シメジの栄養と効能。オルニチンが新陳代謝を促進。肌荒れや二日酔い予防に

シメジ-パスタ きのこ

キノコの旬は秋ですが、今では人工栽培できるブナシメジなどが一年を通して売られていて、食べたい時にいちいち山奥まで採りにいかなくてもよくなりました。
いろいろな料理に合うので、スーパーなどに行くと「とりあえず、ひと袋買っておこうか」となる便利な食材ですね。

スーパーなどでは野菜コーナーに陳列されていますが、キノコ類は野菜ではなくて「」になるそう。

最近よく耳にする「菌活」は「美容や健康維持に役立つ菌を積極的に摂りましょうと」いう「活」ですね。その菌活のキノコ類の中で、シメジにはどういう効能があるのか、まとめてみました。

しめじの種類

しめじにもさまざまな種類があり、特徴が少し違います。

ブナシメジ

ブナシメジ

スーパーなどでよく見かけるシメジですね。人口栽培により生産されているものが多く、比較的安価で手に入りやすいです。
風味や味に癖がないため、和風でも洋風でも幅広く料理に取り入れやすく、きのこ特有の苦味も少ないので、小さなお子さんもあんまり嫌がりません。

一般的なブナシメジはカサが茶色いですが、それを改良し白いものもあります。茶色いブナシメジよりプルッとした歯ごたえで甘味も強くなっていますが、栄養価はあまり変わらないようです。
茶色いブナシメジと同じような調理方法で使えますし、料理に彩りも添えてくれます。

ハタケシメジ

ブナシメジよりカサが大きく、クセはあまりないですが、味は本シメジ寄りです。
シャキッとした歯ごたえで、加熱しても歯ごたえが変わらずボリュームもあるので、煮物や炒め物、天ぷらにすると食べ応えがあります。

本シメジ

生きた木の根に生える根生菌で栽培が難しく、今でも天然ものは市場にほとんど流通していないので、希少価値があります。
ブナシメジよりカサの下が丸くて大きく、軸も太く、大きく膨らんでいるような形をしています。

香り松茸、味しめじという言われるシメジはこの本シメジを指しており、キノコ類に含まれる旨味成分であるグルタミン酸がギュッと凝縮されていて、噛むと旨味とともに香りも楽しむことが出来ます。

最近はバイオ技術の進歩で人口栽培が可能になってきています。

ホンシメジ

シメジに含まれる栄養素

ブナシメジ100gあたりカロリー18kcal。ちなみに本シメジは12kcalと、とても低カロリーです。

タンパク質ビタミンB群(B1・B2・ナイアシン・パントテン酸)ビタミンD、ミネラル類ではカリウムリンセレンモリブデンアミノ酸食物繊維などが栄養素として含まれています。
文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」

主な栄養素の効能を見ていきましょう。

肝臓の働きをサポートするオルニチン

オルニチンは、タンパク質を構成するアミノ酸とは異なり、体中を血液と共に巡る「遊離アミノ酸」と呼ばれる特別なアミノ酸で、体の必要な場所で必要な働きをするそうです。

肝臓は、食べた栄養分を体に必要な成分に換えるという「代謝」や、アルコールや薬剤、不要な老廃物を分解・解毒するという大事な仕事をする臓器ですが、アルコールを大量に飲むと、生成される有害な「アセトアルデヒド」を分解する仕事が追いつかなくなります。
オルニチンは、その肝臓の代謝や解毒の仕事をサポートして、二日酔いの予防に作用します。

成長ホルモンの分泌を促す働きもあり、成長ホルモンが分泌されると、体内のさまざまな器官や細胞が活発に働くようになるため、疲れを溜め込まない元気な体に導いてくれます。
細胞の新陳代謝も上がるので、お肌のターンオーバーも整えられ、肌の乾燥やくすみを防いだり、美肌作りにも貢献し、アンチエイジングにも効果的です。

オルニチンと言えばシジミが有名ですが、きのこにもオルニチンが豊富に含まれ、とくにブナシメジなどシメジ類の含有量は、シジミの5~7倍あるのだそうです。

骨を丈夫にするビタミンD

骨を丈夫にするといえばカルシウムを思い浮かべますが、カルシウムは体内への吸収率が低い栄養素です。その吸収をサポートするのがビタミンD。
カルシウムと一緒にビタミンDを摂ることで骨が丈夫になり、子どもではくる病、大人では骨粗しょう症などの予防にもなります。

また、体内に入ってきたウイルスや細菌などへの過剰な免疫反応を抑制し、必要な免疫機能を促進する「免疫機能を調節する」働きもあることが判明していて、ガンやインフルエンザ、認知症対策にも注目が集まっているのだそうです。

ビタミンDは日光(紫外線)を浴びることでも得ることができますが、近年は、しみ・しわ対策などで日光を避けがちな人が増えていたり、年齢が上がるとますます骨が弱くなりますので、食べ物からも摂取することが大事ですね。

