スケソウダラの栄養素と効能。白身に含まれる速筋タンパク質を食べるだけで筋肉が増える!?

スケソウダラ-のり弁 -竹輪 魚介類

「スケソウダラという魚、最近食べましたか?」と尋ねると「名前は聞いたことあるけど、どういう魚だっけ? 昨日の夕飯はおでんだったし、昼は海苔弁だったし。食べてないかも・・・」という返事が返ってくるような気がします。
が、じつはスケソウダラは重要な漁業資源で、日本の食生活の中でも、様々な形に変わり頻繁に出てくる食材なのです。
栄養面でも、良質なタンパク源なうえに「とくに運動をしなくても食べるだけで筋肉を増加させる」という機能があることが研究で判明し、注目されてきているのだそうです。

えっ? 運動しなくても筋肉が増える?

最近足腰が弱くなってきているのに、ズボラなにこぴんにとって、こんな嬉しい話はありません。というわけで早速調べてみました♪。

スケソウダラとはどんな魚?

スケソウダラ

正式名称はスケトウダラだそうですが、スケソウダラが言いやすいのか、色々な記載名はスケソウダラの方が多いですね。

タラ目タラ科の魚で、日本の関東より北の太平洋に、オホーツク海からカリフォルニア州沿岸まで広く分布。しかし広くは回遊しないで、比較的狭い範囲で群れを形成し生息しているようです。
体長は成魚で約70cm、最大でも1m程度。肉食の魚で貝類や小魚・甲殻類などを補食しているそうです。

日本において重要な漁業資源ですが、傷むのが早いため鮮魚として流通するのは少なく、漁獲されるとすぐ冷凍、あるいはすり身に加工されるのだそうです。

さまざまな形で、食卓に登場

竹輪-タラコ

すり身になったスケソウダラは、蒲鉾カニカマちくわなどの練り製品や魚肉ソーセージに加工されています。
また冷凍食品の白身魚のフライになったり、卵巣はタラコ(明太子)として、白子も食べられています。
内臓などを取り除き干して乾物になった棒鱈も、スープや鍋などの具になっています。
こう並べてみると、かなり頻繁に食卓に登場している食材だということが分かりますね。

マクドナルドのフィレオフィッシュも材料はスケソウダラだそうです。

フィリオフィッシュ-マクドナルド

スケソウダラに含まれる栄養素

スケソウダラには良質なタンパク質ビタミンミネラルがバランスよく含まれています。
脂質と炭水化物はほとんどありません

タンパク質

体の筋肉や骨・爪、皮膚・臓器などを作るのに欠かせない栄養素。
スケソウダラのタンパク質は、良質といわれている卵と同等あるいはそれ以上と評価され、さらに新たな機能(第三次機能)として、筋肉を増加させる作用が発見されたそうです(後述します)。

レチノール(ビタミンA)

レチノールは、脂溶性ビタミンであるビタミンAの一種。
目を正常に保つ働きや機能改善、皮膚や粘膜を強化し美容やのどや鼻などの健康に役立ち、免疫力を上げ細菌から体を守るなどの働きがあります。

ビタミンB群

摂取した三大栄養素(糖質・脂質・タンパク質)を効率よくエネルギーに代謝するために働く補酵素です。
不足すると、エネルギーが足りなくなるので、疲れやすくなり、免疫力も低下し心や体が不調をおこします。

ビタミンE

強い抗酸化作用があるので、細胞の酸化を防ぎ、生活習慣病予防やアンチエイジングに役立ちます。

カルシウム・マグネシウム・リン

体の骨や歯を形成するのに必須なミネラル成分。また三大栄養素のエネルギー代謝に重要な役割も担っています。

カリウム

体内でナトリウムとバランスをとりながら血圧を調整しています。
ナトリウム(塩分)を摂りすぎると高血圧の原因になりますが、カリウムは余分なナトリウムを排出させ血圧を下げるように働きます。

スケソウダラは、食べるだけで筋肉が増加する?

