ノンカフェインで飲みやすいということで人気が出てきているルイボスティー。
すでに愛飲しているという人もおられるでしょうが、「そもそもルイボスって何?」と疑問に思っている人も多いのではないでしょうか?
じつは管理人もあまり知らないことに気づいたので、ルイボスとは何か?またそれを飲むとどんな効果があるのか?などについて調べてみました。
ルイボスティーとは
ルイボスは、南アフリカ共和国のケープタウンから約250km行ったところにあるセダルバーグ山脈に囲まれた一帯で育つ、マメ科の低木なのだそうです。
緑茶や紅茶の「チャノキ」とは全然別の種類で、葉が針葉樹のように細くとがっているのが特徴。
南アフリカの先住民達は、6000年以上前からこの葉から作るお茶を「奇跡の茶」と呼び、日常的に飲んできました。
1650年代にオランダやイギリスから移住してきた人達も、紅茶代わりにルイボスを楽しむようになりました。
そして20世紀初頭に、紅茶栽培の研究家であったロシア人のベンジャミン・ギンズバーグ氏が、この地域を調査する中で、このルイボスの木に注目したのです。
ルイボスティーを日常的に飲んでいる人達が、他の部族の人達より若々しかったからです。
それで、この栽培や加工方法を研究し、イギリス・オランダをはじめ広くヨーロッパに紹介しました。
持ち帰ったルイボスの木の栽培も試みましたが、環境が違うということですぐに枯れてしまい、上手く育てることはできなかったようです。
現在でもルイボスは、このセダルバーグ山脈に囲まれた一帯でしか栽培に成功していない、希少な植物になるのだそうです。
世界で唯一のルイボスティーの産地は環境が過酷
セダルバーグ山脈の環境は常に過酷で、日中は強烈な日差しに照らされ、一日の気温差が30℃以上にもなるといいます。
ルイボスは、砂漠のような土地の、地中深くまで根を伸ばすことで、水分やミネラルを吸い上げています。
こうした過酷な環境の中で生き残るために、精一杯養分を溜め込むのです。
一見砂漠のように見えますが、そこは古代の海底が隆起したとされる大地。土壌にはミネラル類などが豊富に含まれているそうです。
自然のままの無農薬の乾地農法でたくましく育てられたルイボスは、天日乾燥・蒸気殺菌・熱風乾燥を経てお茶葉になります。
それが人間にとっても、様々な健康効果をもたらす成分になるのですね。
日本に入ってきたのは1980年代。
始めはドラッグストアの健康茶コーナーなどで見かける薬のようなイメージでしたが、ノンカフェインで飲みやすいということもあり、次第に一般的なスーパーなどにも置かれるようになり、愛飲者が増えてきています。
ルイボスティーは大きく2種類ある
ルイボスは前記したようにチャノキとは別の植物ですが、チャノキにも緑茶と紅茶があるように、ルイボスティーにも発酵するかしないかで2種類あります。
グリーンルイボスティー(未発酵)
クセや香りがなく、さっぱりとしています。
抗酸化作用のあるフラボノイドがレッドより10倍ほど豊富ということもあり、最近人気が高まっています。
レッドルイボスティー(発酵)
ルイボスティーというと、こちらの方が一般的ですね。
ほのかに甘みがあり、グリーンより香り・味わいともに濃い。
レッドルイボスティー茶葉は、収穫後に葉にキズをつけて酵素の働きで発酵させて作るのですが、少しキズがあるだけでも自然に発酵してしまうのだそうです。
ですので、グリーンルイボスティーの茶葉を作るには、かなり丁寧に扱い発酵しないように管理しなくてはならず、フリーズドライ製法の急速乾燥加工で発酵を食い止めるなど手間がかかる分、生産量が少なく値段も高くなるそうです。
ルイボスティーに含まれる成分
