以前おからパウダーを紹介した時にも書きましたが、にこぴんの祖母は豆腐屋をやっていました。
一緒に住んでいたわけではないので、子供の頃夏休みなどに遊びに行った時、なぜか朝5時頃に目が覚めて、祖母が豆腐を作っている作業を見ていました。
一年中寒い冬も毎朝3時頃には起床し、女手一つで豆腐を作るのは大変だったと思いますが、時々それを見ているだけの私には楽しい時間でした。
今回はその豆腐の栄養と効能について、木綿豆腐と絹ごし豆腐はどう違うのかについて、紹介します。
豆腐の出来る工程
まず前日から洗って水に浸け軟らかくしていた大豆を、粉砕機ですり潰します。
すり潰した大豆(生呉)と水を大きな釜に入れ、木のヘラで底から何度も掻き混ぜながら煮ていきます。
すると泡がブクブクと立ってきます。その泡をすくっては捨て、すくっては捨て、煮上がった呉をこし布に入れ絞ります。絞り出た汁が豆乳です。
その豆乳をもう一度釜に入れ温めながらニガリ(凝固剤)を加えて固まらせます。
その固まってきた豆乳を、四方30cmぐらいの、所々小さい穴の開いた濾し布を敷いた豆腐箱に流し込み、蓋をして上に重石を乗せ余分な水分を抜き、しばらく置いたら木綿豆腐が完成します。
木綿豆腐より濃い豆乳に凝固剤を加え、水分を抜かず、そのまま固まらせたのが絹ごし豆腐です。
豆乳を絞った時、残ったカス(?)がおからです。
ちなみににがりとは、塩を作るために海水を煮詰め塩の結晶を取り出し残った液体。
にがりの主成分は塩化マグネシウムで、舐めるとめちゃくちゃしょっぱいですが、これを豆乳に入れるとたんぱく質と反応して固まるのです。しょっぱいのに、これが豆の甘みを引き出すのだとか。
豆腐とおからの栄養価の違い
ですので、豆腐とおからは同じ大豆が別れて出来たものです。
豆腐を作るために、豆乳を絞って残ったカス(食物繊維)のかたまりがおからです。
豆腐は食物繊維が除かれた分、口当たりが滑らかで消化が良くなり、栄養が素早く摂取できる食品になります。
栄養的には、たんぱく質やカルシウム・マグネシウム・大豆イソフラボンなどは豆腐の方がやや高いですが、おからには大豆のほとんどの食物繊維が残っていて、100gに含まれる量はごぼうの約2倍といわれています。カリウムもおからの方が多いです。
どちらも低カロリー食品ですが、比較するとおからは豆腐の約1.5~2倍になるようです。
木綿豆腐と絹ごし豆腐の違い
食べごたえ感のある木綿豆腐か、喉越しの良い絹ごし豆腐が好きかは、好みが分かれるところだと思います。
料理の種類でも多少違ってきますね。鍋や炒め物にする場合はある程度固さのある木綿豆腐の方が扱いやすいですし、夏など食欲のない時はツルンと食べられる絹ごし豆腐がいいかもしれません。
栄養面を見てみると若干違いがあります。これは作り方の工程の違いによるものです。
豆乳を固めて水分を絞り出した木綿豆腐は栄養が凝縮されるので、同じ量で比べると、木綿豆腐の方にたんぱく質・カルシウム・鉄分などが絹ごし豆腐より1.3倍ほど多く含まれているそうです。
水溶性のビタミンB群やカリウムは、木綿豆腐は水に溶けて流れ出すので、絹ごし豆腐の方に多いようです。
血圧高めの人やむくみがちな人は、絹ごし豆腐の方がよいかもしれませんね。
豆腐の栄養効果
胃腸にやさしく消化吸収が良い
大豆はほぼ完全栄養食といわれるほど栄養価が高いのですが、消化があまり良くないとされています。
豆腐はそれを粉砕して作られるので、吸収率が格段に良くなります。元気な人はもちろん、病気の時や高齢者・赤ちゃんの離乳食として適しています。
体を作る良質なたんぱく質やサポニン・レシチンが多い
アミノ酸スコアが100点という大豆の良質なたんぱく質やサポニン・レシチンなどの成分を引き継いでいます。
内臓や皮膚・筋肉など様々な体を作る役割りのほか、免疫力や肝機能を高めたり、コレステロール値を下げる、高血圧・肥満予防に効果が期待できます。
女性ホルモンと働きが似ているイソフラボンを含む
イソフラボンは、女性ホルモンのエストロゲンとよく似た働きをしてくれる成分です。
加齢によりエストロゲンが減少すると、更年期障害や骨粗しょう症になりやすくなります。イソフラボンを摂取すると、その症状を緩和したり予防する効果に期待がもてます。
また、コラーゲンやヒアルロン酸の生成を促し、シワやたるみを抑える効果も期待できます。
アンチエイジングや生活習慣病予防にも
若返りのビタミンと言われている抗酸化作用のあるビタミンEも含まれているので細胞が酸化するのを抑え、血流を改善し新陳代謝がよくなり、動脈硬化など生活習慣病の予防や、肩こり・冷え症の緩和、美肌効果が期待できます。
骨や歯を丈夫にする
含まれるカルシウムも、豊富なたんぱく質がサポートしてくれるので、吸収がよくなります。カルシウムには精神の安定を保つ働きもあります。
腸内のビフィズス菌を増やす
豆腐の甘みを引き出すオリゴ糖は、大腸で善玉菌のビフィズス菌のエサとなり、腸内環境を整えてくれます。
豆腐の食べ過ぎに注意
豆腐はやわらかく食べやすいし、健康や美容に良い成分が多いと言われているので、やれ豆腐だ、納豆だと食べていると、つい食べ過ぎるということが起こりがちです。
例えば、朝食に豆腐入りの味噌汁を飲み納豆を食べる、昼食は麻婆豆腐、夕食に冷奴を食べたりすると、一見ヘルシーな食生活のようですが、大豆摂り過ぎになってしまいます。
食べ過ぎると逆に体に悪影響がある場合もあります。特にイソフラボンの摂り過ぎには気をつけましょう。
1日の食べる量の目安としては、豆腐なら1/2~1/3丁程度が適量といわれています。
植物性たんぱく質だけではなく動物性たんぱく質も摂り、バランスの良い食生活を心がけることが大切だそうです。
出典・参照させていただいたサイト:
日本豆腐協会
Exciteニュース
TOKYO GAS ウチコト