キクラゲの栄養と効能。キノコとしては珍しい、コリコリした食感が楽しい

キクラゲ-肉野菜炒め きのこ

中華料理の炒め物やスープ、とんこつラーメンなどによく入っているキクラゲ。
コリコリとした食感が楽しい食材で、今まであまり含まれる栄養については考えないで食べてきたのですが。。
キノコの種類ということで調べてみたら、意外(?)と栄養が豊富な食材ということを知りましたのでご報告いたします。

キクラゲとは。また、その種類

キクラゲ-倒木

キクラゲはキクラゲ科キクラゲ属の、春から秋にかけて広葉樹の槻などの倒木や枯枝に発生するキノコ。
海のクラゲと食感が似ていて木に発生するキノコということで、キクラゲ(木耳)と呼ばれているそうです。
以前から外国(主に中国)産の乾燥キクラゲが売られていますが、近年では国内でも生産が増えています。

じつは日本でよく食べられているキクラゲには大きく分けて2種類があります。
昔から中華料理の食材として使われているキクラゲ(仮にここでは「黒キクラゲ」と記載します)と、アラゲキクラゲという種類があります。

キクラゲ(黒キクラゲ)

色は表は黒褐色、裏は淡い褐色で細い毛が生え、肉質は薄いのが特徴です。中国産のものが多く乾燥させたものが大半で、比較的安い値段で売られています。
コリコリとした食感で、無味無臭です。

アラゲキクラゲ

黒キクラゲよりやや大きくて肉質が厚く、裏の白っぽい毛が多く毛羽立っています(※裏の表面に白い粉のようなものがあり、よくカビと間違えられることがありますが、胞子です)。
国産のものを含め日本で流通しているキクラゲは、このアラゲキクラゲが多いそうです。
乾燥させたものだけでなく、岐阜県・熊本県・鹿児島県をはじめ各地から、生のものの出荷も増えています。

黒キクラゲよりしっかりとした食感があり、とくに生のものは90%ほどが水分なので、プリプリとした食感で、ほのかにキノコらしい味や香りもあります。
栄養面でも黒キクラゲと比較すると、食物繊維は約1.4倍、ビタミンDは約1.5倍と多く含まれています。
アラゲキクラゲには白いものもありますが、これは突然変異で生まれたそうです。

白キクラゲ

日本ではほとんど乾燥物しか出回っていませんが、白キクラゲというものもあります。
これはシロキクラゲ科シロキクラゲ属に属している、上記のキクラゲとは別の種類です。

アラゲキクラゲにも白いものがあるので、なんだかややこしいですね。

乾燥キクラゲの栄養と効能

乾燥-アラゲキクラゲ

ここではアラゲキクラゲの乾燥物で調べています。

カロリーは100gあたり171kcal(水に戻した場合は35kcal)ほどと低カロリーな食材です。
主に含まれるのは、ビタミンDビタミンB2カリウム鉄分カルシウムマグネシウムリン亜鉛食物繊維などです。
参考:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

食物繊維が豊富

食物繊維が豊富に含まれ、一般的に多いといわれているゴボウの約3倍、他のキノコ類と比べても多い方です。
腸内環境を整える働きが期待でき、便秘の予防だけでなく、さまざまな体の不調改善に役立ちます。
しっかり噛んで食べると満腹感が得られるので、食べ過ぎ予防にもなります。

丈夫な骨形成にカルシウムとリン、そしてビタミンD

乾燥キクラゲに含まれるカルシウムは、キノコ類でトップだそうです。リンも含まれています。
カルシウムとリンは骨や歯の正常な発達に不可欠な成分ですが、ビタミンDが欠乏していると、小腸でのカルシウムとリンの吸収が上手くできず、骨が軟化し細くなり、骨粗しょう症などの病気を発症することもあります。
キクラゲなどのキノコ類にはビタミンDも含まれているので、骨や歯の形成を促す効果が期待できます。

また、含まれるプロビタミンD2とも呼ばれるエルゴステロールは、紫外線と熱によりビタミンDに変換される栄養素で、乾燥させたキクラゲには、生のキクラゲより含まれるビタミンDが増えているそうです。

貧血予防に鉄分補給

血液を作るのに必要なミネラルである鉄分。
欠乏すると、貧血状態になりめまいや頭痛、疲れやすいなどの体の不調を招いてしまいます。
鉄分にはヘム鉄と非ヘム鉄があり、植物性食品であるキクラゲに含まれる鉄分は非ヘム鉄です。
非ヘム鉄はヘム鉄と比べると吸収されにくいのですが、動物性タンパク質や、野菜・果物などに含まれるビタミンCと一緒に摂ると、吸収が高くなるそうす。調理する際、一緒に食べる他の食材にも気をつけると摂取の効率が良くなりますね。