魚肉ソーセージ-スケソウダラ

筋肉には、速筋遅筋の2種類があるそうです。

遅筋(赤筋)は持久力。呼吸や姿勢を保つ、ゆっくり歩くなど、日頃生活するのに使われる筋肉。
速筋(白筋)は瞬発力。とっさの時に踏ん張ったりすばやく動く、安静時の熱生産、体を引き締めるなどの役割があります。

40代くらいから全身の筋肉量は減っていきますが、減少しているのは速筋の方らしいのです。
速筋が衰えると、すばやい動作ができなくなり、安静時の熱生産が減少することで冷え性になったり、太りやすくなったりするそうです。
その速筋を増やすには、筋肉を鍛えるとともに、筋肉を作るタンパク質を多めに摂取することが必要だといわれています。

そんななか「スケソウダラを食べると筋肉量が増えた」という驚きの実験結果が、日本アミノ酸学会の第11回学術大会で発表されたのだそうです。
ニッスイ 白身魚タンパク質の筋肉増加効果について

ラット実験結果で

スケソウダラの白身には、タンパク質が豊富でほぼ速筋でできていることから「速筋タンパク質」と呼ばれています。
そのスケソウダラの速筋タンパク質を食べたラットに、他のタンパク質では見られない筋肉増加が見られ、特に速筋に効果があることがわかったそうです。

ヒト実験結果で

また、筋肉に衰えを感じる65歳以上の女性を対象とした実験で、3ヶ月間特別な運動をせずに、毎日4.5gのスケソウダラの速筋タンパク質を食べてもらったところ、19名中15名に筋肉の増加が示唆されたのだそうです。

そのメカニズムは、スケソウダラの速筋タンパク質を食べることが、運動と同様の筋肉再生のスイッチになるためではないかとされていますが、詳細なメカニズムはまだ解明がされていないことも多く、研究は続いているそうです。

筋肉トレーニングの効率を上げる効果も確認されている

おでん-竹輪

筋肉トレーニングの効率を上げる効果も確認されているので、トレーニングを習慣化している人にもスケソウダラの速筋タンパク質摂取はおすすめとされています。

運動後の筋肉増加サイクルは、運動した日に筋繊維が自己破壊し翌日に自己破壊が抑制され、翌々日から筋繊維の再生が始まるそうですが、スケソウダラを食べた場合は、運動した日に筋繊維自己破壊を抑制し翌日以降から筋繊維再生へと動くのだとか。
要するに、食べるだけで運動と同様の筋肉の再生が実現するのだそうです。

というわけで、全然運動しなくてもいい!という話ではないんですが。まあそうですよね、全然運動をしないというのも辛いですしね。

元気に歳を重ねていくためにも、効率よく筋肉をつけ減らさないことが大事。適度にスクワットなど運動しながらスケソウダラを食べると、良質でかつ最適なタンパク質が摂取出来るということなんですね~。

さて、一日にスケソウダラタンパク質を4.5g摂るとしたら、ちくわなら1本、白身魚フライ1個、カニカマ1.6本(約50g)、ミンチ約30g(いずれも原料の魚肉がスケソウダラだった場合)だそうですが、そのくらいなら、ズボラなにこぴんでも毎日続けていけそうです。

スケソウダラの鮮魚が手に入ったら

傷みやすく鮮度がすぐ落ちるため、水揚げされる漁港近くでないと見られなかった鮮魚ですが、流通技術の進歩により鮮魚で購入することも出来るようになってきました。

旬は12月~3月と冬。
生食は脂肪が少ない身質なので水っぽく、アニサキスなどの寄生虫もいるため、オススメ出来ないそうです。
が、鍋やみそ汁に入れたり、フライや煮付けなどの料理で食べると、上品で柔らかい白身があっさりとしていて食べやすいそうです。
韓国料理のチゲ鍋にも、白身魚としてよく入ってますね。

白子も、別名「すけタチ」と呼ばれ流通しています。
味は真ダラの白子よりあっさりしていますが、真ダラより安価で購入できます。
塩水や酒で洗い、熱湯をサッとかけ霜降りにします。
茹ですぎると固くなるので、鍋や汁物に入れる時もひと煮立ち程度で。プリプリとしていて白子も美味しいですよね。

スケソウダラ-白子-スープ

とりあえず、明日のおやつは魚肉ソーセージにしようかな~♪と思っているにこぴんなのでした。

出典・参照させていただいたサイト:
nag448 健康と食物の栄養と効能
tokyo chips
旬の食材百科 スケトウダラ

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