それ、本当にエキストラバージンオリーブオイル? 選び方と保存方法

オリーブオイル-カプレーゼ オイル

バージンオリーブオイルは、オリーブの果実を搾って濾過しただけのもの。
精製処理していないので、オリーブオイル本来の風味や香りを楽しめます。

バージンオリーブオイルは品質の高い順に、エキストラバージンオリーブオイル、バージンオリーブオイル、オーディナリーバージンオリーブオイル、ランパンテバージンオリーブオイルに分けられています。
その中でもエキストラバージンオリーブオイルは、香り・味・酸度などの厳しい検査基準をクリアした、一番搾りの、一番良いランクのものに与えられる名前で、全体の2割程度しかない希少なものです。

その割には日本で売られているオリーブオイルに、エキストラバージンオリーブオイルを名乗る商品が多いのですが、なぜなのか気になったりしませんか?

大きな理由は、世界と日本の基準の違いによるもののようです。

IOCとJASの基準の違い

オリーブオイル-ピザ

世界の多くの国が加盟しているIOCは「酸度」で評価していて、100gに酸度0.8以下のオイルのみをエキストラバージンオリーブオイルと定めています。
酸度はオイルの鮮度を表すとされ、値が小さいものほどフレッシュなオイルということになるからです。

一方、日本のJAS(日本農林規格)では「酸価」基準でオリーブオイルと精製オリーブオイルに分類しており、酸価2.0mg以下だとオリーブオイルと認められています。

この違いのせいで、世界基準では「エキストラバージンオリーブオイル」の条件を満たしていなくても、日本では名乗れてしまうのだそうで、日本のオリーブオイル文化はまだ歴史が浅いせいか、甘いところがあるようです。

べつに法律違反ではないのですが、せっかく健康維持や美容を考えて「エキストラバージンオリーブオイル」を購入しようとしているのであれば、品質の良い世界基準のエキストラバージンオリーブオイルを手に入れたいですよね。
それに、傷んだ果実を圧搾したり、オリーブオイルに他のオイルを混ぜたりしたものを、エキストラバージンオリーブオイルとして売っている詐欺まがいの商品もあるので、選ぶ際のポイントを知っていることも大事になってきます。

エキストラバージンオリーブオイルの選び方

遮光性の瓶入りを選ぶ

オリーブオイルは酸化しにくいオイルとされていますが、光に弱く劣化を進めてしまいます。
特に緑色の若い果実を搾ったものにはクロロフィルが豊富で抗酸化作用があるのですが、光を当てるとまだまだ成長しようとして活性酸素を発生させ、オイルの酸化を促進し光劣化で脱色していきます。
透明ではなく遮光性の瓶入りを選びましょう。

ペットボトル入りのものも最近ありますが、ペットボトルは微量の空気を通すため劣化しやすいと指摘されているようなので、なるべく避けましょう。

コールドプレス製法で作られたオイルか

コールドプレスというのは低温圧搾製法のことです。熱を加えた方がオイルを搾りやすいのですが、鮮度や品質は酸化され劣化します。
最近コールドプレス製法で作られたオイルで「トランス脂肪酸ゼロ」をうたった商品をよく見かけるのですが、これが言いたいんですね。高温で圧搾されるとトランス脂肪酸も発生している可能性があります。

30℃以下の低温で、じっくり圧搾されたものを選ぶようにしましょう。

ラベルやホームページなどの情報を読んでみる

原産国名(地域)や収穫時期、オリーブの品種がはっきりしているものは信用できます。

酸度が0.8%以下であるという表記

IOC基準でエキストラバージンオリーブオイルを名乗るためには、酸度が0.8以下でなくてはいけません。それが表記されているオイルなら間違いないです。

オーガニック認証マーク

禁止されている農薬や化学肥料を使用せずオーガニック(有機)に生産したことを証明するマークです。
国によりマークのデザインは異なりますが、このマークがあると、オーガニックオリーブオイルということになります。

