ブロッコリーには栄養が豊富ですが、ビタミンCなど水溶性で水に流れ出てしまったり、加熱に弱い栄養素も多く含まれています。
せっかくなら、できるだけ栄養を残して食べたいですよね。
ブロッコリーは花蕾の部分など入り組んだ形状をしていて洗いにくかったり、また茹でる方法もいろいろあり、それぞれポイントがありますので紹介したいと思います。
ブロッコリーの栄養をできるだけ残す洗い方
ブロッコリーを調理しようとしたら、虫やほこりを見つけた経験をした人もおられるのではないでしょうか。
虫がいるのは無農薬や低農薬の証拠でもあり、ブロッコリーにつく虫はアオムシ・コナガ・アブラムシなどで、食べてしまっても体を害するものではないそうですが、だからと気持ちのいいものではありません。
ブロッコリーの栄養を好むのは人間だけでなく虫も同じなんですね。
栽培農家や販売業者も虫に食べられて売り物にならなくては困るわけで、害虫対策として農薬を使うことはありえます。農薬や添加物の使用基準は厳しく定められているので、そんなに心配しなくてもよいそうですが、とはいえ、やはりこれも気持ちいいものではありません。
ブロッコリーにはアクや毒があるわけではないので、生で食べても問題ないそうです。
生で食べると栄養もそのまま摂れるのは良いのですが、加熱しないだけに、なおいっそう虫やホコリや農薬除去のために、洗うことが重要になってきます。
※なお、ブロッコリーの表面に白い粉のようなものが付いていることがあります。これは農薬ではなく、ブロッコリー自身が分泌している水分の蒸発を防ぐためのバリア・ブルームです。流水ですぐ取れますし、洗わないで食べても全然問題ありません。逆に新鮮な証拠なのだそうです。
洗う時に注意することは、ブロッコリーは主に花蕾部分を食べる食材なのに、ゴシゴシ念入りに洗うと蕾が潰れてしまうことや、含まれる栄養素のビタミンCやビタミンB群・カリウムなどは水溶性なので、長時間水に浸していると水に流れ出てしまうことです。
基本は1株丸ごとのまま洗う
- 大きめのボウルに水をはり、大さじ1ほどのお酢を加えます(お酢を加えるだけで、大半の細菌を除去できるそうです)。お酢の代わりに塩や重曹でもよく、重曹を使えば残留農薬も落とせるそうです。その場合、塩・重曹ともに小さじ1を加えます。
- ブロッコリー1株丸ごとを房を下にして水に浸し、そのまま蕾が開いてくるまで20分ほど浸けておきます。
- 茎部分を持ち、水中でブロッコリーを大きく円を描くように振り洗いします。これで蕾の中の小さな虫やほこりなどの汚れを取り除けます。
- 取り出して、軽く流水で洗いましょう。
野菜用の洗剤で洗う
これは他の野菜や果物でも使えますが、パッケージの裏面の用途欄に「野菜・果物・・・」と記載されている台所洗剤で洗うという方法もあります。
ひと昔前は、今よりも多く野菜に虫や汚れや農薬が付いていたので、食べる前にしっかり洗う必要がありました。そのために開発された洗剤なので、野菜を洗っても安全な成分で作られていて、残留した農薬も落とせるそうです。
- 基本と同じようにボウルに水をはり野菜用洗剤を入れ混ぜます。
- 丸ごと房部分を下にして、3~4分つけておき、振り洗いして取り出します。洗剤で洗う時は5分以上放置しないように注意しましょう。
- 洗剤が残っていたら意味ないので、流水でよく洗いましょう。
時間がない時などはお湯で洗う
これも他の野菜でも応用できますが、基本と同じように大きめのボウルに50℃のぬるま湯をはり、丸ごと房部分を下にしてに2~3分浸けておくと、小さな虫や汚れが取り除けるので時短になります。
