梅実の栄養と効能。昔から「三毒を断つ」と食べられてきた梅はアルカリ性食品

梅の実 果物 ナッツ

まだ厚手のコートにマフラーをし、びゅーびゅー吹く北風に耐え肩をすくめながら歩いている2月頃、ふわりとした良い香りが鼻をかすめ、少し上を見上げると、赤や白い花を咲かせている梅の花。もうひと頑張りすると春が来るんだな、と思わせてくれます。
それから季節は次第に暖かさを増し、6月の梅雨時に、その花が実になります。
「つゆ」を「梅雨」と書くのは、梅の実の成長にとって恵みの雨だから、とも言われています。
厳密には、花を楽しむ観賞用に品種改良された花梅と、加工して実を食べる実梅に分けられますが、実梅の花も綺麗です。

バラ科植物である梅の未熟な実には青酸配糖体の「アミグダリン」という物質が含まれており。生のまま食べると、吐き気や下痢、また中毒を起こし、最悪の場合死に至ることがありますが、加工されるとアミグダリンは分解されるので中毒の心配はありません。
枝に実ったまま完全に熟しきると毒は消え生でも食べられるようですが、管理人・にこぴんは食べたことがなく、また「食べた」という人の話も聞いたことがないので、酸味が強くあまり美味しいものではないのかもしれません。

弥生時代にはすでに梅の木はあったという説や、遣唐使により伝えられたという説などありますが、どちらにしても日本でも大昔から愛されてきた樹木です。
平安時代頃には梅干しの原型いえる「梅の塩漬け」が書物に見られるようで、保存食、あるいは食中毒や伝染病予防の食薬として食べられてきたようです。

梅は「三毒を断つ」と言われていますね。三毒とは「水毒・食毒・血毒」のことです。
「水毒」は体内の水分の汚れのこと、「食毒」は暴飲暴食など乱れた食生活で体内のバランスが崩れた状態で、「血毒」は血液が汚れている状態です。
そのような体の様々な良くない状態を改善する効能が梅にはあると、昔から考えられてきたようです。

生では食しませんが、梅干しをはじめ、梅酒や梅シロップ・ジャム・梅肉エキスなど色々なものに加工され、現代でもひんぱんに食卓に出てくる梅の実。
今回は健康効果が高いことで知られる梅実の栄養効果について調べてみました。

生の梅実のカロリーや含まれる栄養素

木になる梅実

生青梅(可食部)100gあたり28kcal。
タンパク質0.7g、脂質0.5g、炭水化物7.9g、食物繊維2.5gです。

甘くないので、にこぴんには果物のイメージがなかったのですが、果物なんですねぇ。

ビタミンやミネラルもまんべんなく含まれていますが、果物として比較的多いのは、ビタミンE3.3mg、ミネラル類ではカリウム240mg、カルシウム12mg、マグネシウム8mg、0.6mgでしょうか。
梅干しの印象が強く塩気が多そうですが、生梅のナトリウムは2mgほどで、そんなに含まれていません。
参考:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

ビタミンE

脂溶性ビタミンのひとつで、抗酸化作用があります。体内の細胞膜や血液中のLDLコレステロールの酸化を防ぎ、生活習慣病や老化を予防することが期待できます。

カリウム

カリウムは体内でナトリウムと共に細胞の浸透圧の維持調整を行っているミネラルで、増えすぎたナトリウム(塩分)を体外に排出させ、高くなった血圧を下げたり、むくみ解消に働きます。

鉄は血液中の赤血球をつくっているヘモグロビンの成分で、呼吸で取り込んだ酸素を肺から体の隅々まで運ぶという重要な働きがあります。

カルシウム・マグネシウム

骨や歯の形成に必要な栄養素。他にも神経の興奮を抑えたり、正常な血圧の維持、エネルギー代謝をサポートしています。

梅のあのすっぱい酸味成分のいろいろな効能

梅干し2種

クエン酸やリンゴ酸で疲労回復

梅の酸味成分は有機酸であるクエン酸やリンゴ酸です。青梅にはリンゴ酸が多いですが熟していくとクエン酸が増えていくそうです。

クエン酸には、体内での吸収がされにくいカルシウムなどのミネラル類を吸収されやすい形に変える力(キレート作用)があります。
そのクエン酸は、クエン酸回路という体の中で摂取した糖質などからエネルギーを生み出す代謝の中心的な成分なので、クエン酸回路を活性化させエネルギーを多く生成できるように働くので、疲れにくい体を作ったり疲労回復に役立ちます。

美肌作り、アンチエイジングにも役立つクエン酸

シミやシワが増えたり、肌がくすんだりする原因のひとつが体内の老化です。
クエン酸は新陳代謝を促し老廃物を排出させるので、くすみの解消、シミ・シワ予防など老化防止に期待がもてます。抗酸化作用のあるビタミンEもあるので、相乗効果が期待できます。

除菌・殺菌にもクエン酸

クエン酸には微生物の繁殖を抑える殺菌・除菌効果もあります。昔からおにぎりやお弁当に梅干しを入れるのも、この効果に期待してですね。
食べて体内に入ってからも、胆汁の働きを活発にし菌の増殖を抑える働きがあることから、食中毒の予防にもなります。