エネルギー代謝を助けるビタミンB群

ビタミンB群の1つであるビタミンB1は、糖質の代謝に関わる補酵素で、疲労回復に働きます。

ビタミンB2は脂質の代謝に関わる補酵素。老化を進行させる過酸化脂質の分解に働き、皮膚や髪・爪を健康にするお手伝いをします。

ナイアシンは糖質・脂質・タンパク質の代謝に関わる補酵素で、皮膚や粘膜の健康維持を助け、血行を促進する効果が期待できます。
飲んだお酒のアルコールを分解する時に働く酵素を助ける補酵素として、二日酔い予防にも働きます。
ナイアシンは熱に強いので、加熱料理でも失われにくいという特徴があります。

血圧の上昇やむくみを予防するカリウム

カリウムには体内に含まれる塩分量が多いと、それを体外に排出する働きがあるため、血圧の上昇を抑えたりむくみ解消に役立ちます。

便秘解消や生活習慣病予防に食物繊維

シメジには、100gあたり不溶性食物繊維が0.5g、水溶性食物繊維が2.5gと、両方の食物繊維が含まれています。

不溶性食物繊維は、水分を吸収し膨らむことで腸壁を刺激し大腸のぜん動運動を活発にし、便通を促進します。
水溶性食物繊維は、胃腸内をゆっくり進むので、腹持ちがよく食べ過ぎを防いでくれます。
糖質の吸収をゆるやかにするので、コレステロールや食後の急激な血糖値の上昇を抑える働きが期待されており、糖尿病や動脈硬化などの生活習慣病予防に期待がもてます。
腸内で善玉菌のエサとなり善玉菌を増やすので、整腸効果も期待できます。

また、きのこ類に多く含まれるβグルカンという食物繊維は、腸内の免疫細胞に直接働きかけ、免疫機能をアップすると言われています。

美肌効果が期待できるチロシナーゼ阻害物質

シメジにはチロシナーゼ阻害物質という栄養成分も含まれています。
これはシミの原因になるメラニン色素の生成を抑制する働きがあるので、美肌効果に期待がもてます。

シメジ-炊き込みご飯

キノコ類は水で洗わない

全体的に弾力や張りがあり、かさが出来るだけ開いていないものが新鮮です。

キノコ類は水で洗うと香りや旨味が流れ出て風味が悪くなってしまうので、水で洗わないことをおすすめします。
ブナシメジなど、スーパーなどで手軽に買えるキノコ類は、農薬を使わず清潔な屋内の栽培工場で生産されているので、そのまま調理できます。汚れが気になる時も、キッチンペーパーや柔らかいふきんで軽く落とすぐらいでよいそうです。

風味を守る保存方法

冷蔵庫で保存

キノコ類は水分に弱いので、買ったその日に使い切るのが理想です。
その日に使わず保存する場合もあるでしょうけど、パックのままだと湿気をおび劣化してしまいます。
なので、パックから出しラップで包みジップ付きの保存袋に入れて野菜室で保存。
使いかけのものは、石づきは残したままキッチンペーパーで軽く水分を拭き取り、同様にラップで包みジップ付きの保存袋に入れて野菜室で保存します。
なるべく3〜4日で使い切るようにしましょう。

冷凍庫で保存

しめじなどキノコ類は、冷凍すると細胞が壊れてうま味が増すので、こちらの方が良いくらいです。
1ヶ月ほど保存できるそうです。

買ってきたらパックから取り出し、石づきを切り落とし食べやすいように小分けにします。
フリーザーパックに出来るだけ平たくなるように入れて、よく空気を抜き冷凍庫へ。
使う際は、凍ったまま炒めたり汁物に入れたりして、簡単に調理に使うことが出来ます。

しめじ-干す

天日干しして乾燥保存

シメジも椎茸のように天日干しすると、香りや味も深くなり、含まれるエルゴステールという成分がビタミンDに変化し栄養も増すそうです。

パックから取り出し石づきを切り落とし、1本づつに分けます。
日当りと風通しのよい野外に出来るだけ平に並べて干し、時々裏返します。
保存用は日中に3~5日干した方がよいですが、買ったその日でも、調理する前にしばらく干すだけでも効果があるそうです。

保存用は、完全に乾燥したらジップ付きの袋に入れ保管します。保存期間は常温で約3週間。その際、袋の中に乾燥剤を入れておくとよいようです。
料理の使い方は干し椎茸と同じです。炒めものにする場合は、事前に水で戻す必要がありますが、だしも取れます。

汁物料理は煮汁も一緒に

煮る料理の場合は煮汁も一緒に食べるのをオススメします。
含まれる栄養素のビタミンB群やカリウムなどは水溶性のため、栄養が汁に流れ出ているからです。

シメジに豊富に含まれるビタミンDはカルシウムの吸収率を高めてくれるので、カルシウムの多い小魚や牛乳・チーズなどと一緒に摂ると効果的です。
鶏肉やカボチャ、人参、ブロッコリーなどが入ったクリームシチューなど、タンパク質やβ-カロテン・ビタミンCなども一緒に摂れます。

ブナシメジなど一年中手に入りますし、他の食材とも相性がよいので、毎日のいろいろな料理に加えることも手軽にできますね~。

しめじ-クリームシチュー

出典・参照させていただいたサイト:
kurashiru しめじ
きのこらぼ from HOKTO オルニチン
暮らしーの しめじの栄養成分
cyuncore しめじ

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