マンゴーの栄養と効能。トロピカルフルーツのひとつとして人気の果実

マンゴーとジュース 果物 ナッツ

濃厚な甘みと口の中でとろけるような食感が魅力のマンゴーは、チェリモヤやマンゴスチンとともに「世界三大美果」の一つとも呼ばれています。

1970年代から日本国内でも本格的なマンゴーの栽培が始まり、全国の果物店でも見かけるようになり、人気が出てきました。
今では、生のマンゴーだけでなく、マンゴージャムやマンゴープリンなどにも加工され、またドライマンゴーなども一年を通して売られていますね。
そのマンゴーは甘くて美味しいだけでなく、豊富な栄養を含むことでも注目されています。

今回は、マンゴーに含まれる栄養素とその効能を中心にまとめてみました。

マンゴーとは

マンゴーの木-熱帯地方

マンゴーは、亜熱帯から熱帯地方のインドから東南アジアのインドしな半島周辺が原産の、ウルシ科マンゴー属の常緑高木に実る、トロピカルフルーツ。
インド東部などでは約4000年前から栽培が始められ、世界中では何千種類もの品種があるといわれるほど、ポピュラーな果物です。

しかし日本国内では気候の関係で、自生しているマンゴーは無く、最初に持ち込まれたのは明治時代になってからのようです。
亜熱帯地方の沖縄県も気温的には大丈夫そうですが、開花の時期がちょうど梅雨時期と重なり結実しにくいというのがあり、自生していなかったようです。

沖縄県が栽培の研究に着手したのが、明治時代の後半。
いろいろな品種が試験栽培され、1970年代に入り切実性と消費者の好みに合わせアーウィン種(アップルマンゴー)が良いのでは?となり、雨除けのためビニールハウス栽培で着花の安定と炭疽病防徐ができるようになり栽培が本格化しました。
1993年には、本土への果実出荷の制限要因であったウリミバエが根絶され、出荷量が増え栽培面積が増えていきました。
今では沖縄では露地栽培も可能ですが、そこから北方面になると、気温の関係でビニールハウス栽培になります。
温度調節ができるハウスも開発されているので、北海道での栽培も可能だそうです。

国内産のマンゴーは、温度管理出来るビニールハウスの中で、摘果などをしながら一個一個手間暇かけて丁寧に栽培していることもあり、高級果物になっています。
栽培品種は、ほとんどが皮が赤く色付くアーウィン種(アップルマンゴー)で、栽培量は沖縄県が断トツですが、それに宮崎県・鹿児島県・熊本県が続いています。

マンゴーに含まれる栄養素と効能

マンゴー-3つにカット

生マンゴー100g(1個の可食部は約207g)でカロリーは68kcal。
主な栄養成分は、炭水化物(糖質+食物繊維)β-カロテンビタミンB群(B1・B2・ナイアシン・B6・葉酸・パントテン酸)ビタミンC、量としてはかなり少ないですがミネラルもカリウム・カルシウム・マグネシウム・リン・鉄・銅・マンガン・亜鉛などが含まれています。
糖度が高い割にはカロリーが低く、栄養バランスの良い果物といえるでしょう。
出典:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

抗酸化作用のある成分「ビタミンエース」が揃っている

ビタミンエースとは、抗酸化作用のあるβ-カロテン(ビタミンA)・ビタミンE・ビタミンCの3大ビタミンのことです。
老化の原因である体内の活性酸素を除去し、サビついた細胞の修復を助け、加齢とともに発症しやすい病気(例えば血栓症・動脈硬化・高血圧など)の予防や、肌の新陳代謝を促しシミ・シワを防ぐ効果が期待できます。
また、細菌やウイルスが侵入してくる喉や鼻などの粘膜を丈夫にし、ウイルス性の病気から体を守ったり、白血球やリンパ球の働きを助け、免疫力を高めることにも貢献します。

β-カロテンは赤や黄色の天然色素で、摂取すると体の中で必要に応じてビタミンAに変化します。ビタミンAはとくに視力の維持に役立ちます。
マンゴーに含まれるβ-カロテンの量は果物の中でも多い方です。