2~3分経ったらお湯の中で振り洗いして取り出し、軽く流水で洗います。
ぬるま湯で洗うと、鮮度も復活する効果もあるそうです。
もっと時間がない時はカットしてから洗う
時間がなくすぐに調理したい時は、やはり食べやすいように小房にカットしてから洗うのが一番早いです。
その時、ポリ袋やジッパー付き保存袋に水と一緒に入れ振るように洗うと、房部分がバラバラにならないのでオススメです。お酢も入れると除菌もできます。
ただし、カットしてから水にさらすと、ビタミンCなどの水溶性栄養素が多く流れ出てしまうので、30秒程度でササっと洗いましょう。
含まれる栄養をできるだけ逃さない茹で方
ブロッコリーはお湯で茹でることが多いですが、ビタミンCなどの栄養素が流れ出てしまうことから、最近では蒸したり電子レンジの活用も推奨されています。できるだけ栄養を残しながらも、程よい食感や旨みを出す方法を紹介します。
鍋で茹でる場合
- 鍋で湯を沸かし、塩を入れます(ブロッコリー1株あたり水1ℓ、塩小さじ1程度)。塩を入れると色が鮮やかになり、うま味も引き出されるからです。
- 先に、食べやすいようにカットした茎部分を入れ、30秒ほど茹でます。
- 小房を入れ湯が再沸騰したら火を止め、ザルにあげます(柔らかめが好みの場合は少し時間を延ばす)。
- ザルにあげた後は、そのまま冷まします。水に浸けると水っぽくなり、栄養素もますます減りうま味も逃げていきます。急いで冷やしたい時は、水に浸けるのではなく団扇などであおいだり、ビニール袋に入れ袋越しに水をかけましょう。
フライパンで蒸す場合
茹でるより少ないお湯の量で蒸すので、時短にもなり水溶性の栄養素を多く残せます。
- フライパンに1cmくらい水を入れ、カットしたブロッコリーの小房と茎を、できるだけ重ならないように並べます。
- 蓋をして中火にし、沸騰してから2分経ったら火を止めます。蓋をしたまま1~2分(竹串などで刺してみて、好みの固さまで)、余熱で蒸らします。
- ザルに上げて水に浸けずに、そのまま冷まします。
電子レンジでも可能
湯を沸かす手間がないので、蒸すよりももっと時短で水溶性の栄養素を多く残せます。
- カットしたブロッコリーを耐熱ボウルや皿に入れ、大さじ1~2の水をかけ、ふんわりとラップをして、電子レンジ(1株あたり500Wで3分30秒ほど)で加熱します。
- 電子レンジから取り出し、すぐにラップをはずすと硬さが残りやすいので、ラップをしたまま好みの柔らかさまで少し蒸らしてから、ザルに上げます。
ブロッコリーの保存方法
ブロッコリーの主に食べる部分は花蕾部分ですので、常温(20℃)にそのまま置いておくと1日で花が咲き始め黄色くなってきます。黄色いのは花なので食べられますが、花に栄養が取られていくので、食感や味が落ちていきます。
茶色くなったのは、鮮度が落ちて傷んでいます。全体的に茶色いのやヌメリを感じるものは食べない方がいいでしょう。
ブロッコリーは購入したらすぐに調理して食べるのがよいですが、毎日の弁当に入れるためにその都度購入するわけにはいきませんし、他にもいろいろな事情ですぐには食べられなかったりしますね。
鮮度の落ちやすいブロッコリーをできるだけ保存する方法を紹介します。
冷蔵保存
冬が旬のブロッコリーは、冷蔵庫の中でも成長(花が咲く)します。0℃で保存すると3週間保ちますが、野菜室だと1週間しか保たないという研究結果も出ているそうです。
ですので保存する場所は、野菜室(約5~7℃)より冷蔵室(約3~5℃)よりチルド室(約0~2℃)がよいそうです。
丸のまま冷蔵保存する場合
- 茎に葉が付いたままでしたら、葉部分は全て取り、別にしておきます。
