黄・オレンジ・赤とカラフルな色で元気をくれるパプリカの栄養は?ピーマンとはどこが違うの?

パプリカ- ピーマン 野菜

黄・オレンジ・赤と色も鮮やかで、料理を華やかに彩ってくれるパプリカ。形がピーマンと似ているけれど、同じ種類なのでしょうか? 栄養的にはどうなの?
そのへんのところを色々調べてみました。

パプリカはピーマンとは品種が違うけど、別の地で育った兄弟みたいなもの

パプリカもピーマンも同じ「ナス科トウガラシ属」の植物で、辛みの無いトウガラシに品種改良されたものなのだそうです。

ピーマンは南アメリカ原産の野菜で、日本には明治時代に入ってきましたが、独特の香りになじめず、あまり普及しませんでした。よく食べられるようになったのは太平洋戦争後。
当時、食料品には経済統制の網がかけられていて、ほとんどの食品が自由に売買できませんでした。でもピーマンはほとんど流通していなくて統制の対象外だったので、そこに目を付けた東京近郊の農家の人が、勝手に作って勝手に売買できたのだそうです。食糧難だったのでピーマンは闇市で飛ぶように売れ、日本中に広まっていったのだそうです。と以前「NHK チコちゃんに叱られる」で紹介されていました(^^)。
主な産地は、茨城・宮崎・高知県です。

一方、パプリカはハンガリーで生まれ、1993年輸入が解禁された以降に日本でも普及し始めました。
国内の主な産地は宮崎・茨城・熊本県ですが、オランダ・韓国・ニュージーランドからの輸入品が多いようです。

ピーマンとパプリカの大きさや味の違い

パプリカとピーマン

ピーマン

パプリカと比べ、実が小さく細長く皮が薄いです。
開花してから成熟前の30日ぐらいで出荷されているので、色は緑色、若さゆえの青臭さと苦味があります。

そこで収穫せず完熟するまで待ったのが、最近増えてきているカラーピーマンです。カラーピーマンは完熟してますので、色も黄や赤で、味も甘くなっています。

他にも、青臭さと苦味を抑えて子供達にも食べやすくしたこどもピーマンフルーツピーマンが品種改良で誕生しています。

パプリカ

ピーマンと比べるとふっくらと大きく肉厚で、完熟しているので甘みと酸味がバランスよく含まれているのが特徴です。

ピーマンやパプリカの選び方

表面にハリがありツヤツヤしていて、色が濃く鮮やかやもの。切り口がみずみずしいのが新鮮で、持った時に重量感を感じるものが水分をたっぷり含んでいます。

ピーマンは、なで肩より肩の張ったもの、ヘタの形が五角形より六角形の方が苦味が少ないそうです。

ピーマン・パプリカに含まれる栄養価

パプリカ-ピーマン-豚肉巻き

ピーマン・パプリカは、ビタミンCβーカロテンビタミンEカリウムカルシウム食物繊維などを豊富に含んでいます。
緑色のピーマンよりパプリカの方が完熟している分、全体的に栄養価が高めになるそうですが、甘さも加わるので糖度も少し高くなります。

ビタミンC・ビタミンP(ビタミン様作用物質)

多く含まれるビタミンCは、疲労回復・免疫機能の強化・体の酸化を防ぐ抗酸化などと働き、体の健康維持に大切な栄養素です。またコラーゲンの生成にも不可欠な栄養素で、メラニン色素の生成を抑えシミ・ソバカスを防いだりする美容効果も期待ができます。

そのビタミンCは熱に弱いのですが、ピーマン・パプリカはビタミンCを熱から守る働きのあるビタミンPを多く含んでいます。果肉もしっかり厚みがあってビタミンCが流れ出すのを防ぐので、加熱した料理でもビタミンCを摂取できます。

βーカロテン

豊富に含まれるβーカロテンは強い抗酸化作用を持つカロテノイドの一種で、体内でビタミンAに変わり、目の働きを助けたり、皮膚や粘膜を正常に保ち抵抗力を高める働きがあるそうです。

ビタミンE

脂溶性ビタミンのビタミンEにも抗酸化作用があり、血管の健康を保ち血行をよくする働きや、細胞の酸化を防ぐため、筋肉疲労や頭痛予防、アンチエイジングにも効果があるといわれています。

カリウム

カリウムには体内の余分な塩分を排出する働きがあり、高血圧の予防・改善、むくみの解消にもつながります。

その他にも鉄やカルシウムなどミネラル分も豊富なので、夏バテ防止にもなるでしょう。

色の違いによる、期待される栄養価

緑のピーマンに含まれるクロロフィルには、血管内に中性脂肪がたまるのを防ぎ、腸の調子を整え老廃物を排出する作用があり、便秘解消に期待が持たれています。

ピーマンのあの苦味や独特の臭いの元は、ポリフェノールの一種のクエルシトンなのだそうですが、これには高血圧抑制や抗うつ作用などの働きがあるそうです。

赤色のパプリカの赤は、赤唐辛子と同じ色素のカプサイシン。血行を良くし新陳代謝を高める作用があります。

黄色のパプリカは、黄色の色素であるカロテノイドの一種・ルティンを含み、抗酸化力を発揮し目の疲労回復に役立つようです。

オレンジ色のパプリカは、ちょうど赤色と黄色の両方の栄養成分を併せ持っていると言われています。

調理をする際のひと工夫

パプリカ-ピーマン

子供の頃は味覚が発達途上なので、体に良いものか悪いものかがまだ判断できません。「酸味=腐っている」「苦味=毒」と本能的に拒否してしまうのが、ピーマンなどを嫌う理由の一つなのだそうです。
なので成長するにつれ、嫌いなものも徐々に食べられるようになる人が多いそうで、大人になると「ピーマンのこの苦味が美味しいんだよな~、なぜ子供の頃は嫌いだったんだろう?」と思っている人もいるはず。

子供が嫌がるものを無理して食べさせる必要もないのですが、子供の味覚に合わせるのもなんだか物足りない。
色彩的に赤・黄・緑があると、料理が美味しそうに見え、食欲をそそられるのも確かですし。

ピーマンは繊維に沿って縦に切ると、苦味成分を抑えられ、サラダなど生で食べる時は細かく輪切りにすると食感が柔らかくなるそうです。
前述した通りピーマン・パプリカには、ビタミンPが含まれているため熱を加えてもビタミンCが壊れません。オリーブオイルなどの油で炒めると、βーカロチンの吸収率もアップしますし、ピーマンは炒めると苦味が抑えられるのでオススメです。

パプリカにはそんな苦味の心配はなく、サラダでもマリネにしても、加熱しても美味しくいただけますね。

マリネなどを作る場合、表面を焼いたり電子レンジで温めたりして薄皮を剥いてから作ると、見栄えだけでなく味の染み込みもよくなるそうです♪。

パプリカの花言葉は、君を忘れない

これは、パプリカの花。なんて清らかな花なんでしょう。

NHK2020応援ソング「パプリカ」。米津玄師氏が書き下ろした楽曲。
米津氏は幼い頃、この花を見ていたのかもしれませんね。

花言葉は、君を忘れない。

「パプリカ 花が咲いたら 晴れた空に種を蒔こう」



出典・参照させていただいたサイト:
KAGOME  VEGEDAY
旬の食材百科
オリーブオイルをひとまわし

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