アサリの栄養と効能。ミネラルやタウリンがたっぷりなアサリの上手な塩抜き方法は?

アサリ-酒蒸し 魚介類

アサリは日本でも、古い貝塚から貝殻が出土するほど昔から食べられてきた馴染み深い二枚貝。
ゴールデンウィークあたりにレジャーを兼ねて、潮干狩りに行く人も多いことでしょう。
この時期のアサリはちょうど旬の時期を迎えているので、だいたい食べ頃になっているそうです♪。

アサリは内湾の干潟(砂泥底)に生息し、砂に潜りながら水管を伸ばし珪藻類や有機物を吸い込み餌としています。
殻の表面の模様は色も柄も千差万別で、同じ模様の個体はないほどです。
アサリは海水温度が20℃前後に産卵するために栄養を溜め込み、身が膨らみ美味しくなります。なので旬の時期は、初夏~6月の頃と9~10月頃になるのだそうです。
一般的に店で売られているものは殻長30~40mm足らずのものが多いですね。

北海道で獲れるアサリはちょっと様子が違います。
全体的に黄褐色をしていて色柄もほとんどなく、殻長も40mm以上ととても大きく「横綱アサリ」と呼ばれています。
海水温度が20℃以上にならないと産卵しないため、北海道などでは旬の時期は年に一度、夏だけになるのだとか。

今回は、美味しいだけじゃない、アンチエイジングにも役立つアサリに含まれる栄養と効能、そして上手な砂抜き方法などを紹介したいと思います。

ミネラル豊富なアサリは、とっても低カロリー

アサリ-味噌汁

アサリ(可食部・生)100gあたりカロリー30kcal。
参考:日本食品標準成分表2015年版(七訂)
アサリ1個(むき身)8gで2kcalということになるので、とっても低カロリーな食材。
糖質・脂質が少なくビタミンやナトリウムカリウムカルシウムマグネシウム亜鉛などのミネラル類を豊富に含んでいるのが特徴で、なかでもビタミンB12の含有量は、貝類の中でもトップクラスなのだそうです。

貧血予防に鉄とビタミンB12

は赤血球のヘモグロビンの構成成分で、ヘモグロビンは肺から取り込んだ酸素を全身に供給する役割があります。
鉄が不足すると酸欠状態になり疲れやすくなり、息切れやめまいなどといった貧血症状が現れます。
ビタミンB12は葉酸とともに骨髄で正常な赤血球をつくり、そのヘモグロビンの生成をサポートします。
アサリには貧血予防に役立つ、鉄・ビタミンB12が豊富に含まれているのです。
またビタミンB12には、脳からの指令を伝える神経を正常に保ったり、肝臓の機能を強化するという役割もあります。

骨粗しょう症予防にカルシウム

アサリには、丈夫な歯や骨の形成に必要なカルシウムも多く含まれています。
カルシウムはヒトの体内で、99%は歯や骨になり存在していますが、残りの1%は筋肉や血液などの体液の中で、筋肉運動や出血を止めるなど、生命の維持活動に働いています。

体液の中のカルシウムが不足すると、骨のカルシウムを使って補おうとします。これが骨がもろくなる骨粗しょう症の原因です。
骨粗しょう症予防には、カルシウムをコツコツ摂取して、日頃から丈夫な骨を作っておくことが大切だそうです。

新陳代謝を促進する亜鉛

必須ミネラルの亜鉛には、細胞分裂や新陳代謝を促す働きがあります。
そのため、お肌や髪、粘膜などを健康に保ち美容に役立ったり、免疫力アップにも期待がもてます。
また、味覚や生殖機能を正常に保つといった役割もあります。

