スーパーなど食料品店で納豆コーナーに行くと、粒納豆とひきわり納豆が並んで売られていますね。
どちらを買うか迷うところですが、どう違うかご存じでしょうか?
「ひきわり納豆は、食べやすいように納豆を刻んで売っているもの」と思っている方もおられるかもしれませんが「納豆を刻んだのではなく、納豆にする前に大豆をひき割ったもの」がひきわり納豆。
製造工程の違いにより、栄養価も若干違ってくるそうなので、そのへんのことをいろいろ調べてみました。
ご自身の好みや体調によって、どちらを選んだらいいか参考になれば幸いです。
粒納豆とひきわり納豆の製造工程の違い
粒納豆の製造工程
1. 大豆を水に浸ける
2. 水を含み柔らかくなった大豆を蒸す・煮る
3. 納豆菌をかける
4. 発酵させる
ひきわり納豆の製造工程
1. 大豆をひき割る
2. 皮を取り除く
3. 水に浸ける
4. 蒸す・煮る
5. 納豆菌をかける
6.発酵させる
ひきわり納豆は、最初にひき割られるので表面積が増え、皮が取り除かれているので納豆菌の浸透が多く、粒納豆より早い時間で発酵します。
この製造工程の違いにより、食感や風味に違いがでてくるのです。
ひきわり納豆は皮が無い分、粒納豆よりねっとりとしてなめらかな食感になっていますね。

粒納豆とひきわり納豆の栄養価の違い
納豆100gあたりのカロリー量は
粒納豆:約200kcal
ひきわり納豆:約194kcal
と少しですが、粒納豆の方が高めです。
粒納豆が多く持っている栄養素

- 炭水化物
(粒:12.1g ひきわり:10.5g) - 食物繊維
(粒:6.7g ひきわり:5.9g) - カルシウム
(粒:90mg ひきわり:59mg) - マグネシウム
(粒:100mg ひきわり:88mg) - 鉄
(粒:3.3mg ひきわり:2.6mg) - 銅
(粒:0.61mg ひきわり:0.43mg) - 亜鉛
(粒:1.9mg ひきわり:1.3mg) - ビタミンB2
(粒 0.56mg ひきわり:0.36mg) - ナイアシン
(粒:1.1mg ひきわり:0.9mg) - 葉酸
(粒:120µg ひきわり:110µg) - セレン
(粒:16µg ひきわり:なし) - クロム
(粒:1µg ひきわり:なし) - モリブデン
(粒:290µg ひきわり:なし) - ビオチン
(粒:18.2µg ひきわり:なし)
ひきわり納豆が多く持っている栄養素

- たんぱく質
(粒:16.5g ひきわり:16.6g) - カリウム
(粒:660mg ひきわり:700mg) - リン
(粒:190mg ひきわり:250mg) - ビタミンK:
(粒:600µg ひきわり:930µg) - ビタミンB1
(粒:0.07mg ひきわり:0.14mg) - ビタミンB6
(粒:0.24mg ひきわり:0.29mg) - パントテン酸
(粒:3.60mg ひきわり:4.28mg) - ビタミンE
(粒:9.9mg ひきわり:15.5mg) - マンガン
(粒:なし ひきわり:1mg)
大豆自体に栄養素が多く、それを引き継いでいるのでどちらも沢山の栄養素がありますが、種類としては粒納豆の方が若干多いですね。
特徴的な違いは、ひきわり納豆は皮が無い分、食物繊維の量が少なめ。
ただし、骨を作ったり丈夫にするのをサポートするビタミンKの量は粒納豆の約1.6倍、皮膚や粘膜の健康維持をサポートするパントテン酸は約1.2倍と多くなっています。
これはひき割ることで表面積が広くなるので、納豆菌がより多く浸透するからでしょうね。
好みや体調によるオススメの納豆は?
店の納豆売り場を見ると、粒納豆商品の方が圧倒的に多いので、そちらを食べている人が多いと思います。食物繊維も多く、健康維持や便秘解消に役立つでしょう。
ただ、粒だと食感が苦手な方や食べにくいと感じている方もおられますね。
ひきわり納豆は皮が無いので、食感が柔らかくなめらか、消化吸収もされやすいので、効率よく栄養を摂るのに向いています。
噛むことが苦手になっている高齢者や乳幼児の食事には食べやすく、育ち盛りのお子さまや骨や歯を丈夫に保ちたい人などにはビタミンKが豊富な、ひきわり納豆が役立つかもしれません。
多少の栄養差はありますが、元々スーパーフードと呼ばれている栄養豊富な大豆から出来ているので、あくまでも好みで、毎日続けやすい方を食べるといいですね。

出典・参照させていただいたサイト:
文科省 日本食品標準成分表2015年版(七訂)
オリーブオイルをひとまわし