大豆の栄養価と効能。良質なたんぱく質が含まれる大豆は「畑の肉」と呼ばれるスーパーフード

大豆-大豆の煮豆 豆類

大豆は米と並び、日本の食文化を支えてきたと言っても過言ではないでしょう。
大豆の形を残している食べ物としては、節分の日の煎った豆や料理に入っている煮豆ぐらいでしょうが、豆腐や納豆・豆乳と形を変え、日本の食卓ではほとんど毎日お目にかかる食材ですね。

今回はその基本である、大豆の栄養価と効能について紹介いたします。

日本では縄文時代には食べられていたらしい

大豆はマメ科の一年草で、原産は東アジア。
日本では縄文時代には食べられていた出土例があり、弥生時代には神様への供物として栽培されていたと古事記などに記述されているようですが、20世期初頭までは東アジアに限られた食用作物だったそうです。

ヨーロッパに伝えられたのは18世期。肉に匹敵する量のたんぱく質を含んでいることが分かり、ドイツでは「畑の肉」とネーミングされました。ですが、ヨーロッパの土は大豆栽培には合わず、本格的に栽培ができるようになったのは20世期初頭になるようです。
現在は、世界で見ると生産量が多いのは1位がアメリカ、2位がブラジル。
大豆食品をよく食べる日本ですが、国内での生産は少なくなっていて、食品用大豆の生産量は全体の20%ほどだそうです。

世界が認めるスーパーフード

大豆(乾燥)の約30%を占めるたんぱく質は、アミノ酸スコアが100点という良質なもの。
その他、炭水化物脂質食物繊維ビタミンEビタミンB群ビタミンKカリウムカルシウムマグネシウム鉄分亜鉛葉酸など様々な栄養素が含まれています。
しかもコレステロールを全く含んでいないのが、スーパーフードと呼ばれる理由のようです。

大豆-ひじき-煮物

たんぱく質

大豆には肉や魚に匹敵するほどの豊富なたんぱく質が含まれています。それも植物性たんぱく質なので、肉のたんぱく質と比べても低カロリーで、消化吸収率が良く、体内で利用されやすいのが特長です。

たんぱく質は臓器や筋肉髪の毛など、体を作るために必要な栄養素です。また、血管を強くし、外から進入してくるウイルスなどから体を守る抗体の働きを助ける役割もあるため、免疫力アップにつながります。
必須アミノ酸をバランス良く含む大豆のたんぱく質には、コレステロール・中性脂肪・体脂肪を下げる効果も期待できます。

炭水化物・脂質

炭水化物・脂質・たんぱく質は三大栄養素と呼ばれ、私たち人間の生命維持や体を作るのに欠かせないエネルギー源です。
大豆に含まれる多価不飽和脂肪酸には、悪玉コレステロールを下げるという働きが認められています。

食物繊維

食物繊維には不溶性と水溶性があり、大豆にはどちらも含まれますが、どちらかといえば多い不溶性は、水を吸収して数倍にも膨れます。それが腸を刺激し便のカサを増やし排便を促し、便秘対策に役立ちます。
大豆にはゴボウやサツマイモなどの野菜より、多くの食物繊維が含まれています。

様々なミネラルが豊富

含まれるカルシウムは骨格を形成する上で重要な成分で、筋肉の収縮や神経伝達にも関与しています。
骨粗しょう症や高血圧予防し、精神を安定させる働きがあります。

鉄分もほうれん草と同じくらい多く含まれており、ヘモグロビンを作り体内の酸素供給に大事な働きをします。

その他にも、糖尿病や動脈硬化予防に貢献するマグネシウムや、たんぱく質合成に必要な亜鉛、血圧を下げる効果のあるカリウムマンガンなどが含まれています。

ビタミン類も豊富

抗酸化作用があり若返りのビタミンといわれるビタミンEをはじめ、細胞の再生やエネルギー代謝を促進するビタミンB群、カルシウムを骨に沈着させ骨の形成を促す作用ビタミンKなども豊富に含んでいます。

