アスパラガスの栄養と効能。ビタミン類が豊富で、疲労回復に役立つ栄養素も

アスパラガス-豚肉-レモン 野菜

日頃よく食べているのに、それがその植物のどの部分を食べているかを知らないものってありますよね。
管理人・にこぴんもアスパラガス大好きなのに、今まで考えたことがありませんでした。

他の野菜と様子が違うアスパラガス。これは茎なのか、穂先の部分はこれから成長するのか、それとも花が咲くのか・・。
アスパラガスに含まれる栄養を調べるついでに、この際なので、生態についても調べてみることにしました。

春になり暖かくなると、寒い冬を越し元気に芽を出す野菜がありますね。アスパラガスも土から出てきた若芽を食べる野菜の一つなのだそうです。
3月~4月頃に種をまき、1年目と2年目は収穫せずに株を成長させ、栄養を蓄えた貯蔵根を作り、3年目の春に出た芽から収穫を始めます。その後は10年ほど収穫が可能だそうです。
時間と手間がかかるんですねぇ。

国内での生産量はダントツに北海道が多く、長野県・佐賀県・熊本県・長崎県と続きます。
今では海外からの輸入品も増え一年中購入できる食材ですが、やはり、みずみずしさやシャキッとした食感の美味しさは旬に採れたものが一番ですね。

今回は、アスパラガスの種類や含まれる栄養とその効能、買い物の際の選び方などをご紹介します。

アスパラガスの種類

アスパラガス-3種類

グリーンアスパラガス

一般的にアスパラガスというとこの種類。
きれいな緑色の茎に三角形のはかまがいくつかあります。やや青臭いですが、甘味もあり、みずみずしくシャキッとした食感が特徴です。
芽が出てから日光によく当てられ、長さが25cm程度になると収穫されます。

ホワイトアスパラガス

グリーンアスパラガスと種類は同じなのですが、育て方が違います。
芽が出ると土をかぶせ日光に当てないようにし、茎から穂先まで白色で育てられます。
青臭さが少なく独特の甘味があり、香りが良くまろやかな口当たりのアスパラガスです。

ヨーロッパなどではこちらの方が好まれ、アスパラガスというとホワイトアスパラガスになるそうです。
缶詰や瓶詰めのものも売られていますが、日本では栽培に手間がかかるため、生のホワイトアスパラガスは栽培量が少なく、少し値段が高いです。

ミニアスパラガス

グリーンアスパラガスをまだ若い10cmほどに成長した時に収穫したもの。
グリーンアスパラガスよりも柔らかく調理がしやすいため、面倒臭がり屋のにこぴんはこちらをよく買うような気がします(笑)。
主な産地はタイやフィリピン、日本でも九州などの暖かい地域で生産されていて、一年中スーパーなどで見かけますね。

パープルアスパラガス

茎から穂先まで紫色をしています。紫色はアントシアニンという色素ポリフェノールによるものですが、収穫のタイミングを逃すとグリーンになってしまうため、栽培が難しく、生産量も少ないので少し高価なものになるそうです。

香りがよく甘味が強く柔らかいので、新鮮なものは生食も可能。サラダなどにすると料理が華やかになりますね。
逆に加熱しすぎると、きれいな紫色がグリーンに変色してしまうそうなので、茹で過ぎ注意です。茹でる際は酢を少し入れると変色を防げるそうです。

アスパラガスのカロリーと含まれる栄養

アスパラガス-おひたし

ここではグリーンアスパラガスを中心に紹介します。

100g(1本約25g)あたりのカロリーは22kcal。
水分92.6gで、タンパク質2.6g、炭水化物3.9g、脂質0.2gとあまり多くありません。

しかしグリーンアスパラガスは緑黄色野菜になるので、β-カロテン(ビタミンA)ビタミンB群ビタミンCビタミンEビタミンKなどのビタミン類は多いです。
そして、アスパラギン酸ルチンなど、疲労回復やアンチエイジングにも有効な成分を含んでいます。
参考:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

抗酸化作用をもつビタミンACE(エース)

体内でビタミンAに変わるβ-カロテンとビタミンC・ビタミンEは3つ合わせてビタミンACE(エース)と呼ばれ、抗酸化作用をもつ栄養成分です。
身体の酸化を防ぐ働きがあるので、美肌効果やアンチエイジングにも期待がもてます。

また、出血した時に止血に関与したり骨の健康維持にも必要なビタミンKや、ビタミンB12とともに赤血球の生産を助け、細胞の生産や再生を助けるビタミンB群の葉酸なども多く含まれています。

疲労回復に役立つアスパラギン酸

アミノ酸の一種のアスパラギン酸は、名前からもわかるようにアスパラガスから発見された成分で、豊富に含まれています。

アスパラギン酸には、エネルギー生成に必要なカリウムやカルシウムなどのミネラルを体内に取り込むのを助ける役目があるので、アスパラギン酸を摂ると効率よくエネルギーが生み出され、疲労回復や滋養強壮につながります。
栄養ドリンクの成分としてもおなじみです。

