鶏卵の栄養価は「ほぼ完全な栄養食品」と言われるほど高い。その卵の保存方法や注意すべきこと

卵ご飯 畜産物

茹でてもよし、炒めてもよし、もちろん生でも美味しい。
レシピも豊富でスイーツまで入れると、ほぼ毎日食べているんじゃないかと思う鶏卵ですが、賞味期限切れはいつまで食べられるのか、保存はどうすればいいのか、細かいことはよく知らないことに気づいたので調べてみました。

卵は思っていたより日持ちがよい

卵焼き

卵は加熱して食べることを前提としている国では、賞味期限は2カ月以上となっていて、意外と長いです。

卵に付着しているサルモネラなどの菌での食中毒が心配で、他のほとんどの国では生食を禁止しているのでこの長さですが、現在日本で市販されている卵は、生で食べることを想定して生産されています。
そのため、出荷前に殺菌消毒などの対策がされているので、日本では農林水産省の定めで、卵の賞味期限は生で食べられる期限で表示するようになっています。
賞味期限は季節によって異なり、夏期が産卵後16日以内、春秋期が25日以内、冬季が57日以内とされています。
スーパーなどでは、万が一菌が付いているいることを考慮し、夏場でも安全なパックされてから2週間程度を、年間を通しての賞味期限としていることが多いようです。
この日本の賞味期限は、購入し帰宅したらすぐ冷蔵庫に入れ、冷蔵保存(10℃以下)することを条件に定められているのだそうです。

このように、生で食べる場合を前提にしているので、賞味期限を過ぎた卵でも、加熱した(75℃以上、1分以上)ものであれば、しばらくは問題無く食べられます。ただし、殻を割った後は素早く調理すること、また、ヒビが入っている卵は、賞味期限内でもしっかり加熱して食べるようにしましょう。

火を通した方が長く保存できると思われがちですが、じつは反対で、加熱すると腐りやすくなるそうです。
生のママの状態では、卵白に含まれるリゾチウムという酵素が菌を殺して守ってくれるのですが、熱を加えるとその酵素の働きが無くなるからです。

新鮮な卵の選び方、保存方法

卵を光に透かして見て、明るい部分が小さいほど新鮮な卵らしいですが、バラ売りしている店でしかこの方法は使えないですね。
小売店やスーパなどでは、ほとんどがパックに詰められて売られているので、賞味期限をしっかり見て購入するようにしましょう。

帰ったら、冷蔵庫のドア部分に卵置き場があったりしますが、ドアは開け閉めが多く、殻にヒビが入りやすいですし、温度変化が大きいです。
できれば、冷蔵庫の奥の方に、卵の尖った方を下向きに保存しましょう。殻の尖った方が厚めで強いのと、丸くなっている方には気室があり、丸い方を下にすると気室内の空気と卵黄が触れやすくなり、細菌が入り込む可能性があるからです。
パックは卵の尖った方を下に梱包されていますし、パックから出さないでいると水分も付きにくいので、購入したパックに入ったママの状態で保存するとよいということですね。

スーパーなどで買った卵のパックはシールで閉じられていますが、そのシールは剥がさず、反対の繋がっている方をハサミで切って卵を取り出すようにすると、パックがパカッとせず閉じたまま保存できるのでオススメです♪。

ヒビの入っているモノや、どこかにぶつけて殻が欠けてしまったモノは腐りやすいので、賞味期限内で異臭もなく一見大丈夫そうに見えても、生食は避け、加熱料理で出来るだけ早く食べるようにしましょう。

新鮮な卵は、殻を割る前に振っても全く音がしません。割った時、卵黄と卵白がきっちり分かれ、こんもりと盛り上がったようになっています
管理人としては、そんな新鮮なうちに卵かけご飯で食べたいですねぇ。

ゆで卵を作るのだったら、新鮮な卵より数日たったモノで

ゆで卵

ゆで卵を作って殻を剥いた時、卵白も殻にくっ付いて剥けてしまいボコボコになってしまった経験はありませんか? 
管理人も冷水に浸ける時間が短かったのかしら?とかいろいろ考えていたのですが、ポイントはそこではなかったようです。
そもそも新鮮な卵は、茹でると卵白が卵殻膜に押し付けられて密着されるので、剥きにくいのだそうです。ですので採卵日から5〜7日経過した卵で作る方が剥きやすいそう。

買ってすぐに食べたいという時は、茹でる前に丸い方に画鋲で穴を開けるとか、茹でて冷水に浸けた後、平たい所で手のひらを軽く押し付けコロコロと転がし、まんべんなく殻にひびを入れてから剥いたりすると、新鮮な卵で作ってもけっこうキレイに剥けるそうです。

ゆで卵は熱を通しているので日持ちがしません。ヒビなどが入っていないゆで卵は、冷蔵保存で3〜4日。殻を剥いたモノはその日の内に食べるようにしましょう。

ほぼ完全な栄養食品といわれるほど、栄養素がぎっしり!