- 蕾部分が傷つかないように、湿らせたキッチンペーパーや新聞紙で軽く包みます。
- ラップで覆うかポリ袋に入れ、房部分を上にして立てて保存しましょう(上を切ったペットボトルや牛乳パックを使うと立てやすくなります)。
先に取った葉部分も食べることができますので、こちらも保存しましょう。
保存方法は、小松菜やほうれん草などの葉野菜と同じで、濡らしたキッチンペーパーで葉を包み、保存用のビニール袋に入れ保存します。
小房に分けてからの場合
小房に分けてから保存する場合は、茹で(蒸し)てから保存しましょう。
粗熱が取れてから、タッパーなどの保存容器の下にキッチンペーパーを敷き、その上に入れます。キッチンペーパーを敷いておくと、水分を吸収するので、その分傷むのが遅くなります。
冷凍保存
冷凍すると1ヶ月ほどは保存できます。
冷凍後、サラダやお弁当などに使う場合は、硬めに茹でてから冷凍しましょう。
- カットしたブロッコリーの水気をしっかりと拭き取り、アルミトレイまたはアルミホイルを敷いたバットに1つ1つがくっつかないように並べて冷凍します。
- 固まったらフリーザーパックに入れ、しっかりと空気を抜き冷凍保存したり、使う分ずつ個別にしておくと、使う際に取り出しやすくなります。
解凍すると水っぽくなるので、スープに入れたり炒めたりする場合は凍ったまま調理しましょう。
サラダやお弁当などに使う場合は、熱湯で2~3分茹でるか、電子レンジ500Wで3分30秒ほど加熱します。
または油を引いていないフライパンに凍ったまま入れ、水を大さじ1~2を加えて蓋をして蒸し焼き、蓋を取り水分がなくなるまで1分ほど加熱します。
葉部分は、食べやすい大きさに切り30秒ほど茹でます。水気をしっかり拭き取ってからラップで包み、フリーザーパックに入れて冷凍します。
冷凍は冷蔵よりも長く保存できますが、時間が経つと霜がついたりして、栄養もですが味も食感も徐々に落ちていくので、なるべく早いうちに使い切った方がよいそうです。
市販されている冷凍ブロッコリーには、栄養がほとんど残っている
近年、市販されている野菜も種類が増えていて、冷凍ブロッコリーもコンビニなどでも見かけるようになっています。洗う・カットする・茹でるの下ごしらえも済んでいて、使う分だけ解凍すればいいので便利ですよね。
市販の冷凍ブロッコリーは、ブランチング処理という殺菌や酵素の働きを抑える方法で下茹でされていて、さらに急速冷凍されているので、収穫時に近い状態で鮮度や栄養価が保たれているそうです。
しかも栄養価の高い旬の時期に加工されたものが多いので、時期外れの生のブロッコリーより栄養価が高いこともあるそうです。
ただし常温で自然解凍させると、べちゃっとなったり栄養素が水に流れ出るのは自宅での冷凍と同じです。煮たり焼いたり炒めたり、スープに入れたりする時は、凍ったまま調理に使うと栄養の減少を最小限に抑えられます。
封を開けるまでは栄養も保たれていますが、封を開けてからは、自宅の冷凍庫に入れている間に徐々に栄養価も下がっていきますので、できるだけ早く使い切るようにしましょう。
ブロッコリーなどのアブラナ科のスプラウト(新芽)も、洗う・茹でるという手間もなく、そのままサラダや料理の付け合わせに使える便利な野菜。
しかも栄養価が高いことでどんどん人気も出てきています。
スプラウトとはどのような野菜なのかを下記にまとめてありますので、よかったら併せてお読みください。
出典・参照させていただいたサイト:
ちそう 冷凍ブロッコリー
ニチレイ ほほえみごはん ブロッコリーのゆで方/ゆで時間
ちょこまな ブロッコリーにつく虫や汚れを落とす方法