納豆の栄養素と効能。大豆の栄養を引き継ぎ、発酵によりナットウキナーゼなどの栄養も増える

納豆-オクラ-ネギ 豆類

昨今の健康ブームで需要がどんどん伸びている納豆。
「ネバネバと糸を引き匂いがキツイのに、よく日本人は食べるなあ」と言っていた海外の人達の中にも、最近は食べる人が増えてきているようですね。

納豆は、煮大豆を納豆菌で細菌発酵させた発酵食品
ほぼ完全栄養食といわれる大豆の栄養素を引き継ぎ、さらに発酵することにより、ナットウキナーゼ納豆ペプチドという成分も加わる栄養価の高い食品として、ただ美味しいからというだけではなく、健康やアンチエイジングのために食べている人も多いのでしょうね。

ですが、ナットウキナーゼや納豆ペプチドがどういう栄養素で、どういう働きがあるのかまでは、ご存じではない人もいるのではないかと思います。
また、その納豆の栄養を効率的に摂る食べ方もありますので、併せて紹介いたします。

納豆は大豆の持つ栄養素を引き継いでいる

大豆には私たちが健康を維持するために必要な5大栄養素、たんぱく質・脂質・炭水化物・ビタミン(ビタミンA・Cを除く)・ミネラル・食物繊維がバランス良く含まれていますが、納豆はその栄養をそのまま引き継いでいます。

体を作ったり、免疫力アップに必要なたんぱく質、エネルギー源である炭水化物脂質、腸内環境を整えてくれる食物繊維、骨を作るカルシウム、細胞の再生やエネルギー代謝を促進するビタミンB群、カルシウムを骨に沈着させ骨の形成を促すビタミンK、老化防止効果が期待できるポリアミン、女性ホルモンのバランスを整えるイソフラボン、細胞膜などの構成成分で美肌効果が期待されるレシチンなど、とても豊富です。

大豆の栄養価と効能。良質なたんぱく質が含まれる大豆は「畑の肉」と呼ばれるスーパーフード
大豆の約30%を占めるたんぱく質はアミノ酸スコアが100点という良質なもの。その他、炭水化物・脂質・食物繊維・ビタミンE・ビタミンB群・ビタミンK・カリウム・カルシウム・マグネシウム・鉄分・銅・亜鉛・葉酸など様々な栄養素が含まれています。

さらに、発酵することによって栄養素が増える

納豆 -ネバネバ

ナットウキナーゼ

煮大豆を発酵することによって、さらに増える栄養素もあり、ナットウキナーゼもその一つです。
名前からも分かる通り納豆から発見されたたんぱく質分解酵素で、数ある食品の中でも納豆にしか含まれていません

あのネバネバした納豆の糸に含まれていて、血栓を溶かし分解する力を持っています。
血栓とは、血管が傷ついた場合などに出来る血の塊のことで、血液がドロドロだと出来やすくなるそうです。
その血栓を溶かし、脳梗塞や心筋梗塞を予防する働きが、健康にいいと注目されているのだそうです。

大豆ペプチド

納豆菌によりたんぱく質が分解される時に生成されるものには大豆ペプチドもあります。
大豆ペプチドは腸内での吸収スピードが速く、カロリー消費を増加させ、脳や筋肉の疲労回復に素早く作用します。
脂肪燃焼効果もあるのでダイエットや、免疫力アップ、肝機能も向上させ二日酔い防止や美肌作りにも効果が期待できます。

ビタミンK

ビタミンKは大豆に含まれていますが、それを発酵させて納豆になると、ビタミンKの量が増えます。
ビタミンKは血液を凝固させるのに必要な成分ですが、カルシウムを骨に吸着させる働きもあります。
骨が丈夫になり、骨粗しょう症予防に効果が期待されています。

健康のために、効果的に納豆を食べるには

炊きたてすぐのアツアツのご飯には乗っけない

血栓を溶かし血液サラサラ効果のある嬉しい成分・ナットウキナーゼですが、残念なことに熱に弱く、水分が多い状態では50℃以上になると、成分が低下してしまうのだそうです。炊きたてすぐのご飯は50℃以上あるらしく・・。
炊きたてご飯に乗っけてハフハフ食べたいですけどね。

体に悪い作用があるわけではないようですが、含まれるビタミンB群も熱に弱いため、健康効果を考えて納豆を食べるのだったら、少し冷めてから一緒に食べた方がよさそうです。

納豆ご飯を生卵と一緒に食べるなら卵黄のみ

納豆ご飯に生卵をかけると美味しいのに⁈と思いますが、実は食べ合わせが悪いといわれています。
悪いといっても卵白だけなのですが、生卵の卵白に含まれるアビジンという成分と納豆に含まれるビオチンは強く結合する性質があり、結合するとビオチンの吸収が妨げられてしまうそうです。
ビオチンはビタミンBの一種でコラーゲンの生成を助けたり血行促進効果があるとされており、吸収されないともったいないから。
ただ、これも体に害があるわけではなく、ビオチンは体内でも生成できますし他の食品からも摂れるので、絶対にダメというわけでもないみたいです。

