日本では1980年代頃から見かけるようになり、どんどん出荷量も増え、今では夏野菜に堂々と仲間入りしているズッキーニ。
一般的にスーパーなどで売られているズッキーニは、色も緑色でキュウリをひと回り大きくしたような形状をしているので、キュウリの仲間?と思われているかもしれませんが、じつはかぼちゃの仲間。
ハロウィンの時、中をくり抜きランタンを作るパンプキンなどのペポかぼちゃと同類です。
他にも黄色い皮のものや白いもの、形が丸いものもあり、それを見ると「かぼちゃだ!」と納得しますね。
施設栽培物も流通しているので一年中見かけますが、旬は夏。宮崎県や長野県、そして千葉県などで栽培されています。
ズッキーニに含まれる栄養成分
カロリーは100gあたり約14kcal、糖質は約1.5gです。
かぼちゃの仲間とはいえ、よく見かける西洋かぼちゃはカロリー約49kcal、糖質は約8.1gなので、それに比べると低カロリーですね。
含まれる主な栄養素としては、β-カロテン・ビタミンC・ビタミンB2・葉酸・ビタミンK・カルシウム・カリウム、そして食物繊維が豊富です。
β-カロテン
β-カロテンは体内に入ると必要に応じビタミンAに変わる色素成分で、肌や粘膜の健康維持や視覚の暗順応に働きます。また抗酸化作用があるので、有害な活性酸素から体を守り、アンチエイジング効果、免疫力を上げる効果が期待されています。
ビタミンC
体の細胞を結ぶコラーゲンというタンパク質を作るのに不可欠な成分で、肌や粘膜の健康維持に役立ち、シミ・シワ予防に有効です。
抗酸化作用があり有害な活性酸素から体を守り、またストレスへの抵抗力を高めたり、鉄の吸収を良くする作用もあります。
ビタミンB2
摂取した糖質・脂質・タンパク質をエネルギーに変えるのを支える重要な働きがあり、肌や粘膜の健康維持に役立つビタミンです。
葉酸
ビタミンB群のひとつ。タンパク質や細胞を作る時に必要なDNAなどの核酸を合成するという重要な働きがあり、細胞の形成を助け、特に細胞分裂が盛んな胎児の正常な発育に大事な成分です。
葉酸はビタミンB2と協力して血液を作る働きがあるため、ビタミンB2と共に摂取することが推奨されています。
ビタミンK
出血した時に血液凝固を促したり、骨の形成にも関与していると言われています。
カルシウム
骨や歯などを作っている栄養素です。骨粗しょう症予防に丈夫な骨を作っておくことが大事。一度にカルシウムの多い食品をたくさん食べても吸収できる量には限りがあるので、日頃から体を動かし、コツコツとカルシウムを摂取することが基本だそうです。
カリウム
ナトリウム(塩分)と摂りすぎると高血圧の一因になりますが、カリウムには血圧を下げる働きがあるため、脳卒中の予防や骨密度の増加に役立ちます。
食物繊維
食物繊維には水溶性と不溶性があり、ズッキーニに多く含まれる不溶性食物繊維は、消化吸収されることなく大腸まで届き、ビフィズス菌のエサになり腸内環境を整え、便のカサを増やし排泄を促す作用があります。
選び方や保存方法
選び方
色が濃く、全体の太さが均一で表面に光沢があり、へたの切り口が新鮮でみずみずしいもの。同じ大きさなら、手で持ってみて重い方を選びましょう。
食材になるのは育つ途中の若い実で、成長しすぎるとどんどん果肉が固くなり味が落ちていきますので、あまり大きすぎないもの。
保存方法
ズッキーニは低温・乾燥が苦手な野菜です。かぼちゃの仲間ですが日持ちが悪く水分が抜けると味が落ちるので、新聞紙やキッチンペーパーに包みポリ袋に入れ、冷暗所か冷蔵庫の野菜室に立てて保存しましょう。
1週間程度は保ちますが、できるだけ早く食べるようにしましょう。
どうしても食べきれない場合は、冷凍保存もできます。
ただ水分の多い野菜なので、そのままでは食感が損なわれます。食べやすく輪切りや細切りにし、茹でるか炒めてから冷凍しましょう。そして早めに食べきるようにしましょう。
ズッキーニは生でも食べられる!
あっさりとした味わいなので、調理法は茄子と同じように使えます。
南仏料理のラタトウイユなど煮込み料理やグリルする料理などが有名ですが、カレーやスープに入れたり天ぷらやフライなどの揚げ物も美味しいです。
また、生でも食べられます。
皮が固いと感じるなら剥いてもよいですが、皮と実の間に栄養が詰まっていますので、できれば皮ごと食べるのをオススメします。
薄く輪切りにしたりピーラーで削ったり軽く塩もみをしてしばらく置くと、しんなりとして食べやすくなります。
強い苦味を感じたら、破棄!
ズッキーニやキュウリ・冬瓜などのウリ科の野菜には、ヘタに近い部分に苦み成分である「ククルビタシン」が含まれます。
通常はその含有量はとても少なく問題無いのですが、ごくまれに含有量が多くて苦みや渋みが強いものがあります。
そういったものを食すると下痢や嘔吐、腹痛、手足のしびれなどの食中毒を起こすことがあります。
調理を行う前に、カットしたヘタ部分をちょっと舐めて確認しましょう。ククルビタシンの含有量が多い場合、ちょっと舐めただけでも、苦くて唇や口の中がしびれたような状態になるそうです。
万が一、そのような通常ではない苦みを感じるようであれば、もったいないですが食べずに破棄しましょう。
加熱処理してもククルビタシンの毒性は消えないので、食中毒予防のためにも廃棄することが大事なのだそうです。
まとめ
今では一般的なスーパーでも簡単に買えるズッキーニ。茄子と同じ感覚で色々な料理に使えるのがいいですね。
ごくまれに苦みが強いものがあるので、それは注意しなくてはいけませんが、通常のものであれば、洋風の料理だけでなく、中華や和食でもいけそうなので、味噌汁に入れたりぬか漬けにしても美味しそうです。
出典・参照させていただいたサイト:
macaroni ズッキーニ
ベジタブル大学
よしだ農園の夏野菜
グリコ すぐわかる栄養成分ナビゲーター