部分や腹皮・珍子(心臓)なども焼いたり煮付けにして食べられています。
腸や内臓の部分も塩辛「酒盗」になり、ご飯やお酒のお供になっていますね。
なんだかんだ考えてみれば、春秋だけでなく、一年中食べている食材なんですねぇ。

出典・参照させていただいたサイト:
旬の食材百科 カツオ
macaroni かつお
kikkoman あたらしいWA!をつくろう。旬のかつお
グルメノート カツオの栄養

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