アビジンは熱に弱く、加熱すると妨げの働きは抑えられるようなので、半熟にするか、納豆オムレツなどで食べるなら吸収されるようです。

納豆-オムレツ-卵

食べる時間帯で、期待できる効果が違ってくる

納豆を朝食べると、たんぱく質が熱を体内で作り代謝をアップしてくれます。

夜に食べると、睡眠中に成長ホルモンが分泌されますが、納豆のアルギニンにはそれをサポートする働きがあるといわれています。
そして、ナッットウキナーゼは食後10~12時間働き、血栓が出来やすいのは深夜から早朝が多いそうなので、夜に食べるのがオススメだそうです。

納豆と一緒に食べると相乗効果のある食品

納豆-キムチ-シソ

納豆とネギ

これは多くの人がやっているのではないでしょうか。
ネギに含まれる硫化アリルには、納豆のビタミンB1をサポートする働きがあるので、疲労回復に役立ち、納豆のアンモニア臭を消して食べやすくしてくれます。
硫化アリルは他にもタマネギ・にんにく・にら・らっきょうに含まれています
また、納豆には含まれていないビタミンAとビタミンCが補えます。。

納豆とキムチ

キムチや塩辛・塩麹・豆板醤などの発酵食品を一緒に食べると、相乗効果で腸内の善玉菌の働きを活発にし、腸内環境を整える効果が増えるでしょう。
シソも加えると、必要に応じビタミンAに変換して肌のターンオーバー(新陳代謝)を促すβ-カロテンも摂れます。

納豆とマグロ

マグロにはたんぱく質の代謝をアップさせる働きのあるビタミンB6が含まれるので、血行促進効果が期待できます。

納豆とアボカド

納豆にも女性の味方であるイソフラボンやたんぱく質・ビタミンB群など、美肌作りに役立つ成分が含まれていますが、アボカドも美容効果があると特に女性に大人気ですね。
アボカドを加えると、納豆に含まれていないビタミンCが補えます。またオレイン酸など質の良い脂質や体内の活性酸素を除去してくれる働きのあるビタミンEも豊富なので、肌荒れなどが気になる時は一緒に食べてみるのはどうでしょうか。

納豆とオクラ・山芋・モロヘイヤなどネバネバ兄弟

納豆・オクラ・山芋・モロヘイヤなどのネバネバの正体は、多糖類(水溶性食物繊維)とタンパク質が結合した「粘液糖タンパク質の混合物」。
粘液糖タンパク質の混合物は、タンパク質の分解を助ける酵素を持っているので、消化吸収をサポートし、ヒトの胃粘膜や呼吸器粘膜の成分と似ていることもあり、粘膜を保護する作用があります。
粘性のため体の中での食物の移動をゆるやかにするので、血糖値の上昇を抑えたり、血中コレステロール値を下げたりする働きがあります。
また、保水性に優れているので、細胞をみずみずしく保ち、お肌などの老化対策にもなります。
水溶性食物繊維は、腸内環境の改善に期待が持てます。

納豆-山芋-オクラ

かき混ぜてからタレ等を入れる方が旨さが増す?!

納豆を食べる時、タレを入れてからかき混ぜる派と、かき混ぜてからタレを入れる派に分かれると思います。
粘りが出て糸を引くくらいかき混ぜると、グルタミン酸という旨味成分がアップして美味しくなるそうなので、かき混ぜてからタレ等を入れる方がいいようです。
タレを入れたあとにかき混ぜると粘りはあまり出ないですが、大豆本来の味を楽しむことができるので、これは好みでしょうか。

ちなみににこぴんは、かき混ぜてからタレを入れるのですが、タレを入れてはかき混ぜ、ネギやキムチを入れたらまたかき混ぜるので、どっち派なのでしょう(笑)。

過剰摂取に注意

たんぱく質は、筋肉など体をつくるのに重要な栄養素ですが、食べ過ぎると分解するのに肝臓や腎臓がずっと働かなくてはいけなくなり、内蔵疲労を引き起こしてしまう可能性があります。
納豆や豆腐など植物性たんぱく質は、動物性たんぱく質よりは低カロリーですが、植物性のたんぱく質だけでは栄養に偏りができてしまうので、肉や魚も食べるとなると摂取過剰になり、体に蓄積され肥満を招きます。
納豆にはプリン体が1パックに約57mg含まれています。また、セレンという微量元素は過剰に摂取すると中毒を起こし、嘔吐や肝機能不全などの症状が出ることがあるそうです。
血液を凝固させるビタミンKも多く含まれるので、ワーファリン(抗凝固剤)などを服用中で、お医者さんに「納豆を食べないように」言われている方は、お医者さんの指示に従ってくださいとのことです。

納豆は体に良い成分をたくさん持っている食品ですが、自分の体調と全体のバランスを考えて、普通の運動量の大人であれば、1日1~2パックくらいを続けるのが良いようです。

粒納豆とひきわり納豆は製造工程が違い、それにより栄養価も違ってくる?
ひきわり納豆は、発酵前にひき割られて表面積が増え、皮を取り除かれているので納豆菌の浸透が多く、粒納豆より早い時間で発酵します。この製造工程の違いにより、食感や風味に違いがでて、皮が無い分粒納豆よりねっとりとしてなめらかな食感になっています。

出典・参照させていただいたサイト:
日本ナットウキナーゼ協会
全国納豆協同組合連合会
みんなのライフハック@DIME

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