酸味が唾液の分泌を促進する

梅干しを見ただけですっぱさを想像し、口の中に唾液が出てきますね。
梅の酸味成分であるクエン酸は、唾液の分泌を促し食欲を増進させます。
分泌が多くなると、唾液の中に含まれているパロチンという若返りのホルモンも出てくるのも嬉しい現象。それだけではなく胃液など消化酵素の分泌も高めるため消化吸収も助けます。

微量に含まれているピクリン酸は肝機能を高め、悪酔いや二日酔い予防作用に期待されますが、さらに腸の働きを活発にして便通の改善にも役立ちます。

梅はアルカリ性食品

ヒトが健康であるためには、体液が弱アルカリ性であることが望ましいそうです。

しかし日常でよく食べているご飯などや肉や魚などの食品の多くが酸性食品です。
体液が酸性に傾くと、血液はドロドロになり流れが悪くなり、筋肉などには乳酸が蓄積され老廃物も溜まり、動脈硬化などの生活習慣病を引き起こしやすい体になってしまいます。
なのでアルカリ性食品を食べて、酸性を中和させる必要があるのだそうです。

梅、とくに梅干しはすっぱいので酸性食品と思われがちですが、じつはアルカリ性食品。

野菜やきのこ・海藻などもアルカリ性食品ですが、牛肉100gを食べた時に酸性を中和するのに、けっこうな量を食べなくてはいけません。ですが梅干しだと、たった1個食べるぐらいで十分!なのだそうです。

梅を加熱した製品にはムメフラールという成分が生成される

梅ジャムや梅肉エキスを作る時加熱しますが、加熱すると梅に含まれる糖とクエン酸が結合し、ムメフラールという成分が作られるそうです。

ムメフラールには、血流を改善し血栓が出来るのを予防する働きがあり、脳梗塞や動脈硬化などを防ぐ効果が期待出来るとされています。

梅エキス

加工に適する梅の選び方

梅酒

一般的に青梅を使いますが、完熟梅でもOK。
傷や変色のない、触った時に果肉が固く引き締まっていて、青々ときれいな色のものを選びましょう。

梅干し

小梅に向いている品種は、竜峡小梅や甲州小梅などで、南高梅などは果肉が多いので向いていないそうです。
小梅の場合はカリカリにしたいので未熟で青い小さいものですが、一般の青梅は皮や実が固くなり失敗が多いのだとか。

好みの食感で、カリッとしたものがよいなら黄色くなりかけの青梅。果肉が軟らかいものなら黄色く完熟してきたものを選びましょう。

甘露煮

完熟したくらいのものが、果肉が軟らかく香りも甘いです。

ジャムやシロップ漬け、梅肉エキス

梅酒と同じようなもので大丈夫です。熟し具合で色や香りが変わってきますので好みで。

梅の実-未熟-完熟

保存方法

購入した、あるいは収穫した青梅は、その後も追熟します。なるべく早く加工するようにしましょう。

梅干しにするために追熟したい場合は、新聞紙などに包んで日陰に置いておくと1~2日で黄色くなるようです。

追熟させる時は水に浸けたり、冷蔵庫には入れないように。低温障害を起こし茶色く変色してしまいます。

加工する前にアク抜きをしよう

梅にはアクがあるので、きれいに洗った後にしばらく水に浸けてアク抜きをしましょう。

小梅は1時間程度、青梅は2~4時間。黄色くなりかけのものは1時間ほど。
完熟梅は、皮や果肉が軟らかくなっているので、逆にアク抜きをすると傷みやすくなるので、やりません。
アクは未熟なものほど多く含まれていて、完熟するとなくなります。

水に浸けている間は、時々様子をみましょう。茶色いシミが出てきたりしている場合は浸け過ぎですので、すぐ水から引き上げます。

ヘタを取り除く

梅の実-ヘタ取り

アク抜きが済んだら水気をキッチンタオルなどで優しく、よく拭き取ります。それから枝に付いていた部分のヘタを竹串などでほじくり取り除きます。
ヘタがついたまま加工してしまうと、出来上がった時に苦味やエグミが出てしまいます。

待つ時間の愉しみ

店で購入しても加工しないとすぐには食べられない梅実。
梅干しは土用干しをしたり手間がかかるので作っていませんが、管理人・にこぴんも毎年梅酒だけは作っています。
梅酒作り自体は、購入・アク取りなどを含めても半日もかからずすぐに出来るのですが、飲めるようになるには、それから早くても3ヶ月以上はかかりますね。
でも、透明だった焼酎が少しづつ琥珀色に変わっていくのを眺めながら、飲める日を待つ時間も、なんだか豊かな時間ですよね。
ご自宅で梅を栽培している人は、冬は花を楽しみ、初夏は梅干しや梅酒作りと、ずっと愉しめて羨ましい限りです。
今年は、ムメフラール効果に期待して、梅ジャムも作ってみようかな〜♪。

梅酒-1年2年

出典・参照させていただいたサイト:
一般財団法人 梅研究会
紀州梅効能研究会
旬の食材百科 ウメ
びんちょうたんコム こんなにあるの?梅の効能

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