生卵1個(M~Lサイズ)で80~100kcal。
参考:文部科学省「日本食品標準成分表 2020年版(八訂)

卵は、ビタミンCと食物繊維を除く、体をつくるのに必要な栄養素がすべて含まれている食材なのだそうです。
ただ、卵黄と卵白では含まれている栄養素が異なり、卵白は大部分がタンパク質なのですが、卵黄にはタンパク質や脂質のほか、ビタミン類・ミネラルなどが豊富。卵の栄養のほとんどが、卵黄に集中しているらしいです。

タンパク質

主成分のタンパク質は、筋肉や血液・骨・皮膚、髪など、体をつくるために欠かせない栄養素。

卵に含まれるタンパク質「アミノ酸スコア」が100という優良なものです。
アミノ酸スコアとは、体内で合成することのできない9種類の必須アミノ酸が、体の必要量に対してどのくらい含まれているかを数値で表したものです。
それが最高点である100の卵は、アミノ酸バランスに優れた質の良いタンパク質を含んでいるということになります。

脂質

体にとって重要なエネルギー源である脂質。
悪玉コレステロール値を低下や動脈硬化予防などにに効果のあるリノール酸オレイン酸レシチンなども含まれています。
レシチンの主成分であるコリンは、ビタミンに似た作用を持つ「ビタミン様物質」です。卵黄に含まれるため、卵黄コリンと呼ばれています。
脳組織の老化防止・活性化を促しアルツハイマーの予防や中性脂肪の量を調整したり、血圧を低下させ高血圧や高コレステロール血症・脂肪肝などの予防・改善に効果が期待できるそうです。

ビタミン

卵にはビタミンCが含まれていないだけで、脂質・タンパク質・糖質の代謝に補酵素として働くビタミンB2B12ビオチン、健康な骨を維持するために欠かせない脂溶性のビタミンD、抗酸化作用で免疫力を高めるビタミンAビタミンEなど、多くのビタミンをバランスよく含んでいます。

ミネラル

カルシウム亜鉛マグネシウムセレンなどのミネラル類も含まれています。
ミネラルは、骨や細胞・血液など、体を構成する材料になるだけでなく、筋肉や神経、ホルモンの働きを調節する重要な役割を担っています。

カラザや薄皮にも栄養が

生卵を割ったときに卵黄のふちにくっついている紐のような塊がカラザです。
このカラザにも、カルシウムやビタミンB1・B2や、免疫力を高める効果があるとされるシアル酸などの栄養が豊富に含まれています。
生卵で食べる時、食感や見た目を気にして取り除く人も多い部分ですが、できれば捨てずにそのまま食べる方がオトクです。

また、茹で卵の殻をむくときに目にする、白身の周りを覆う薄皮のようなものを卵殻膜といいます。
ヒアルロン酸やコラーゲンを含んでいて、アミノ酸の構造が人間の皮膚によく似ているということで、美肌のためのスキンケア用品やサプリメントの原料にも使われていますね。

赤玉と白玉の栄養価は変わらない

卵には殻の色の違いで赤玉と白玉がありますが、これは鶏の種類で色が違うだけで、同じ飼料を食べていれば、栄養的には違いはないのだそうです。

また、卵として店に並んでいる卵のほとんどが無精卵ですが、たまに有精卵も見かけることがあります。
なんだか温めるとヒヨコになる有精卵の方が栄養があるような感じがしますが、これも含まれる栄養素にほとんど違いはないそうです。

食べ方による栄養価の違い

生卵
生で卵で食べると、加熱に弱いビタミンB群などの栄養素が摂取しやすいです。

半熟や温泉卵
消化や栄養の吸収が良くなり、吸収率が96%ぐらいになるのだとか。

茹で卵
中までしっかり火を通した茹で卵は、食中毒の心配がなくて安心です。
また、生卵では卵白に含まれるアビジンにより吸収を妨げられるビオチンという栄養素も摂取できるようになります。
ビオチンはビタミンB群の一種で、体内で糖・アミノ酸・脂質などのエネルギー代謝に関わる補酵素として働き、加えて皮膚や粘膜の維持、爪や髪の健康に深く関わっているとされています。

目玉焼き・卵焼き
脂溶性のビタミンA・D・Eなどは、油と一緒に摂ると吸収率がアップします。調理に油を使う目玉焼きや卵焼きは、これら脂溶性栄養素を効率よく吸収できます。
生卵や茹で卵より消化されにくいので、腹持ちがよいです。

オムライス

殻付きの卵をレンジでチンすると爆発する!

電子レンジはボタン一つで簡単に調理ができる、忙しい時にも助かる便利な家電です。これで卵料理ができたら楽なのですが、使用する際は注意が必要です。

卵を殻付きのままチンすると爆発し、とても危険です。
電子レンジはマイクロ波で食品に含まれる水分を温めます。温められた卵の中の水分が水蒸気になって外に出ようとして殻を破り爆発するのだそうです
では殻を割って中身だけだったら大丈夫かというと、卵の卵黄や卵白も膜に覆われているので、やはり爆発してしまいます。殻を剥いたゆで卵も丸いままだと爆発するそうです。
電子レンジで卵を調理したい場合は、卵黄に数カ所爪楊枝などで穴を開けるか、耐熱容器の中でかき混ぜてから。ゆで卵も半分に切って蒸気の逃げ場を作ってからチンしましょう。
電子レンジで卵料理が簡単にできる器具も市販されているので、それを利用するのもいいかもしれませんね。

卵は野菜などと一緒に食べるのがオススメ!

ほぼ完全栄養食品といわれる栄養豊富な卵ですが、ビタミンCと食物繊維を含みません。
野菜類や果実類・キノコ・豆類など、ビタミンCと食物繊維を含む食材と一緒に摂取するようにすれば、栄養のバランスも良くなり健康的な食生活ができますね。

余談ですが、管理人的には「卵殻膜」がけっこう気になりますね〜(笑)
「卵殻膜美容液」。今度、試してみようかしら‥‥。

出典・参照させていただいたサイト:
ゼクシィ キッチン
一般社団法人 日本養鶏協会
AEON.com

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