お湯や水に茶葉を入れて作るルイボスティーはノンカロリー。
カフェインが含まれず、タンニン(カテキン)もごく少量というのが大きな特徴です。
含まれる成分は、植物が光合成によって作り出す抗酸化物質のポリフェノールの一種であるフラボノイド(ルテオリン・ケルセチン・アスパラチン・ルチン)と、同じく抗酸化作用のあるスーパーオキシドジムターゼ(SOD様酵素)、甘みポリフェノールのジヒドロカルコンC、ミネラル類(カルシウム・マグネシウム ・リン・ナトリウム・カリウム・亜鉛・鉄など)です。
とくにフラボノイドのアスパラチンは、ルイボス特有の成分で、グリーンルイボスに豊富に含まれています。
カルシウムとリンの構成比が1対1で含まれていて、これはリンがカルシウムの吸収を促進する理想的な構成比になるのだそうです。
また、ナトリウム・カリウム・カルシウム・マグネシウムなどが、人間の体液組成比率と極めて似ているため体内に馴染みやすく、全身の細胞を活性化させ体の機能を正常に保つ作用があるという、嬉しい特徴もあるそうです。
ルイボスティーに期待できる効能・効果
上記したように、ルイボスには強い抗酸化作用成分とミネラルが豊富に含まれているので、ヒトにも様々な健康効果があるといわれています。
リラックス・安眠
ルイボスティーはカフェインを含まないため、就寝前に飲んでも大丈夫です。
就寝前に体温を上昇させておくと、眠りが深く質が良くなるといわれています。
また、ミネラルのマグネシウムには、興奮を抑えて精神を安定させる働きがあるとされています。
温かいルイボスティーを就寝1時間前くらいに飲むと効果的だそうです。
生活習慣病予防・改善
ルイボスティーには抗酸化作用のある様々なポリフェノールが含まれていて、体を酸化させる活性酵素を除去してくれるので、糖尿病・高血圧・高脂血症などの生活習慣病予防に役立つとされています。
とくにポリフェノールの一種であるアスパラチンは、AMPKというインスリン低抗性を改善する酵素を活性化させて上昇した血糖値を下げることが、研究で分かっているそうで、糖尿病の予防や改善に効果があると期待されています。
美肌・新陳代謝ケア
抗酸化作用のある成分は、美肌ケアにも貢献します。
ヒトの体にはもともとSOD様酵素を出す能力がありますが、25歳ぐらいをピークに歳を重ねるごとに減少していきます。それを補うことで、シミ・シワ・タルミを抑えたり新陳代謝を促進してくれるようになります。
また、体内の余分なナトリウム(塩分)を尿として排出するカリウムや、毛細血管の働きを促進するルチンも含まれているので、むくみ改善に役立つでしょう。
便秘対策
マグネシウムには、腸の中で水分を集め、硬くなった便を柔らかくする作用があるとされています。
カップ一杯ほど飲んだぐらいでは効かないかもしれませんが、習慣化して飲用すると、少しずつ便通が良くなっていくことが期待できます。
便秘が解消すると、腸内環境だけでなく、お肌の調子も良くなりますね。
アレルギー・肌荒れ対策
ルイボスティーに含まれるフラボノイドやSOD様酵素には、抗酸化作用や抗ヒスタミン作用があるとされています。
これも即効性はありませんが、習慣的に飲むと、徐々にアレルギー疾患の改善が期待できます。
アトピー性皮膚炎やニキビなどの皮膚疾患を改善する効果もあるといわれています。
ティーバッグを入れた風呂に継続的に入浴したり、洗顔したりしていると、これらが改善されたという報告もあるそうです。
ルイボスティーの淹れ方
ルイボスティーの淹れ方にはいくつか方法がありますが、一番含まれるフラボノイドなどのポリフェノールが抽出しやすいのは、煮出す方法だそうです。
- 煮出し方は、まず鍋かヤカンでお湯を沸かします(ヤカンはフタを取った方が良い)。