高血圧予防にカリウム

体の中の余分な水分や塩分(ナトリウム)の排出を促す作用があるので、むくみ解消や高血圧予防に効果が期待されます。

動脈硬化などの生活習慣病予防にタウリン

アサリには、タウリンも豊富に含まれています。
タウリンはアミノ酸の一種で、肝臓の働きを活発化させたり、血液中の余分なコレステロールを排出して、血液をサラサラにするなどの働きがあると言われています。
このことから、動脈硬化や高血圧などの生活習慣病予防に効果が期待できます。
疲労回復にも効果があると言われています。

生命維持に欠かせないナトリウム(塩分)

ナトリウム(塩分)の含有量も多いです。
アサリは干潟とはいえ海中に生息している貝なので、当然といえば当然ですね。
最近の食生活は塩分摂りすぎ傾向になっており、悪者扱いされることが多いですが、ヒトの生命維持に欠かせないミネラルの一つです。

料理を作る時、調味料として食塩や醤油などを加えることはよくありますが、アサリ料理の場合は「すでにアサリが塩分を持っている」ということを考えながら調理するといいですね。

クラムチャウダー

うま味成分であるコハク酸の含有量が多い

コハク酸は、アサリや牡蠣などの貝類、未熟な果実、発酵製品に含まれている有機酸系のうま味成分です。

アサリが海中に生息している時は、コハク酸量はあまり多くはないそうです。
アサリは砂に潜りながら水管を外に伸ばし餌や酸素を吸いながら生きていますが、海から離れると呼吸困難になり、体内のグリコーゲンを分解しコハク酸を作って生き延びようとします。
ヒトが激しい運動などをした時に乳酸を作るのと似た様な感じですが、アサリはうま味成分のコハク酸を作るわけです。
獲れたてのアサリのコハク酸が100g中63mgなのに対して、パック詰めのものは98mgに増えていたというデータもあるそうです。
しかし、あんまり長時間外に出したままだと本当に死んでしまうので注意が必要です。

コハク酸には「うま味成分」の他にも効能がある

コハク酸は、ヒトの体内においてもクエン酸回路と呼ばれるエネルギー代謝のサイクルに深く関わっているので、細胞分裂や新陳代謝などに力を貸してくれます。
その結果、肌荒れ改善などの美肌効果、脂肪燃焼促進効果、動脈硬化・高血圧予防などにも期待が持てます。

店でのアサリの選び方

アサリ

貝殻に厚みがあり、模様がハッキリしていて比較的大きなもの。

海水入りで密閉されたパックで売られているもの

パック内の海水の透明度が高いものを選びましょう。白濁しているものは産卵しているか鮮度が落ちている可能性があります。
海水に浮遊物があるのは、そんなに気にしなくてもいいようです。

海水が無くて、ネットやビニール袋に入っているもの

ネットやビニール袋に入れるのは、アサリが口を開かないようにして活動を止めるためなので、しっかり締められているもの。
そして臭いを嗅いで異臭のするものは古くなっていますので避けるようにしましょう。

小分けパックに入れられ、ラッピングされたもの

海水が無くネットなどで締められてもいない状態なので、殻が少し開いていたり汁が出ているものもあるかもしれませんが、そんなに心配しなくていいようです。
気になる場合は、パックをそっと少し揺らしてみて、揺れに反応して小さな泡を出すか口を閉じるなどするのは新鮮な証拠です。
異臭はないか、殻が割れているものはないかなどを確認して、ラッピングに貼られたシールの賞味期限を信じて購入しましょう。

この状態で売られているものは砂抜きなどの処理がされている場合が多いので、買った当日に調理して食べるようにしたほうが無難です。

むき身で売られているもの

身に弾力があり、透明感のあるものを選びましょう。

保存方法

アサリは傷みやすいので、買ったその日に食べるのが一番です。
どうしてもという時は、海水(3%の塩分)に半分浸かったような状態でラップして冷蔵庫に入れておくと数日は保存できるようですが、次第に弱っていきますので、調理する時は活きているか様子を見ましょう。