JOA認定マーク

発起人数社によって2010年に発足された「一般社団法人日本オリーブ協会」は、IOCに日本で唯一団体組織として加盟しています。
IOCの一員になったことにより、国際規格の品質検査を受けることが可能になりました。日本オリーブ協会は、この品質規格をクリアし国際規格と認められたオリーブオイルに「JOA認定マーク」をつけて販売しているそうです。
JOA認定マークが付いていたら、IOCにも認められるエキストラバージンオリーブオイルです。

オリーブオイル-パン

オリーブオイルの保管方法

光と熱を避けて常温で保管

前述したようにオリーブオイルは光に弱いので、高温多湿な場所は避け、直射日光や蛍光灯の当たらない暗めの涼しい場所に保管するようにしましょう。
コンロの近くなど、使い勝手が良いのですぐ置きがちですが、高温になりやすいので避けましょう。

オリーブオイルは安定したオイルなので、未開封で保管状態が良ければ、そんなに劣化せず長期保管が可能です。
しかし10℃以下で保管すると、オイルが結晶化し風味が落ちてしまいますので、気温の低い所や冷蔵庫では保管しないようにしましょう。

開封したら早めに消費する

オリーブオイルは劣化しにくいオイルですが、封を開け空気に触れるようになると、やはり、どんどん酸化が進んでいきます。
酸化したオイルを摂取すると、体に悪影響が出てきます。せっかく健康を考えてオリーブオイルを摂っても、それでは意味がないことになってしまいます。

オリーブオイルは開封後約3ヶ月を目安に消費するよう心がけるといいそうです。

エキストラバージンオリーブオイルを加熱してもいいか?

エキストラバージンオリーブオイルを、炒め料理や揚げ物などに使うのは悪いわけではありませんが、栄養素が減り、香りや風味も弱まってしまいますので、少しもったいないかもしれません。

エキストラバージンオリーブオイルの健康効果に期待するのであれば、生でサラダや料理、豆腐などにかけて食べたり、大さじ1杯ぐらいをそのまま飲んで摂取することをオススメします。
けっこう、ポン酢や醤油など日本の調味料とも相性がよく「旨みやコクが引き出されて美味しさが増す」と感じる人も多いようです。オイルなので、他の食材の栄養素の吸収も助けてくれるというオマケも付いてくるようです。

オリーブオイル-醤油

オリーブオイルの色の違いについて

オリーブオイルには緑色っぽいものや黄金色のものがありますが、これは果実の種類や収穫時期の違いによるもので、品質には関係ないとされています。

若摘みの果実を圧搾したものは、クロロフィルが多く緑色が濃いです。フレッシュな味わいとピリッとした刺激が特徴です。
ただし前述した通り光を当てると退色していくので、透明な瓶に移し替えたりした場合は、早く使うようにしましょう。

完熟した果実を圧搾したものは、最初から黄色がかっており、味もまろやかです。

オリーブオイル-サラダ

自分好みの香りや風味のものを見つける

にこぴんは幸いなことに近所にテイスティングが出来るお店があるので、時々試飲させてもらっています。
そうすると、オリーブオイルにも品種・産地・収穫時期の違いなどで、様々な香りや風味のものがあることが分かります。
ワインと同じなんですね。

「本物のエキストラバージンオリーブオイルだから」「価格が高いから」といっても、自分の好みに合うとは限りません。
健康や美容を考えてオリーブオイルを毎日摂取しようとしたら、自分好みの香りや風味のものでなければ、無理しても続けるのは難しいように思います。

オリーブオイルのプロの方々などが「これが美味しい!」とか紹介していたりしますので、それなどを参考に、オリーブが育った地を想いながら、自分好みのオリーブオイルを探してみるのも楽しいかもしれません。

出典・参照させていただいたサイト:
南イタリア食材ブリッジズ
macaroni オリーブオイルの種類と設定基準
日本オリーブ協会
Nippon Olive

コメント メールアドレスが公開されることはありません。

タイトルとURLをコピーしました