- 沸騰したらその中に1リットルの湯に対し茶葉5gあるいはティーバッグを入れて、弱火で5~10分煮出します。
- 煮出したら火を止めて、茶葉は入れたままフタをして5分以上蒸らします。
- 冷やして飲む場合は、粗熱が取れるまでそのまま置き、容器に移し替えて冷蔵庫へ。
温めたポットまたはカップに沸騰した熱湯を注ぎティーバッグを入れる方法もありますが、その場合も成分が出来るだけ抽出するように、フタをして5分ほどしっかり蒸らします。
水出しで作る場合は、水出し用の茶葉を使います。
容器にティーバッグと水を入れ、そのまま常温または冷蔵庫に入れ、2~8時間ほどかけてじっくりと抽出させます。
ルイボス茶葉にはほとんどタンニンが含まれていないので、長時間抽出しても苦味や渋みが出ません。
飲み終わるまで、茶葉(ティーバッグ)をポットやカップに入れたままでも大丈夫です。
タンニンは体に良い効果が期待できる成分ですが「それがほとんど含まれていない」ということにも利点があるのですね。
また、硬水より軟水の方が、香りやうま味がよく出るそうです。
ルイボスティーを飲む際の注意点は?
ノンカフェインであるルイボスティーは、現在のところ副作用や健康被害などの報告はないようなので、ご高齢の方からお子様・妊婦さんも安心して飲めるお茶ですが、注意点をあげれば、飲み過ぎないことでしょうか。
健康に良いとされているポリフェノールやミネラル類を豊富に含むルイボスティーですが、過剰摂取すると弊害もあります。
トイレが近くなる、胃が痛くなる、お腹が緩くなり過ぎるなども起こりえます。
ミネラル類・フラボノイドや女性ホルモンのエストロゲンが豊富なのはよいですが、多すぎて消化できないこともあり得ます(とくに、肝臓・腎臓が丈夫でないまたは悪い方は控えめにした方が良いそうです)。
一日にカップ2杯程度が推奨されていますが、人の体質は様々ですので、それでもお腹が緩くなり過ぎるようでしたら1杯にするとか、ご自分に合った量で、継続して飲むと効果を実感できるかもしれません。
ルイボスティーの飲み方アレンジ
ルイボスティーは、ティータイムや食事とともに一緒に楽しめるお茶ですが、「毎日、ストレートで飲んでると飽きるなぁ」という方もおられるでしょう。
ルイボスティーは赤いお茶ということで、ヨーロッパなどでは昔から紅茶代わりに飲まれていたこともあり、紅茶と同じようなアレンジで飲まれることが多いです。
ミルクと砂糖を加えてミルクティーにしたり、生姜を加えたり、他のハーブ茶葉とブレンドしたり、ハチミツやレモン・ライムを加えるのもいいでしょう。
クセや苦味・渋みがないので、焼酎やウィスキーなどのお酒の割り材に。また料理やデザートを作る際の水をルイボスティーに代えるという使い方もできるそうです。
最後に
今回、お店のお茶コーナーで「ノンカフェインでヘルシーなルイボスティー」というパッケージのキャッチコピーを見て、ふと「ルイボスティーのルイボスって何だろう?」と疑問が湧いてきて調べてみたのですが、ルイボスが南アフリカの一定の場所でしか育たない貴重な茶葉なんだ!ということに一番驚きました。
厳しい環境の中で育ちながらも、ほんのり甘くて優しいお茶。
ご自分の生活に合わせて、ホットでもアイスでも、ティータイムやリラックスタイムなどに、ルイボスティーを取り入れてみるのも一考ではないでしょうか。
出典・参照させていただいたサイト:
RT ROOIBOS TER ルイボスティーとは
Food for Well-being ルイボスティーとは
わかさの秘密 ルイボス
桜江町桑茶生産組合 ルイボスティーの凄い効果!
茶つみの里 ルイボスティーとグリーンルイボスティーの違いって??