毛細血管を強くするルチン

アスパラガスの穂先に多く含まれる、ポリフェノールのフラボノイド系に属するルチンという成分は、毛細血管を強くする作用があるので、動脈硬化や脳卒中・脳血管障害などの生活習慣病予防に効果が期待できるといわれています。

また、ビタミンCの吸収を促し共に抗酸化作用があるので、筋肉の分解を防ぎ、酸化しにくい体づくりにも貢献。アンチエイジングにも期待がもてます。

胃腸の粘膜を正常に保つビタミンU(キャベジン)

ビタミンUは別名キャベジンとも呼ばれ、キャベツから発見されたビタミンに似た働きをする「ビタミン様物質ですが、アスパラガスにも含まれています。
過剰な胃酸の分泌を抑えたり胃腸の粘膜を正常に整える働きがあり、胃もたれや胃潰瘍・十二指腸潰瘍の予防につながります。
キャベジンは胃腸薬としても使用されていますね。

出血した時に止血するのを助けるビタミンKも含まれているので、潰瘍による出血を緩和するという相乗効果も期待ができます。

グリーンアスパラガスの選び方

アスパラガス-幼芽-2

全体に濃い緑色で、みずみずしくハリのあるもの。茎が太く穂先までまっすぐ伸び穂先が固く締まっているものが新鮮です。
切り口が茶色く乾燥していたり、筋ばっているものは繊維が固くなっています。

保存方法

アスパラガスは乾燥しやすく、乾燥すると筋っぽい食感になってしまうので、水分を失わないように保存することが大事です。

茎の端を少し切り落とし、濡れたキッチンペーパーで切り口を包みラップします。穂先を上にして立てた状態で冷蔵庫の野菜室で保存し、1~2日で食べるようにしましょう。

もっと保存しなければならない時は、硬めに茹でてから密閉容器に入れ冷凍保存した方が鮮度が保てるそうです。

アスパラガスの下ごしらえ

手でアスパラガスの根元に近い部分をしならせると自然にポキンと折れるところがあり、ここから下は繊維が固いので、固いのが苦手な方は取り除いておきましょう。

柔らかいアスパラガスはそのままでもよいですが、少し固くなったものは茎に付いている三角のハカマを取り、筋っぽいので根元の方の皮を剥きます。

茹でる時は、根元の方が固いので沸騰した湯に根元部分を先に入れ、それから全体(穂先部分)を入れます。

茹で上がってすぐに食べない場合は、余熱で熱が入りすぎないように冷水にとりますが、アスパラガスにはビタミンB群やビタミンC、カリウム、ルチンなど水溶性で水に流れ出てしまう栄養素が多いので、できるだけ流れ出ないように短時間で行いましょう。

おひたしなどにする場合は、あらかじめ冷蔵庫などで出汁割りを冷やしておいて、冷水ではなくそこに入れて冷ますと、水っぽくならないので良いそうです。

蒸したり電子レンジを使うのもあり

栄養素が流れ出るのを防ぐには、蒸したり電子レンジで加熱するのもオススメです。

レンジでの加熱は、下ごしらえしたアスパラガスにふんわりとラップをかぶせ、1束(約100g)あたり500wなら1分50秒、600wで1分30秒が目安だそうです。

栄養を逃さず食べるには

アスパラガス-パスタ-m

新鮮でみずみずしいアスパラガスはほのかな甘みもあり、加熱しただけでもホクホクとした食感で美味しいですね。

水溶性の栄養成分が多いので、スープなどに入れる時は汁ごといただきましょう。
また、β-カロチンなどは油と組み合わせると吸収率が高まりますし、ビタミンEは脂溶性ですので、マヨネーズやオリーブオイルで和えるのもよいアイデアです。
アスパラガスとベーコン・豚肉を組み合わせた料理も多いですが、豚肉は疲労回復に働くビタミンB1を含んでいるので、美味しいうえに相乗効果が期待できます。
酸味のある酢やレモンなどと一緒にすると色が悪くなりやすいので、和える時は食べる直前がいいようです。

おまけ

アスパラガスは江戸時代に観賞用植物として日本に入ってきたそうですが、アスパラガスを眺めていて何が楽しいのかと今まで思っていました。

アスパラガスは上記したとおり、土から出てきたばっかりの幼芽。そのままにしておくと穂先から茎が伸び1.5mぐらいまで成長するそうです。
そうやって2年ほど育て、栄養を蓄えた貯蔵根を作ります。
こんな可愛らしい花も咲くのだそうです。

アスパラガス-花

出典・参照させていただいたサイト:
from Food アスパラガス
kurashiru アスパラガスの選び方と栄養素
woman excite E・レシピ
KAGOME VEGEDAY アスパラガス
やまむファーム アスパラガスの栽培方法

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