マンゴーはこのビタミンエースと呼ばれる3つのビタミンを同時に摂取することができるので、大きな抗酸化パワーで、アンチエイジングも期待できます。

エネルギー代謝を助けるビタミンB1・ビタミンB2

ビタミンB1は、炭水化物の糖質をエネルギーに変える補酵素しての働きがあります。
エネルギーが産生されると体の代謝がよくなり疲労回復やダイエットに役立ちます。

ビタミンB2は、糖質、脂質、タンパク質の代謝、エネルギー産生に関わる補酵素として働きます。
とくに脂質の代謝に関わるため、皮膚や粘膜・髪・爪などの細胞の再生に役立ち「発育のビタミン」「美容のビタミン」ともいわれている栄養素です。

必須アミノ酸のロイシン・イソロイシン

マンゴーには量としてはあまりタンパク質は含まれていないのですが、その中で必須アミノ酸のロイシン・イソロイシンは比較的多く含まれています。
筋肉の形成を促進し分解を抑制して、筋肉のエネルギー源となり基礎代謝を上げ疲労回復に働きます。

造血のビタミンと呼ばれる葉酸

ビタミンB群の一種である葉酸は、ビタミンB12と共に赤血球を赤血球を作るので「造血のビタミン」とも呼ばれています。

さらに、DNAの合成やタンパク質の合成にも関わる成分なので、胎児の成長にとって重要な栄養素とされてあり妊婦さんに積極的に摂って欲しいと推奨されています。
大人にとっても、動脈硬化の危険因子と考えられているホモシステインを、メチオニンに変換する反応を助けることや、そのメチオニンは血中のコレステロール値を低下させる可能性があるということが研究で示唆されているので、必要な栄養素です。

マンゴーの葉酸含有量は果物の中ではトップクラスだそうです。

消化促進や便秘解消に働く食物繊維

食物繊維は、水に溶けにくい不溶性と、水に溶けやすい水溶性に分けられます。
不溶性食物繊維は、胃や腸で水分を吸収して大きく膨らみ腸を刺激することで便通を促し、有害物質を吸着させ便と共に体の外に排出します。
水溶性食物繊維は、水に溶けやすく溶けるとゼリー上になります。そして腸内をゆっくりと移動するので糖質の吸収を緩やかにし、食後の血糖値の急上昇を抑え、コレステロールや余分なナトリウム(食塩)をくっ付けて体外へ排出します。

どちらもビフィズス菌などの善玉腸内細菌の餌になるので、善玉菌が増え腸内環境を改善してくれます。
マンゴーには不溶性と水溶性のどちらの食物繊維もバランスよく含まれています。
※市販されているマンゴージュースからは食物繊維は取り除かれています。

余分な体内のナトリウム(塩分)を排出させるカリウム

マンゴーに含まれるミネラルの中で、比較的多いカリウムは、ナトリウムとともに、細胞の浸透圧や酸・塩基平衡の維持、神経刺激の伝達、心臓機能・筋肉機能・細胞内の酵素反応の調節などの働きをしています。
そして、ナトリウムの量が多い場合は、腎臓でのナトリウムの再吸収を抑制し排泄を促進するので、血圧を下げる効果が期待できます。

効率よくマンゴーの栄養を摂取する食べ方

加熱せず生で、脂質と共に食べる

葉酸やビタミンCなどは熱に弱く量が減ってしまうので、出来るだけ生の状態で食べた方がよいです。
β-カロテンとビタミンEは脂質と一緒に食べると吸収率がアップするので、ナッツ類と一緒にヨーグルトに入れて食べるのもいいでしょう。

マンゴーの選び方

キーツマンゴー-カット
キーツマンゴー

マンゴーは追熟する果物です。購入する時や購入した後でも状態をよく見ましょう。

完熟したマンゴー

全体にツヤがあり表面を触ると少しベタつき、軽く押すと凹むくらいの柔らかさがあり、香りが強いと完熟しています。
アップルマンゴーの場合、商品を綺麗に見せるために人工的に赤を強くしているものもあるようです。また最近見かけるキーツマンゴーという品種は完熟しても緑のままです。赤でもオレンジでも緑でも、色が鮮やかに見えるものが良品でしょう。

完熟前のマンゴー

完熟前のマンゴーは、軽く押したときに固さを感じ、香りはまだ弱いです。
また、マンゴーは自分の実を守るためにブルームという白い粉状のもので表面を覆っています。
収穫した直後はそのブルームで覆われていますが、綺麗に見せるため、あるいは農薬と間違える消費者もいるので、出荷する時に取り除かれるケースもあるようですが、ブルームがついているものは新鮮な証拠です。
これは完熟するにつれて徐々に無くなっていきます。