抗酸化作用のある栄養素は老化防止・アンチエイジングにつながるので、積極的に摂りたいものです。

大豆に足りないのはビタミンAとビタミンC。これを他の食材で補うと、完全栄養食になるバランスの良い栄養を大豆は持っています。

大豆イソフラボン

大豆-きな粉

ポリフェノールの一種であるイソフラボンは、豆類には多かれ少なかれ含まれていますが、桁違いに多く大豆に含まれているのが、大豆イソフラボンです。

これは女性ホルモンのエストロゲンの構造とよく似ているため、エストロゲンと似たような作用があります
加齢や生活習慣の乱れによりエストロゲンが減ると、コラーゲンや肌の潤い成分であるヒアルロン酸の生成も低下し、シワやたるみの原因になります。
イソフラボンを摂取すると、それら肌トラブルの予防や、ほてり・のぼせなどの更年期障害の軽減、PMS(月経前症候群)対策、糖尿病・骨粗しょう症予防、脂質代謝の改善などに有効といわれています。

ただ、普通に食事から摂っている分は過剰摂取の心配はほとんどありませんが、イソフラボンの過剰摂取は逆に体に悪影響を及ぼすことがあるので、サプリメントなどでも摂取している場合は気をつけましょう、とのことです。
1日の食品からの摂取上限値は70~75mg、特定保険用食品(サプリメント)上乗せ上限は1日30mgとされています。

サポニン

大豆に含まれるサポニンという物質には、過酸化脂質が増えるのを抑え排除する働きがあるので、中性脂肪を低下させるダイエット効果が期待できます。
また悪玉コレステロール値を下げる、食べ過ぎ・飲み過ぎによる肝臓へのダメージを抑える働きもあり、老化防止に役立つそうです。

大豆オリゴ糖

大豆の炭水化物にはオリゴ糖も含まれています。
オリゴ糖は大腸まで届き、腸内の善玉菌であるビフィズス菌の栄養となり増殖させ、お腹の調子を整えてくれる働きがあります。
大豆のオリゴ糖は熱や酸に強く、少量でもビフィズス菌を増やしてくれます。

ポリアミン

ポリアミンは、細胞内にあり細胞の増殖に深く関連している成分で、細胞分裂が盛んな成長期にはかなり沢山含まれていますが、年齢が上がるにつれて減っていきます。
ポリアミンには、動脈硬化や炎症の抑制、アンチエイジング作用があることが分かっています。
老化はポリアミンを自分の細胞で作れなくなることから始まるとされているので、外から摂取して増やすことが必要になります。
大豆など豆類には、ポリアミンが多く含まれています。

レシチン

レシチンは細胞膜や神経組織の構成成分です。鶏卵に多く含まれていますが、大豆にも豊富に含まれています。
血中コレステロールや中性脂肪を低下させると言われています。

大豆は生では食べないように!

大豆-節分

大豆など豆科の植物には、有毒なたんぱく質性のプロテアーゼ・インヒビターやアミラーゼが含まれており、消化を阻害するので、生で食べると消化不良を起こし下痢になる可能性があります。

まあ、生のままだと硬いし不味いので、あまり食べる人はいないとは思いますが・・・。
心配なのは、市販されている大豆粉のほとんどが生豆を粉砕したもののようなので、それを飲み物や料理にそのまま振りかけて食べてしまうことです。
煎ったり茹でたり、加熱すると大丈夫です。

節分の豆を食べる時は、煎った豆なのか注意しましょう。
ちなみに節分の豆は「煎る」→「射る」で鬼を退治するという縁起付けもあるようです。
きな粉は、煎った豆を粉砕しているので、そのまま食べても問題ないです。

いろいろなものに加工され、食べられている大豆

大豆-豆腐-納豆

大豆は生のままでは食べられないので、加工品が増えていったのではないかと言われていますが、いろいろな食品になっていますね。

発芽したばかりは豆もやし、若い頃は枝豆。
完熟した大豆も搾って大豆油、油を絞った粕は大豆粕。煎って粉にしたのがきな粉、蒸した大豆から醤油・味噌。
そして煮豆・豆腐・豆乳・湯葉・おから・納豆。豆腐を揚げると揚げ豆腐、焼くと焼き豆腐、凍らせると高野豆腐、といろいろな食品に加工され、食べない日が無いくらい大活躍の食材ですね~。

出典・参照させていただいたサイト:
公益財団法人 日本豆類協会
wikipedia ダイズ
ソヤファームクラブ

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