カリウム

浸透圧の調整や体内の余分なナトリウム(塩分)を排出する働きのあるカリウムも含まれていますので、高血圧やむくみ予防などにも期待でき、生活習慣病予防にもなります。

生キクラゲの魅力

アラゲキクラゲ-生

生産地でしかほとんど見かけなかった生キクラゲですが、近年では旬の時期(6月~9月)は一般のスーパーや通販でも売られているので、手に入りやすくなりました。

栄養面では乾燥きくらげと比べるともっと低カロリーですが、ビタミンDやカルシウム・鉄分の量、うま味成分は少なめになります。
ですが、免疫機能向上やコレステロール値を下げる働きが期待できるβ-グルカンや食物繊維のキチンが含まれています。

何しろ約90%が水分の生キクラゲの肉厚でプリプリした食感は、収穫してすぐ出荷される旬の時期だけにしか味わえない、貴重な美味しさです。

キクラゲの下処理

生キクラゲの場合

プリプリした食感が魅力の生キクラゲですが、そのまま水で洗っただけで、刺身やサラダ・酢の物などで食べるのはNG!です。
キノコ類は生のまま食べると、食中毒やアレルギー症状の原因になることがあるので、必ず加熱処理をしてから食べましょう。

まず、根元の固い石突部分がついている場合はカットします。
それから沸騰した湯で30秒ほど茹でザルにあげ、そのまま冷まします。
この下処理は、炒めたり、熱いスープに入れたりする加熱調理の場合は不要です。

乾燥キクラゲの下処理

基本は、ボールや保存容器に乾燥きくらげとたっぷりの水を入れ、蓋やラップをして冷蔵庫で6時間ほど置いて戻します。
水を吸って戻ると7倍ほどに大きく膨らむので、容器は余裕のある大きさのものにしましょう。

そんなに時間がなくて、すぐ戻したい時は、38℃ぐらいのぬるま湯に入れ15分常温に置いて戻すという方法もあります。
ただ時短で戻すと、風味や栄養などが逃げやすくなり弾力もなくなるので、できるだけ水で時間をかけて戻す方がよいです。

ちなみにですが、戻した水には残念ながらうま味成分は出ていないので、出汁には使えないそうです。

キクラゲ-水戻し

キクラゲの保存

冷蔵保存

下処理が終わったら、生キクラゲも水で戻した乾燥キクラゲも、水気をしっかりとペーパータオルなどで拭き取りラップで包んで冷蔵庫の野菜室で保存。
目安は1週間程度です。ヌメリや臭いが出てきたら傷んできている証拠なので食べないように。

しなびれてきた生キクラゲは、保存容器などに水をはり、冷蔵室で一晩浸けて置くと、プリプリとした食感が蘇るそうです。

冷凍保存

生キクラゲも乾燥キクラゲも、下処理をしてから冷凍しましょう。

水気をしっかり拭き取り、使いやすいように小分けして冷凍用フリーザーパックに入れ冷凍します。その時金属製パットに乗せて冷凍させると急速冷凍されるのでオススメです。目安は4ヶ月程度。

サラダや酢の物など加熱しない料理の場合は、3時間ほど冷蔵庫で解凍しますが、炒め物など加熱する料理の時は、そのまま調理可能です。

きくらげとは種類の違う白キクラゲとは

白キクラゲ-乾燥

白キクラゲは花弁のような形をしていて、日本ではほとんど乾燥物しか見かけませんが、水で戻すとゼラチン質で半透明になります。
味にクセがないので、料理はもちろんスイーツなどに使われています。

栄養面では、キクラゲよりもっと低カロリーで水溶性食物繊維が多く、保水力が高いので美容にもよい効果が期待できます。
ビタミンDやビタミンB2も多く含まれ、中国では薬用のキノコとして滋養強壮や美肌効果があるとされていて、あの楊貴妃が好んで食べていたといわれてるのも納得です。
こんな話を聞くと、なんだか美しくなれそうな気がして、つい食べたくなりますね(笑)。

まとめ

コリコリとした食感が楽しいキクラゲ、じつは大好きなんですよね。
今まで食感を楽しむだけで、栄養については考えてこなかったのですが、調べてみるとけっこう栄養のある食材と知って驚いてしまいました。
脂質が少ないうえに低カロリーで、ダイエットにも向いている食材なんですね。

ただ、前述したように食物繊維がゴボウの約3倍という豊富さで、一度にたくさん食べると逆にお腹を壊すということもあるので、そこは注意です。

乾燥キクラゲは長期保存ができ、ほとんど無味無臭なので、いろいろな料理に加えても食べやすいのが魅力です。キクラゲを加えるだけで、中華料理感もかなり出ますしね。
生キクラゲは、乾燥きくらげとはまた違ったプリプリした食感や味や風味があり、旬の時期にはスーパーなどにも出回りますので、見かけたらいつものキノコと同じような料理で、美味しく食べてみたらいかがでしょう。

キクラゲ-豚骨ラーメン

出典・参照させていただいたサイト:
きのこ通信 キクラゲの栄養と驚きの効能まとめ
シンクヘルスブログ きくらげの意外な栄養成分
Wikipedia キクラゲ
ニチレイ ほほえみごはん きくらげの保存
トクバイニュース きくらげの効能とは?

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