保存の仕方

マンゴーは気温の高い地域の果物なので、低い温度の環境では追熟が止まってしまいます。
完熟前のものは、キッチンペーパーや新聞紙で包み、購入時についているフルーツキャップ(緩衝材)をかけ、ポリ袋(乾燥防止のため)に入れて直射日光の当たらない室内で常温保存します。

冷蔵庫保存

完熟したら、キッチンペーパーで包み、乾燥防止に濡らした手で全体に水を付け湿らせます。
フルーツキャップをかけポリ袋に入れ、口を軽く閉じて野菜室で保存します。保存期間は約5日。

冷凍保存

先に食べやすい大きさにカットしておいた方が、後々手間がかかりません。
それをラップでできるだけ密着するように包み、フリーザーパックに入れて冷凍庫へ。その時金属製バットに乗せると急速に冷凍できます。保存期間は約1ヶ月です。
解凍は冷蔵庫に移し1時間半程度で半解凍(シャーベット)状態になります。
完全に解凍してしまうと果肉の食感が悪くなるので、あまりオススメしません。

ドライマンゴー

ドライ-マンゴー

ドライマンゴーは名前のとおり、生マンゴーを乾燥させたものです。
ドライマンゴーにも旬があり、生マンゴーの収穫から3~4ヶ月後が一番美味しいそうで、それからほんの少しずつ新鮮さも落ちていくそうです。
しかし、基本的にはストックしておくと、一年中食べられます。
ドライマンゴーは、そのままおやつとしても食べられますが、細かく刻んでヨーグルトのトッピングや手作りのパンやケーキに入れたり、甘みや酸味を生かして料理の調味料としても使えますね。

カロリーは100gあたり339kcalとなり、生マンゴーの約5倍になりますが、それも当然のことで、生マンゴーの約80%が水分であり、それを乾燥させるからです。
その分、栄養成分がギュッと凝縮されています。
とくに増えているのは食物繊維ですが、水溶性の栄養成分であるビタミンB1・ビタミンB2・葉酸・ビタミンC・カリウムなども失われることなく、むしろ5倍以上も増えているのは嬉しいですね。

ドライマンゴーは、砂糖漬けしてから乾燥させた物や砂糖が加味されているのも売られていますが、マンゴー自体が甘みを持っていますので、ダイエットなどを考えておられるなら、できるだけ砂糖不使用・完全無添加のものが、自然の甘みも感じられオススメです。
国産はもとより、他の国々、例えばカンボジア産・フィリピン産・メキシコ産などでマンゴーの品種が違い、それぞれ味も違ってきますので、いろいろ試してみるのも面白いでしょう。

マンゴーを食べる際、注意することは

マンゴー-ヨーグルト

マンゴーは栄養価の高い果実ですが、糖質も多いです。これはどの食材でもいえることですが、食べ過ぎには注意しましょう。
マンゴーの1日の大人の適量は、生マンゴーで1個(可食部で約200g)程度、ドライマンゴーの場合は約40g程度だそうです。
とくにドライマンゴーは、水分が少ないうえに、含まれる果糖が普通の砂糖よりも血糖値の上昇が緩やかなために、すぐに満腹感を得られず、つい、食べ過ぎてしまう傾向があります。
じっくりとよく噛んで食べることで、食べる量を少なくして満腹感を持続させることができるでしょう。水やヨーグルトなどと一緒に摂るのも良いですね。

また、マンゴーはウルシ科の植物です。
ごくまれにですが、ウルシオールと似た成分である「カルドール」や「マンゴール」を多く含んでいる個もあり、接触によって皮膚炎やアレルギーを起こす可能性があります。
遅延型アレルギーのため、マンゴーに触った、あるいは食べてから数時間~2日以上経ってから発症することがあります。
もしや?と思われる症状が出た場合は、皮膚科にご相談ください。

まとめ

上記のような注意点があるとはいえ、ジューシーで爽やかな果実の甘さがあり、人気が上がってきているマンゴー。
生で食べるだけでなく、マンゴーを使ったプリンやケーキなどスイーツ商品も増えてきていますね。

美味しいだけでなく栄養価も高いトロピカルフルーツ。
くれぐれも食べすぎないように気をつけながら楽しんでいきましょう。

マンゴー-プリン

出典・参照させていただいたサイト:
シンクヘルス株式会社 マンゴーの栄養と驚くべき効能とは?
ニチレイほほえみごはん マンゴーの保存
マンゴーの話
小島屋 ドライマンゴーは太る?カロリーや栄養は?
ワオ!な和を、全国へ ワオ

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