冷凍保存

買ったその日に食べられないようでしたら、冷蔵より冷凍保存の方がオススメです。

冷凍保存する場合は、後では出来ないので、先に砂抜きをしてからにしましょう。
栄養やうま味をできるだけ残すためには急速に冷凍したした方が良いです。
ステンレスなどのバットに広げ冷凍庫に入れ一気に凍らせます。凍ったら冷凍用フリーザーパックなどに入れ替えておきましょう。

料理に使う時は解凍せず、熱湯にそのまま入れて調理すると美味しく仕上がります。

上手な砂抜き方法

砂抜き自体は難しくないですが、美味しく仕上げるにはコツがあるので紹介します。
スーパーなどで砂抜き処理済みのアサリを買った人も、心配でしたらやったほうがいいです。食べている時ガリっとしたら嫌ですものね。

  1. バットを用意(中網があるバットだと砂が下に落ちるので、アサリがもう一度吸わない)。
  2. 海水程度の塩水(海水が塩分3%なので、500mlの水に塩大さじ1杯ぐらい)を作る。
  3. 表面の汚れを取り除くためアサリをこすり洗いする。
  4. バットにアサリを重ならないように入れる。
  5. 塩水をアサリの頭が少し出るくらい(酸欠しないように)ひたひたに注ぐ。
  6. アルミホイルまたは新聞紙をかぶせ、常温で置いておく。

アルミホイルをかぶせるのは、砂の中の状態を再現するためで、暗くした方が砂を吐きやすくなります。また勢いよく吐き出した水で周囲が汚れるのを防いでくれます。
常温で置くのは、アサリが活発になるのは温度が20℃前後だからです。冷蔵庫に入れると冷えすぎて、うまく砂を吐いてくれなくなります。夏場は20℃を考えて、涼しい場所に置いておきましょう。
鮮度が良ければ、基本的に1~2時間ほどで抜けます。
それで抜けないものは活きが良くない証拠で、そういうのは長時間浸けていても残念ながら抜けないそうです。

7. 砂抜きが終わったらザルにあげ、30分~1時間さらに常温で置いておく。

これは、砂抜きで吸った塩水を吐かせるためと、上記で紹介したうま味成分であるコハク酸を作らせるためです。

アサリの栄養を逃さず美味しく食べるには

アサリ-トマト-パスタ

アサリはアサリ自身がうま味成分や塩分を持っていて、加熱して食べる食材です。
酒蒸しなどは酒を加えて蒸すだけで美味しく仕上がりますね。

加熱した時に出る汁に、うま味成分や栄養素がたっぷり含まれているので、煮汁も一緒に食すると栄養を逃さず摂ることができます。

トマトやブロッコリー・ジャガイモなどのビタミンCを多く含むものは、鉄の吸収率を上げてくれます。
牛乳や乳製品などのタンパク質は鉄やカルシウムの吸収を、キノコ類に含まれるビタミンDはカルシウムの吸収をアップさせます。
お味噌汁やブイヤベース・クラムチャウダーなどのスープ、トマト煮込み・炊き込みご飯などに、酒蒸しにも、これらを加えて料理すると効率的に栄養が摂れますね。

上記で冷凍したアサリは熱湯に入れると紹介しましたが、生のアサリの場合は水の段階から入れ徐々に温めると、うま味が汁によく出て美味しくなります。
しかし、アサリの殻が開いてからも加熱していると身が硬くなってしまうので、殻が開いたらあまり煮過ぎないようにしましょう。
缶詰で売られているアサリもありますが、この汁にもうま味や栄養がたっぷり含まれていますので、捨てずに料理に使うことをオススメします。

アサリ-炊き込みご飯

出典・参照させていただいたサイト:
ココカラクラブ あさりの栄養効果と上手な食べ方
あさりどっとコム あさりの豆知識
旬の食材百科 アサリ:栄養価と効用
和食の旨み コハク酸
Foodie あさりの上手な砂抜き方法

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